縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

博物館の目玉がミュージアムショップなワタシ・・・縄文グッズさまざま

2023年10月20日 07時56分28秒 | 縄文
博物館にはいったら最初にミュージアムショップを物色するワタシ。
環状列石のマグカップの蓋はウケたけど1,540円は高いぞw
「縄文ファンの皆様に大好評♪」とある遮光器土偶メガネが2,420円もちと高く、これなら自分でつくる( ´艸`)
で買ったのが、遮光器土偶・板状土偶・笑う岩偶の起き上がりこぼし各660円也。デフォルメされたデザインと民具を組み合わせた発想に座布団いちまい!縄文仲間の土産用に納得の値段。やはり遮光器土偶がいちばん売れているそう。
キーホルダーは遮光器土偶そのままのデザインに面白味が感じられなく、わたしの趣味ではなかった。申し訳ない。
 
 
浅間縄文ミュージアムなどは、関係者がつくったかわいい土偶を安く販売していて、同好者へのリスペクトもあって買ってしまうのだけど、値ごろ感とは共感のことですな。
 
 
 

先生とセンセーの間には・・・長者ヶ原遺跡で音遊び

2023年09月19日 07時04分35秒 | 縄文
長者ヶ原遺跡の縄文体験会で音遊びの講師を頼まれて、山田センセー(先生と漢字表記できる手前)を囲んでワラシたちが座った。
最初の質問が「縄文時代はどうやって座ってたの?」と鋭いモノ。ムムムお主やるな!
 
「合掌土偶」と「しゃがむ土偶」は体育座りしているし、乳児を抱っこして横座りした「子抱き土偶」なんてのもあるから、体育座りと横座りはあったらしい。
 
もちろんアグラもあったと思うけど、なんと「子抱き土偶」は高校生が見つけたのだぞ!君たちもチャンスがある!と話題をズラシて逃げるところがセンセーたる由縁( ´艸`)
縄文遊びにも色々ありましてぇ・・・こんな遊びもやってたと思う。
 
音遊び体験会が終わるころには、アンパンマンみたいな頭だねー!触らせて~!ショリショリして気持ちいい!ワタシも撫でた~い!結婚してるの?子供はいるの?と、体によじ登ってきたり組ついてきたり・・・オマンらおじおちゃんはボクシングと古武術をしてきたツヨイひとなのだぞ!と脅しても容赦なし!
山田センセーの遊具利用はオプション料金をちょうだい(´;ω;`)
 
中学生以上が相手ならシショー(師匠と漢字表記できる手前)と呼ばれるのだが、師匠とシショー、先生とセンセーの間には深くて越えられない溝があるw
 
 
 

答えはあなたのなかにある!・・・石皿と竪穴住居の屋根の謎

2023年08月31日 08時11分39秒 | 縄文
長者ヶ原遺跡で石皿でコーヒー豆を擂り潰してもらう「縄文コーヒー」は、木の実をコーヒー豆に置き換えた縄文体験。
出土品の石皿は縦長の溝状にすり減らしてあるので手の運動方向は縦方向と思われ、わたしは摺り石を前後動に転がしてコーヒー豆粗く潰してから、前後方向に動かして粉砕している。
ところが体験者の多くは石皿の溝の方向とは無関係に、手にもった摺り石をこねくりまわす回転運動で粉砕するではないか・・・ムムム。
 
正解は縄文人しか知らないので好きにさせているが、個人的に回転方向は作業効率は悪いとは思うけどw。
2年ほど前に体験学習棟と向い合せの木陰に高床式のテラスができて以来、みなさんここで寛ぎたがるようになった。
本当は近代建築の黄色い体験学習棟のほうが風通しがよくて涼しいのだが、木陰と高床のテラスの方が魅力的なようだ。
 
確かにここで車座になって食事したりコーヒーを飲んだりすると、東南アジアの民家に招かれた時の感覚が蘇る。
 
最近は竪穴住居の屋根は茅葺ではなく、壁と屋根は土で覆っていたとする説が有力になってきた。しかしそれでは風通しが悪すぎるから、夏はツリーハウスに住んでいたのでは?という説も昔からあった。もちろん地域性や時代によっても多様性はあったと思う。
 
ちなみに戦前の樺太アイヌには、冬は土で覆われたトイチセ(土の家)で過ごし、夏は樹皮で壁と屋根を葺いたサㇵチセ(夏の家)で過ごす民俗例はある。
 
これも正解は縄文人しか知らない。だから高床式のテラスで過ごしてもらって、各自が感じてもらう。
 
わたしは何か質問されても「です・ます」と断言することに慎重ないのはこのためで、考古学の知見と民俗例、それに自分の体験談を紹介して、「であるからして、わたしはこう思う」と答えるにとどめている。
 
