「外記節 猿」というのが本来の名題だという。外記節と云うのは江戸時代初期に栄えた、薩摩外記という人を祖とする古浄瑠璃の一派のこと。
詞章を読んでいくと猿回しの門付けを唄っているようだが、後半は猿はお休みでもっぱら猿飼いが踊る。実はこの曲は舞踊のために作られたわけではなく、長唄の素唄として始まったもので、長唄として確立した後に、各流派がそれぞれ振付したためか、解釈が定まっていない面があるという。ただ、曲が素晴らしいので舞踊曲として長い間、愛されてきたようだ。
いずれにしろ来年は「さる年」。おめでたい祝儀曲としてもってこいだ。
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