江戸時代、越後の国(今の新潟県)月潟村に伝わる芸能「角兵衛獅子」を、上方や江戸の市中に出て来て見せていた大道芸人のことを「越後獅子」と呼んでいた。頭に獅子頭をかぶり、お腹にくくりつけた太鼓を打ちながら軽快に踊って見せた。また逆立ちやでんぐり返りのような軽業もして見せた。最大の見せ場は一本歯の下駄を履いて軽妙にリズムを刻みながら長い白布を振る「布晒し(ぬのさらし)」。この越後獅子を題材にした地歌、長唄、常磐津、歌謡曲そして歌舞伎舞踊がある。僕の子供の頃に流行した美空ひばりの「越後獅子の唄」は歌謡曲の中でも名曲中の名曲である。
※右の写真は「川尻をどり」の模様(HIROさん撮影)
※右の写真は「川尻をどり」の模様(HIROさん撮影)