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現実の重みから逃れて気持ちがふと軽くなるような、そんなひと時を感じていた。見ると水面は一層深い陰りを見せ始めていた。
私はようやくそこを離れる決心をして港から目を転じた。私は人を選ばず、辺りの村人に忍路のバス停までの道を訊き、その方向に向かってあるき出した。
その道は蘭島から峠を越えてきた路とは違って、ゆったりとした真っ直ぐな坂道であった。この緩やかな登坂にはのんびり歩く人々の姿があって、その多くが年老いていた。彼らはこれから、いつものように夕餉に向かうのだろう。そして私は札幌に行かなければならなかった。
この広い坂道はどうやら村の生活路であるらしく、ここが山と海に囲まれた忍路の陸地からの入口であるのだろう。私が越えてきた山路は裏側になるのだ。
坂道を登り切ると海が見えた。その海は小樽に続く海であり、海岸線を道路が黒い帯のように伸びていた。
それは先ほど走ってきた国道であった。
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ギャラリーのほうの人もたまたま名前がかぶってしまったのかもしれませんが、、。
そちらの方はペンネームとして使っていますが、
私の場合は、幸せを求める絵という意味でつけたこのブログのタイトルですのであまり関連はないように思います。
私は のしてんてん というものです。
どうぞよろしくお願いいたします。^^;