「板に付く(いたにつく)」
一 般:物腰などがその職業・立場等によく似合っている。
歌舞伎:俳優の芸(演技)が舞台に調和している。
「市松模様(いちまつもよう)」
色違いの正方形を互い違いに組み合わせた紋様。石畳模様。寛保元年(1741)若衆方(のちに女方)の初代佐野川市松がこの模様の衣装を着たことから、-般の女性たちも競ってこの模様を使ったため大流行し、市松模様と呼ばれた。

「裏方(うらかた)」
歌舞伎の発展・進化に伴って、次第に職掌が分業化され、舞台に出て観衆と向き合う役者、楽屋で働く裏方、見物席・事務所で働く表方に専業化していった。「裏方」には、狂言役者(劇作家)、地方(音楽演奏者)、大道具方、小道具方、衣装方、床山(髪師)などが含まれた。(現代は照明・音響担当者も)
「大詰(おおづめ)」
一 般:物事の最終段階。
歌舞伎:長い作品の最終幕。江戸では、寛政期(18世紀末)まで、-日の長い作品を一番目(時代物)と二番目(世話物)に分けて上演していた。-番目の最後の幕を大詰、二番目の最後の幕を大切(大喜利)といっていた。
「十八番(おはこ)」
得意芸。よくやる動作。七代目市川団十郎が幕末に家代々の俳優が得意としてきた芸18作品を選び、『歌舞伎十八番』と名付けたことから始まっている。
「黒幕(くろまく)」
- 般:自分は表に出ず、他人を換って、影響力を行使する人。
歌舞伎:歌舞伎の黒幕は、主として夜の場面を表す背景幕として使われるほか、死んだという設定の人物を消す(隠す)ための消し幕や、舞台の不必要な部分を隠す幕(袖幕など)としても使用され、見えないという記号になっている。
「羞金(さしがね)」
一 般:陰で人を操ったり、そそのかしたりすること。
歌舞伎:黒く塗った樟の先に針金をつけ、蝶・小鳥・小動物や鬼火などを換る小道具。黒は見えない約束なので、黒く塗った細い竹竿の先端に、じやり糸という濃紺の細い糸やクジラの髭、またはピアノ線を付けて弾力を持たせ、その先に造り物の蝶々や雀をつけて換作する。焼酎火(幽霊が出る時に燃える火)などが登場する場面でも使われる。「後ろで糸を引く奴がいる」のように使われる。差金・黒衣・黒幕は人形浄瑠璃と歌舞伎の用語から出ているが、差金の概念はまったく別である。
「修羅場(しゅらば)」
一 般:激しい争いの場面。
歌舞伎:写実的な戦闘場面。
「正念場(しょうねんば)」
最も大事なところ。ここぞという大切な場面。歌舞伎でほ、役の本心・心底を表現する大切な場面を性根場(しょうねば)といい、それが転訛した。
「世界(せかい)」
江戸時代の中ごろからさかんに使われてきた言葉。歌舞伎狂言の特色を知るうえで、きわめて重要なキーワードのひとつ。狂言の背景になる時代、事件(ストーリー)、登場人物の名前とその性格・立場・行動パターン・おもな場面設定などすべての面にわたり、大幅な改変を許さない、作劇上の前提としてあらかじめ存在する枠組みを指して、これを「世界」と名付けていた。
「泥仕合(どろじあい)」
一 般:お互いに相手の弱点を暴きあうような醜い争い。
歌舞伎:泥まみれで行う立廻り。
「どんでん返し(どんでんがえし)」
一 般:物事が最後になってひっくり返る。
歌舞伎:立体的に飾ってある屋体を90度後ろに倒し、背景の絵が描かれている底辺を垂直に立てる舞台転換。がんどう返しとも言う。どんでん返しの演出は大詰に行われる。
「なあなあ」
一 般:物事を馴れ合いで行う。
歌舞伎:歌舞伎の定型的な演技の一つ。二人の登場人物が内緒話をする場面で、甲が乙の耳元に口を寄せて「なあ」といい、乙が「なあ」とうなずき返す。
「のべつ幕なし(のべつまくなし)」
一 般:物事が絶え間なく続くこと。、
歌舞伎:のべつはひっきりなし、ぶっつけの意味。幕間のない長丁場の芝居を形容する語。
「ノリ」
歌舞伎:「音楽に乗って演技すること」、動詞「糸(三味線の絃)に乗る」のこと。
能・狂言:「リズム感」「リズム形式」の意。
「ノル」は「鮮明にリズムを表わすこと」「テンポを速めること」「拍子に合わせる部分」。
「花道(はなみち)」
一 般:華やかな行路。惜しまれて引退する。ゴルフ場のグリーン手前のフェアウェイ。
歌舞伎:客席左後方から客席の中を通り舞台まで延びている道。役者の登場(出端の芸)と退場(引込みの芸)の両方に使われる。それだけ、場幕の内に消えたあとに残る感動の余韻を楽しもうとする観客大衆の心情を反映しているのである。
*初期の歌舞伎では役者に祝儀を捧げることがあった。観客が芸能者に衣装、布施、金銭を当座の褒美として与えることも古いならわしだった。現代でもカーテン・コールの時に花束を渡したり、お芝居などではお金を紙に包んで舞台上に投げることもある。

