徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

二の丸屋形の石垣に龍が!?

2020-09-14 19:11:58 | 歴史
 先月中旬の熊日新聞に面白い記事が載っていた。熊本博物館(熊本市中央区古京町)の北側に位置する二の丸屋形跡(現在は旧細川刑部邸が移築されている所)の石垣に、まるで竜をかたどったように見える石の並びが見えるという内容。
 今日、散歩をしている時に思い出し、ちょっと確かめてみようと立ち寄った。しばらく、「どの部分かな?」と思いながら眺めていると、今日は休日のはずの博物館の中から一人の男性が現れ「何をご覧になっていますか?」とたずねられた。来意を伝えると、それじゃあと解説を始められた。なんとこの方が熊日記事の情報発信元である学芸員の中原幹彦さんだった。それから約30分にわたり、竜に見える石の並びとそう見える根拠や歴史について懇切丁寧に説明していただいた。
 その要点は次のとおり。

 この石垣は第八代熊本藩主・細川斉茲公が隠居後に住んだ二の丸屋形の外構で、幕末に近い1824年頃に築かれたとみられること。旧豊前・豊後街道沿いで、明治以降は軍用地になり埋められたが、1973年の発掘調査で再び地上に現れたこと。石積みが行われた時代は石工技術が発達しており、積みやすいように四角に加工することはたやすかったと思われるにも関わらず、不揃いな形の石を並べて、しかも明らかに目地の連続性が見られるのは何らかの意図があったとしか思えないこと。
 また、ここは地形的には谷筋にあたり、砂薬師坂に向けてなだらかに下っている。雨が降ると二の丸御門側から川のように雨水が流れたと考えられ、水と縁が深い竜がさかのぼる構図とも考えられる。

 概ねそのような話でしたが、さて皆さんはどのように見えますか?




熊日新聞記事より