あなたはどう感じますか?そうです、答えはあなたの中にあるのです!これはブルース・リー先生から学んだわたしの流儀w
 
 
 
 

 


超簡単な縄文土器料理の作り方・・・長者ヶ原遺跡で縄文体験会

2023年08月29日 07時32分11秒 | 縄文
縄文鍋は調味料なしで、素材のうまみを引き出す!
なにより最初に土器に水を満たしておくのが私流。使用時は20年ほど前につくった5,000年前の多摩丘陵の遺跡から出土した勝坂式土器の複製。
 
①コーヒーのペーパードリップと同じ理由で、土器に水を満たして10分ほど吸水させておく。
②その間に焚火をおこし、吸水した土器の三分目くらいまで水をいれて干しシイタケとジャコで出汁をとっておく
土器を熾火で囲こむ前の状態。炭上になった薪を土器に寄せていく。
 
③土器に水と具材をいて、周りを熾火で囲んで20分もすれば沸騰するので弱火に
④10分ほどコトコト煮込んで完成!不安定な土器なので100均で買った植木鉢スタンドで転倒防止。次回は耐火煉瓦の上に乗せようとおもう。
わたしは民俗例から具材は保存の意味から乾物も多用していたと考えているが、乾物はいい出汁がでるメリットがあり、薄味なのに濃厚な味わいとお代わりする人もいて、これは縄文土器料理歴20年の研究成果w
今回は箸休めに干物のホタルイカ・エビ・アンコウの肝を軽く炙ったら、こちらも好評。購入先は伝兵衛水産!
 
ちなみに10人前の縄文料理で総額5,000円ほどの経費。使用燃料は用意した野菜コンテナ一杯分の薪が半分ちかく余った。製作時間は焚火開始から1時間弱。
 
ある縄文イベントでコーディネーターを頼まれて、本物志向でなくても、子供に貫頭衣を着せて豚汁を食わせ、誰でもできるマイキリ式発火法をさせれば充分では?と言われたことがある。なんどでも書くが、原始技術研究家の関根秀樹先生の研究によるとマイキリ式発火法は200年ほど前に発明されたらしいので、縄文遺跡の体験会には相応しくない。
 
わたしは内実のないことはしたくないので、子供だましの縄文イベントなら出る幕はないので降りますと言ったら慰留されてコトなきを得たが、子供相手だからと疑似体験でお茶を濁しては学びにならないと思う。
 
子供だからこそ誠実に本物を体験させたいのですわ。たとえ不評だったり失敗しても成果として評価して次に繋げればいい。
 
それにしても縄文とは名ばかりの縄文イベントに呼ばれると居場所がなくて困る。孤独だw
 
 
 

縄文人はなにを食ってた?・・・長者ヶ原遺跡で縄文鍋

2023年08月24日 07時02分54秒 | 縄文
縄文ツアーのガイドをするので、ギャラリーに土器コーナーと石器コーナーをつくった。
今回の縄文鍋の食材は、暑さ対策もあって乾物と缶詰めが中心で、生ものはナメコだけ。
タケノコ類は根曲がり竹のような細いタイプなら縄文時代にあったらしい。ちなみに真竹は奈良時代、孟宗竹は江戸時代などが本州に入ってきた。魚貝類や動物の肉は新鮮な時には焼いたり煮たりしてくっただろうが、大部分は燻製や干物にして食っていたと思う。戦後に南方のジャングルに潜んでいた日本兵の手記には、そんな苦労が書かれている。
 
縄文時代の製塩は晩期からだし貴重品であったと思われ、長者ヶ原遺跡の最盛期の前期~中期の塩分は食材由来の薄味ではなかっただろうか。
 
干し椎茸とナメコ、イリコと貝柱などをうまみ成分にして、味わってもらった後に各自が塩や醤油で好みの味にしてもらうのが私流の縄文鍋。
手のひらサイズの完形土器は、亡くなった好事家のコレクションが捨てられそうになっていた現場に居合わせて救出した本物で、専門家に観てもらったら青森の十腰内式ではなかろうか?とのこと。もったいないねぇ。
実用品にしては小さすぎるので、祭壇用の土器ではないかな?
 