「めりはり」
ー 般:物事に起伏がある。
歌舞伎:せりふの音の緩急・強弱・高低・伸縮がハツキリしていて、観客に鮮やかに聞こえること。
(参照資料)国立音楽大学附属図書館資料より
一 般:物腰などがその職業・立場等によく似合っている。
歌舞伎:俳優の芸(演技)が舞台に調和している。
「市松模様(いちまつもよう)」
色違いの正方形を互い違いに組み合わせた紋様。石畳模様。寛保元年(1741)若衆方(のちに女方)の初代佐野川市松がこの模様の衣装を着たことから、-般の女性たちも競ってこの模様を使ったため大流行し、市松模様と呼ばれた。

「裏方(うらかた)」
歌舞伎の発展・進化に伴って、次第に職掌が分業化され、舞台に出て観衆と向き合う役者、楽屋で働く裏方、見物席・事務所で働く表方に専業化していった。「裏方」には、狂言役者(劇作家)、地方(音楽演奏者)、大道具方、小道具方、衣装方、床山(髪師)などが含まれた。(現代は照明・音響担当者も)
「大詰(おおづめ)」
一 般:物事の最終段階。
歌舞伎:長い作品の最終幕。江戸では、寛政期(18世紀末)まで、-日の長い作品を一番目(時代物)と二番目(世話物)に分けて上演していた。-番目の最後の幕を大詰、二番目の最後の幕を大切(大喜利)といっていた。
「十八番(おはこ)」
得意芸。よくやる動作。七代目市川団十郎が幕末に家代々の俳優が得意としてきた芸18作品を選び、『歌舞伎十八番』と名付けたことから始まっている。
「黒幕(くろまく)」
- 般:自分は表に出ず、他人を換って、影響力を行使する人。
歌舞伎:歌舞伎の黒幕は、主として夜の場面を表す背景幕として使われるほか、死んだという設定の人物を消す(隠す)ための消し幕や、舞台の不必要な部分を隠す幕(袖幕など)としても使用され、見えないという記号になっている。
「羞金(さしがね)」
一 般:陰で人を操ったり、そそのかしたりすること。
歌舞伎:黒く塗った樟の先に針金をつけ、蝶・小鳥・小動物や鬼火などを換る小道具。黒は見えない約束なので、黒く塗った細い竹竿の先端に、じやり糸という濃紺の細い糸やクジラの髭、またはピアノ線を付けて弾力を持たせ、その先に造り物の蝶々や雀をつけて換作する。焼酎火(幽霊が出る時に燃える火)などが登場する場面でも使われる。「後ろで糸を引く奴がいる」のように使われる。差金・黒衣・黒幕は人形浄瑠璃と歌舞伎の用語から出ているが、差金の概念はまったく別である。
「修羅場(しゅらば)」
一 般:激しい争いの場面。
歌舞伎:写実的な戦闘場面。
「正念場(しょうねんば)」
最も大事なところ。ここぞという大切な場面。歌舞伎でほ、役の本心・心底を表現する大切な場面を性根場(しょうねば)といい、それが転訛した。
「世界(せかい)」
江戸時代の中ごろからさかんに使われてきた言葉。歌舞伎狂言の特色を知るうえで、きわめて重要なキーワードのひとつ。狂言の背景になる時代、事件(ストーリー)、登場人物の名前とその性格・立場・行動パターン・おもな場面設定などすべての面にわたり、大幅な改変を許さない、作劇上の前提としてあらかじめ存在する枠組みを指して、これを「世界」と名付けていた。
「泥仕合(どろじあい)」
一 般:お互いに相手の弱点を暴きあうような醜い争い。
歌舞伎:泥まみれで行う立廻り。
「どんでん返し(どんでんがえし)」
一 般:物事が最後になってひっくり返る。
歌舞伎:立体的に飾ってある屋体を90度後ろに倒し、背景の絵が描かれている底辺を垂直に立てる舞台転換。がんどう返しとも言う。どんでん返しの演出は大詰に行われる。
「なあなあ」
一 般:物事を馴れ合いで行う。
歌舞伎:歌舞伎の定型的な演技の一つ。二人の登場人物が内緒話をする場面で、甲が乙の耳元に口を寄せて「なあ」といい、乙が「なあ」とうなずき返す。
「のべつ幕なし(のべつまくなし)」
一 般:物事が絶え間なく続くこと。、
歌舞伎:のべつはひっきりなし、ぶっつけの意味。幕間のない長丁場の芝居を形容する語。
「ノリ」
歌舞伎:「音楽に乗って演技すること」、動詞「糸(三味線の絃)に乗る」のこと。
能・狂言:「リズム感」「リズム形式」の意。
「ノル」は「鮮明にリズムを表わすこと」「テンポを速めること」「拍子に合わせる部分」。
「花道(はなみち)」
一 般:華やかな行路。惜しまれて引退する。ゴルフ場のグリーン手前のフェアウェイ。
歌舞伎:客席左後方から客席の中を通り舞台まで延びている道。役者の登場(出端の芸)と退場(引込みの芸)の両方に使われる。それだけ、場幕の内に消えたあとに残る感動の余韻を楽しもうとする観客大衆の心情を反映しているのである。
*初期の歌舞伎では役者に祝儀を捧げることがあった。観客が芸能者に衣装、布施、金銭を当座の褒美として与えることも古いならわしだった。現代でもカーテン・コールの時に花束を渡したり、お芝居などではお金を紙に包んで舞台上に投げることもある。

「めりはり」
ー 般:物事に起伏がある。
歌舞伎:せりふの音の緩急・強弱・高低・伸縮がハツキリしていて、観客に鮮やかに聞こえること。
(参照資料)国立音楽大学附属図書館資料より