徒然なか話

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「カフーを待ちわびて」と日本人の“鶴女房”願望

2009-02-19 23:14:26 | 映画
 「カフーを待ちわびて」の試写会に行った。映画を観ながら、昨日と全く同じことを考えていることに気付いた。昨日のことというのはDVDで観た「その木戸を通って」のことである。この二つの作品、「カフー・・・」は原田マハという女性小説家が、2006年の第1回日本ラブストーリー大賞を受賞した作品が原作で、一方の「その木戸を・・・」は山本周五郎が1959年に発表した短編小説が原作。共通しているのは物語の根幹にある、日本人が古来から持つ“鶴女房”願望である。“鶴女房”というのは、日本各地に伝承されている「鶴の恩返し」伝説であり、それらをもとに、わが熊本ゆかりの劇作家、木下順二が書いた戯曲「夕鶴」に出てくる鶴のことである。「カフー・・・」ではマイコ演じるサチがそれであり、「その木戸を・・・」においては浅野ゆうこ演じるふさがそれにあたる。ある日突然表れる「美しい女房」を待つ日本の男のロマンは、時代は変わってもいつまでも変わらないのだろう。ちなみに「その木戸を・・・」の市川崑監督はその5年前に吉永小百合で実際に「つる-鶴-」を撮っている。
 さて肝心の「カフーを待ちわびて」だが、まだ公開前なので内容も論評も避けるが、一つだけ言えるのはマイコは「山のあなた」より間違いなくチャーミングだ。


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