徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

平針木遣音頭(ひらばりきやりおんど)

2020-09-24 22:00:34 | 伝統芸能
 東海風流チャンネル(水野詩都子さん・本條秀五郎さん)にアップされている曲のうち、「篠島さのさ」を以前紹介した。「篠島さのさ」には慶長15年(1610)の名古屋城築城の際、天守石垣の普請を担当した加藤清正公が、知多半島の沖に浮かぶ小島篠島から、この島特産の花崗岩を切り出し、船で運んだ故事が唄い込まれている。
 一方、今回紹介する「平針木遣音頭」は陸揚げした巨石を修羅(木製の大型そり)に乗せて運ぶ時、清正公自ら石の上に乗り、木遣り音頭を唄って気勢を上げたという故事が起源だという。この石引きに参加した平針地区の人々がこの時の清正公の掛け声を真似て、景気づけに唄ったのが始まりとされる労働歌といわれる。現在では、平針木遣保存会によって伝承され、名古屋市の無形民俗文化財に指定されている。そんな歴史に思いを馳せながらこの唄を聞くとさらに味わい深いものがある。


加藤清正石引きの図(尾張名所図会)


平針木遣音頭 お木曳き