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昨日は朝から母を連れて熊本松竹の「男はつらいよ40周年記念上映」を見に行った。上映は毎日朝一番の1回のみ。今週上映されるのは第21作の「寅次郎わが道を行く」だ。100席ほどのシアターに30人ほどの人が入っていた。年配者がほとんどだ。しかも夫婦連れが多い。熊本県内でロケをした作品なので見覚えのある風景が度々出てくるが、それが実は30年前の風景と思うとことさら懐かしさが募る。やはり寅さんの映画は観客が遠慮なしに笑う。最近、こんな光景はあまり映画館でお目にかかったことは無い。映像はこれがHDリマスターというやつなのだろうか。妙に鮮明だ。鮮明は鮮明なのだが、昔のフィルムの映像を見慣れた眼には微妙な違和感がある。何だろうとよくよく眼を凝らして見ると、かすかにドットを視認できるのだ。たしかに映画の世界でも今はデジタル技術全盛の時代だ。しかし、人間の感覚を満足させる、言い方を変えると人間の感覚を超える技術なんていうのは、はたして可能なんだろうか。そんな思いをしながらシアターを後にした。でも来週もまた見に行こう。