徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

オシロイバナ(白粉花)

2020-09-09 21:12:53 | 日本文化
 所用の帰り道、瀬戸坂を歩いて登って来ると道端に赤い「オシロイバナ」が咲いていた。顔を近づけると微かに甘い香りがする。なぜ「オシロイバナ」なのかというと種子の中身がオシロイのような白い粉なのだそうだ。そういうからには実際、オシロイの代用に使った人もいるのかもしれない。原産は中南米だそうだが、日本へは江戸中期に中国経由で伝来したらしい。
 この花の思い出と言えば、幼い頃、夏休みになると玉名市大浜町の母の実家に長期滞在した。楽しみは菊池川河口の砂洲での川遊びだった。家から5分ほど歩けば着く距離だったので、裸足で川砂の道を走って行く。足の裏が熱いので走らざるを得ないのだ。そして半日を砂の上で過した後、日が傾いた帰り道の道端にいっぱい咲いていたのが「オシロイバナ」だった。僕の原風景ともいえるだろう。
 そんな遠い夏の日のことを思い出しながら「オシロイバナ」を匂っていると、毎年観に行く熊本城城彩苑の花魁道中の匂いに似ている気がした。


オシロイバナ


花魁道中