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山口県防府市の中心部、JR防府駅からもほど近いところに桑の山という小高い山がある。この山の東側の麓に大楽寺というお寺がある。彼女はここに眠っている。彼女の夫、伊集院靜氏の実家の菩提寺だ。実は30年ほど前、このお寺から歩いて5分もかからないくらいのところに僕ら家族は住んでいた。当時勤務していた会社の社宅がそこにあったからだ。当時まだ小さかった長男や次男を連れて付近を散歩したり、桑の山に登ったりしたものだ。「瀬戸内少年野球団」を見ながら、そんな自分の想い出もないまぜになって、懐かしさがこみあげてきた。
ちなみにこの大楽寺から桑の山の麓を南側に回ったところに、幕末の女流歌人、野村望東尼(のむらもとに)のお墓がある。望東尼は勤王の志士たちを支援していたことでも知られている。このお墓の周辺も30年前の僕らの散歩コースだったところだ。