徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

からゆき物語 ~ 愛の南十字星 ~

2015-12-03 17:37:33 | 音楽芸能
2015年8月30日 熊本市民会館大ホール
第17回 熊本いのちの電話 チャリティ公演
ラジオドラマ「ぬれわらじ」より 原作:木村祐章
構成・振付:中村花誠 作曲:今藤珠美 作調:藤舎千穂 出演:舞踊団花童/花喜楽

▼ぬれわらじ
 キリシタンの島、夢の島などと呼ばれ、人びとの旅情をさそう天草島だが、この島には貧しいがゆえに悲しい一生を送った乙女たちの哀話がある。身体を張って出稼ぎをする、からゆきさんと呼ばれる彼女たち。そして故郷を後に彼女たちがたどる運命は数奇なものだ。“ぬれわらじ”とは彼女らが出稼ぎのため後髪をひかれる思いで故郷をたち、最初に旅装をといた宿をいう。
 このからゆきさんの物語を綴ったラジオドラマ「ぬれわらじ」。作家で、熊本県文化財委員をかね、肥後地方の郷土史に詳しい木村祐章氏が、天草に取材、書き下ろしたドラマで、昔外地に働いた人びとの話をもとに創作している。
 ドラマはそうしたからゆきさんの一人かめさんの17才から79才までの一生を回想形式で描く。物心ついてから、唐芋といわしの外は、腹一杯喰ったことのないかめさん。彼女は村の若者忠平との恋も割かれ、行方も知らされず、石炭船の底に乗せられて外地に身を沈める。忠平との思い出を胸に秘めての香港、シンガポールでの生活、そうした中に咲いた恋も、戦争によってふみにじられてしまう。……
 故郷天草にもどったかめさんの生活は甥夫婦のお情けで、漁具を入れる小屋に畳を二枚敷いてもらい、甥たちのとって来る小魚を売り歩くというみじめなものだった。

昭和38年6月8日(土)21:30~22:00
NHK第2「ラジオ小劇場」にて全国放送

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