 
 

 


舞キリ式発火法は縄文式ではないのデス・・・長者ヶ原遺跡で縄文体験

2023年08月02日 08時22分38秒 | 縄文
「縄文・ヌナカワ姫・ヒスイ探偵団」女子が来訪。
古代風首飾りとレゲイかつらが異様に似合うご婦人w 主婦4人組のノリの良さに圧倒されっぱなしでございます。
頭にかぶっているのは定置網の浮き球でつくった「ミッキーマウスヘルメット」で、赤い鼻とサングラスは百均製品。お客さんに喜んでもらうためのコスプレグッズである。
標高90mほどの長者ヶ原遺跡は涼しい・・・はずが今年は暑い!木陰で楽器演奏。右の女性はなにか食っているのではなく、ホラ貝を吹いているw
 
縄文遺跡をガイドするだけでは面白しろくないので、30分ほど火起こし体験をしてもらった。
 
火起こしは二人一組でおこなう「紐キリ式」を指導している。初心者でも成功しやすいのだ。
相手を思いやり、無駄に力まず、焦らず確実に、火キリ棒を垂直に押さえて紐を水平に引く。実は発火法を通した身体教育なのだ。
ほぐした麻紐に火種を落とし、息を吹きかけてから包み込んで数回グルグルと回わすと、突然ボワッと発火するのだが、誰もが「うわっ!」と驚いて手放す。この様子をみるのが楽しみ。
結果だけを求めるなら、市販キットのある「舞キリ式」は子供でも簡単に成功させることはできるが、参加者から縄文式の発火法と勘違いされては困る。指導者は江戸時代後半以降に考案された発火法なのだとの説明責任はあるのだが、摩擦式発火法ならなんでもいいだろとばかりに市販キットを使わせている人も多いようだ。
 
「火起こしができる」とは、発火具を自作できること。「火起こしをしたことがある」は用意された発火具で発火させてもらうことで、この違いを指導者は熟知するべきだし、発火具が自作できてこそ指導者といえる。
 
本当は「火起こしができる」体験会にしたいのだが、昨今の日本人の刃物扱いの基本を知らないから、短時間で結果だけを求められる今時の体験会的ではないのが残念。発火具を自作は、発火の理屈を知る上で大切なプロセスなんだけどナ。
 
残念ながら「日本人は手先が器用」は過去の話しになりつつある。
 
 
 

火の神アペフチカムイに謹んでお詫びを・・・淡路島の縄文イベントで思ったこと

2023年06月30日 11時30分25秒 | 縄文
縄文音楽祭なるイベントに呼ばれて淡路島までいってきたが、縄文は名ばかりの、日本中どこでもやっている普通の屋外フェスだった。予想通りだけどw
わたしの考える火起こしとは火の神を招来する神聖な儀式なのだが、主催者にとっては縄文っぽい演出の一環であったらしい。
 
ライブの合間の余興のように火起こしさせられ、情けないことに小さなバーベキューコンロの上で焚火にしたのだが、薪をわずかしか用意していないので、誰にかえりみられることなく淋しく立ち消えていった。火起こしの瞬間の写真をインスタにあげたかったのだろうか?そんなことのためにわたしは片道11時間もかけて淡路島に行ったのか?
 
火の神アペフチカムイ様、粗末に扱ってしまい申し訳ございません!ガチな縄文好きなら共通した想いだろう。
 
イベント終了後に早々と淡路島探検に出発。
景色はいいし、海岸におちている石はメノウや青系チャート、瓦の破片が多くてカラフル。
また珪化木を拾えたし、島の至る所に断層が露頭しているので地学好きな人にも面白い土地だ。
「盗まれるほど大人気のトイレットペーパーを売店で発売中!」など、道の駅の看板も面白味ががあっていい。
顔はめ写真にも笑ってしまう
 
こういった諧謔精神が、淡路島出身の高田屋嘉兵衛さんのバックボーンにあるのではないだろうか?
淡路島出身の高田屋嘉兵衛は江戸時代中期後半の偉人。
 
極貧から北前貿易の船主となり、函館港の整備やエトロフ島などの航路開拓をした。無位無官でありながらロシアとの外交問題を三方よしに解決した人物。
 
また和人から奴隷扱いされていたアイヌ民族と対等に交易をして、ロシア人からもアイヌ民族からもタイショー(大将)と尊敬された人物。
嘉兵衛さんの水平的な人間観に、たまらなく縄文の匂いを感じる。人が好きだったのだろう。
 
