大型で非常に強い台風10号に備え、ガラス戸や窓に養生テープを貼りながら、先日の「プレバト俳句」をふと思い出した。永世名人となった梅沢富美男の傑作集を50句集めて俳句集の出版しようという企画があり、毎回、与えられたお題で新作を夏井先生に「採用」か「ボツ」かの査定をしてもらう。
先日のお題は「お箸」で梅沢の句は
「野分の夜ほぐす卵ののの形」
秋の季語「野分(のわき)」(台風の古称)を使って自信満々の句だったが、結果は「ボツ」。シュレッダーにかけられてしまった。夏井先生評は主役たるべき季語「野分」が活かされていない、というような話だったと思う。
「野分」は夏目漱石の作品の一つでもある。先日、このブログで取り上げた「二百十日」と対で語られることが多い作品だ。「二百十日」が、主人公たちが実際に阿蘇山で嵐に遭うのに対し、「野分」にはそんな場面はない。ただ一度だけ、女の歌う歌詞として「野分」が次のように登場する。
このことから、小説「野分」でいう「野分」とは自然界の現象としての嵐や台風のことではなく、人間の意志や行動によって起きるストレスみたいなものを言うたものらしい。
先日のお題は「お箸」で梅沢の句は
「野分の夜ほぐす卵ののの形」
秋の季語「野分(のわき)」(台風の古称)を使って自信満々の句だったが、結果は「ボツ」。シュレッダーにかけられてしまった。夏井先生評は主役たるべき季語「野分」が活かされていない、というような話だったと思う。
「野分」は夏目漱石の作品の一つでもある。先日、このブログで取り上げた「二百十日」と対で語られることが多い作品だ。「二百十日」が、主人公たちが実際に阿蘇山で嵐に遭うのに対し、「野分」にはそんな場面はない。ただ一度だけ、女の歌う歌詞として「野分」が次のように登場する。
白き蝶の、白き花に、
小き蝶の、小き花に、
みだるるよ、みだるるよ。
長き憂は、長き髪に、
暗き憂は、暗き髪に、
みだるるよ、みだるるよ。
いたずらに、吹くは野分の、
いたずらに、住むか浮世に、
白き蝶も、黒き髪も、
みだるるよ、みだるるよ。
小き蝶の、小き花に、
みだるるよ、みだるるよ。
長き憂は、長き髪に、
暗き憂は、暗き髪に、
みだるるよ、みだるるよ。
いたずらに、吹くは野分の、
いたずらに、住むか浮世に、
白き蝶も、黒き髪も、
みだるるよ、みだるるよ。
このことから、小説「野分」でいう「野分」とは自然界の現象としての嵐や台風のことではなく、人間の意志や行動によって起きるストレスみたいなものを言うたものらしい。