徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

二人三番叟(ににんさんばそう)

2014-06-27 17:38:58 | 音楽芸能
 能の「翁(おきな)」をもとにした舞踊「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」は天下泰平や五穀豊穣の祈願をこめた儀式的舞踊として、江戸時代からあったそうだが、明治時代中期、文楽三味線の豊沢団平が、義太夫として編曲し、復活した。「寿式三番叟」には、「翁」の舞、「千歳(せんざい)」の舞があり、最後に「三番叟」が登場する。しかし、そのうちの「三番叟」が高い人気を得たため、「翁」と「千歳」の舞を省き、「三番叟」のみを独立して「二人三番叟」として演じるようになったという。神事の舞なのに、小気味よいテンポとユーモラスな所作が人気を得た理由だろう。
 ザ・わらべの“くるみ・文乃”コンビによる「二人三番叟」は初披露だったが、彼女らは基礎がしっかりできているので安心して見ていられた。次は能楽殿などの舞台の上で観たいものだ。


今夜の演目から 「球磨の六調子」

2014-06-27 00:10:37 | 音楽芸能
 今夜の「花童・玄宅寺舞踊会」は新たにレパートリーに加わった曲が多く、いつも以上に充実した内容だった。その中で比較的小曲で久しぶりに聞いた「球磨の六調子」をまずアップしてみた。その他は徐々にアップ予定。
 ちなみに今夜の演目は
 二人三番叟水辺立秋祭り狐流れ灯わらべ獅子球磨の六調子かくれんぼ
 火の国旅情阿蘇の恋唄水前寺成趣園

▼球磨の六調子
 球磨地方を代表する民謡の一つ。六調子とは三味線の調子のことで、三下りを地と感の二つの調子に弾くという。七・七・七・五のはっきりした二六音形の歌詞に、にぎやかな囃子ことばを入れながら、激しいテンポの三味線に合わせて面白おかしく歌うので、祝宴には欠かせない唄である。由来や伝承もなく、いつ、何のために、どのように歌うという定めもなく、宴たけなわともなれば、突然、だれかが歌い出し、それから調子が崩れて、手拍子、手踊りが始まる。歌詞は多いが、歌い出しは
「球磨で名所は青井さんの御門(前は前は)/前は蓮池桜馬場 ヨイヤサー」で始まり、間に「多良木の文蔵爺 湯前の猫八どんお主ゃ かみあげほっつりほっつりのぼらんせ」などの囃子ことばと、歌詞の間にいろいろのざれ言葉も加えて一段と変化をつけ、座興を添える。
(熊本県大百科事典より)

 この唄の起源については、牛深ハイヤ節が球磨川を遡って伝わったという説と、瀬戸内地方や大分県などで広まった「よいやな節」が南下してきたという説があるという。


〽球磨で名所は 青井さんの御門
 前は蓮池 桜馬場 よいやさ

〽桜馬場から 薩摩瀬見れば
 殿の御殿に 鶴が舞う よいやさ

〽田舎庄屋どんの 城下見物見やれ

 麻の袴を後ろ低う前高こう
 ひっつり ひっぱり ひっからげて
 ごんぼづと(牛蒡筒)やら やまいもづと(山芋筒)やら
 いなわせて かるわせて
 相良城下を あっちゃ びっくり こっちゃ びっくり
 びっくり しゃっくり しゃじゃめくところを

〽あらま笑止や 虎毛の犬が
 庄屋どん うち噛もちゅうて 吠えまわる よいやさ