国家やヒエラルキーを超越した、開明的で現実的な人道主義者、博愛主義者が嘉兵衛さんではなかったか。淡路島の人々が本気で縄文をテーマにした音楽イベントをやりたいのなら、高田屋嘉兵衛さんをテーマにしてはどうだろうネ?
地元の人に聞いても嘉兵衛さんを知らない人がけっこういて、司馬遼太郎が「江戸時代を通じていちばん偉い人」と評した人物を知らないのはもったいないではないか。少なくとも名前だけ縄文より、内実はでると思うけどナ。
 
 
 

日本海の女王「ヌナカワ丸」海へ!・・・縄文丸木舟復活

2023年06月04日 08時35分30秒 | 縄文
日本海の女王「ヌナカワ丸」海へ!
6年ものブランクでアウトリガーを固定するターンバックルの締め方を忘れてしまい関係者を慌てさせてしまったが、フォッサマグナミュージアム学芸員の香取氏の機転で無事進水。
県立海洋高校と東京海洋大学のイベントだったので、先生方と生徒に「みなさんっ!ヌナカワ丸さえあれば日本海は世界の玄関口となるのですっ!佐渡へ!能登へ!冒険がまっておりまするぞ!」と息巻く。管理職の先生はそうだそうだ!実習船で伴走すればいい!と同調しても、現場責任者の先生はいやぁ、と苦笑いするのは毎度のことw
注目して欲しいのはアウトリガーのアマ(フロート部分)が海水面から少し浮いているところだ。
 
アマが接水していると抵抗となるので、アマは接水せずにヤジロベイのようにバランスをとりながら進むのが理想で、改装の前より具合がよく速度もアップした。
 
また定員も大人3人から4人に変更した結果もオッケイ牧場で、ウネリさえなければ大人2人に子供4人でもいけそうだ。きちんと漕げるクルー4人なら巡行速度6キロは見込め、佐渡海峡横断6時間台も夢じゃない。
 
試乗した東京海洋大学の先生も「これなら佐渡も大丈夫ですねぇ」と感心されて、海のヒスイロードや体験学習の談義に興じた。
 
 
 
 

 


わしらは縄文探偵団・・・ヒスイ大珠の紐孔比較でオークションで購入した出土品を鑑定

2023年05月28日 07時21分01秒 | 縄文
出土品と現代の作品の紐孔内部の比較をしたいと願っていたら、長野県の縄文仲間の関本さんがオークションで落札したヒスイ大珠のコレクションを大量に持参してくれた。
オークションで購入した縄文時代の大珠や石笛、弥生や古墳時代の勾玉の真贋の鑑定を頼まれることがたまにあるが、形状や研磨具合などから見てほとんどが現代の贋作のようだ。
 
とくに勾玉や石笛は遺物の様式にはない形状のものが多く、ひとめで現代の作品とわかる。そんなことから判定の確度をあげるために、紐孔内部をシリコンで型抜きした比較サンプルが欲しかったのだ。
自分でやろうと思っていたシリコンの型取りを、丸一日ついやしてやって頂いたとのことで恐縮。
他に旧石器時代の長野で打製石器をつくっていた「無斑晶質安山岩」の原石までプレゼントしてくれたので、打製石器つくりの名人が遊びに来たら妙技をみせてもらえる。
 
関本さんは帰りがけに「加工しないことを約束に進呈します」と大珠もひとつプレゼントしてくれた。是非もなし!
 
 

初夏の遺跡はバニラの芳香が漂うのだ・・・長者ヶ原遺跡で縄文時間

2023年05月03日 08時08分44秒 | 縄文

長者ヶ原遺跡のホウノキの花が今が盛りと咲き誇り、バニラかバナナのような芳香が漂っていた。

縄文人は皿や蒸し焼き料理の包みに使ったのかも知れないが、もっと前の時代はパンツに利用されていたらしい・・・とガイドしているのがホウノキの葉っぱ、すなわちホウバである。

旧約聖書の最初の方にでているのですとガイドしているのが縄文式パンツ術だが、読んだことないです。

ヒスイ海岸は狭くて賑やかなので、広くて人の少ない須沢海浜公園にガイドした女性が、夕陽の沈む海岸で太鼓をたたきはじめた。

波打ち際を歩いてヒスイ拾いをしていた人たちが、彼女を遠巻きに迂回した。私は彼女の気がすむまで昼寝タイム。
ゴールデンウイークでも遺跡は静かだ。
 
誰も来ないから、今の季節は地面に寝っ転がって初夏の陽光や風を感じるのも一興。これが気持ちいいのだ。
 
ガイドするお客さんによっては、寝っ転がったり、楽器を奏でたり、歌ったりすることがある。そんな時はガイド時間の許すかぎり、わたしは静観。各人各様の時間を愉しめばいい。
 
縄文時間ですな。