
写真はHIROさん撮影
この演目は初めて見た。名前からして「石橋(しゃっきょう)」ものの一つのようだ。ネットで調べてみると、江戸中期の明和4年(1767)、当時の人気歌舞伎役者、二代目佐野川市松によって初演されたとある。そこでふと思った。「市松ってあの市松模様(チェック柄)の?」やはりそうだった。彼が舞台で白と紺の正方形を交互に配した袴を履いて人気を博し、着物の柄として流行したことから「市松模様」と呼ばれるようになったという。
実はこの演目で、“のぞみ・めぐみ姉妹”が登場した瞬間、思わず「オッ!」と声が出た。それは花童の舞台では初めて見る大正ロマンの世界だったからである。矢絣の着物に紺袴という衣装なのだが、これが最初は「市松模様」に見えたのである。実際、大正時代の女学生には「市松模様」の着物も好まれたらしい。もし、花誠先生が、初演者の佐野川市松に掛けた「市松模様」を思わせる衣装を選択されたとすれば、それは実に洒落た演出だなと思った。
実はこの演目で、“のぞみ・めぐみ姉妹”が登場した瞬間、思わず「オッ!」と声が出た。それは花童の舞台では初めて見る大正ロマンの世界だったからである。矢絣の着物に紺袴という衣装なのだが、これが最初は「市松模様」に見えたのである。実際、大正時代の女学生には「市松模様」の着物も好まれたらしい。もし、花誠先生が、初演者の佐野川市松に掛けた「市松模様」を思わせる衣装を選択されたとすれば、それは実に洒落た演出だなと思った。