縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

中村造船社長の手・・・手は履歴書

2014年02月02日 22時16分59秒 | ヒトの掌・手・て・テ





ぶっ壊れたシーカヤックの修理が終わったと、中村造船から連絡があった。


見積りは二隻のシーカヤックの修理で総額1万5千円とのことだったが、「意外に簡単だったから、そうだねえ・・・7千円か8千円でどう?」と社長は申し訳なさそうに言った。


なんて欲の無い人だろう!


だから俺も意気に応えて、「安すぎますよっ!命に関わる補修ですから1万円出しますっ!」と見栄を張る。


海の男の「潮っ気」とは、男気のことでもある。



俺も建築リフォーム店の店長時代は、工事中に予想外の事態が発生せずに順調に終わった時には、請求は見積りより安く出していたので、同じタイプの社長がますます好きになった。


人には信頼されるけど金持ちにはなれないタイプだ。


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このカヤックはFRP製だから、デッキとボトムを別々に作ってから接合する工法で作られているが、補修前のシームライン(繋ぎ目)はボロボロで、内側から見ると太陽光が透けて見えたくらいで、大波に付きあげられると船体が真っ二つに裂ける恐れがあったのだ。


修理の終わったシーカヤック受け取りにお邪魔した時、船談義に華が咲いたが、ひとつ社長に頼みごとをした。


頼みごとは、社長の掌の写真を撮らせて欲しいということ。


俺は職人さんの掌を見るのが好きだ。


太く節くれだって、ゴツゴツしていたり、変形してしまっている不格好なヒトの掌、手、て、テ。


掌はその人生を雄弁に教えてくれる。



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中村造船の社長。なんと掌が顔の半分以上もあってでかいのだ。

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これが漁船作り32年の男の掌。
爪も変形していて、苦労が偲ばれる。


何年か前、京都の陶芸家さんと雑談している時に、「山田さんの手って格好いいですねえ・・・ちょっと触らせて貰えませんか?」と言われたことがある。


彼はマジマジと俺の掌を見たり触れたりして、「いい手です。この手は働き者ですね~。」と彼は俺の手を褒めてくれた。


思えば身体部位で褒められたのは掌だけだが(笑)、ハンサムだと言われるよりは嬉しかった・・・言われたことないけど(泣)。


そんなことから、以前に増して人の掌に興味を持った。


ヒトの掌は履歴書だ。



これからは格好いい掌を持つ人と出会ったら写真を撮らせてもらって、ブログで紹介していくことにする。



石笛の横吹き

2014年02月02日 22時14分53秒 | ぬなかわヒスイ工房


*今回のアップは、ユーチューブとOCNブログの設定環境に問題があるため、一部の人にはユーチューブが観ることができなかったり、文字が収まらなかったりという問題が生じてしまうようですので、ご了承ください。以下本文



ぬなかわヒスイ工房のお客さんから、俺が作った縄文石笛での「横吹き」動画をユーチューブにアップしたと連絡があった。

 

お客さんは石笛の吹き方としては大変に珍しい横吹きで演奏するという、北海道在住のMさん。

 

一般的な石笛の吹き方は、石笛の孔に対して正面から息を吹込む縦吹きで、基本的には一升瓶に息を吹込んで鳴らす遊びの吹き方と同じである。 

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一般的な縦吹きをする石笛仙人こと守山鷲声さん。

 

対して横吹きとは、石笛の孔に対して横方向から息を吹込む特殊な吹き方で、石笛に詳しい人でもないと存在すら知られていないし、俺も実際に横吹き演奏を聴いたことはない位の珍しくも難しい吹き方・・・というか吹き方自体が分らないのだ。



だからMさんの横吹きユーチューブアップは有難い。
こんな情報が寄せられるというのもモノ作り冥利に尽きるというもの。

 

因みに某古神道系教団では、神事で石笛を吹く時は横吹きとされていて、具体的な吹き方は公開されていない。 

 

そんな訳でMさんから縄文石笛購入の問合せがあった時に、俺も聴いたことのない横吹き動画を是非ともユーチューブにアップして欲しいと頼んでおいたのだ。



Mさんが購入した縄文石笛は、姫川で拾ったチャート・泥岩互層製の熊本県宇土市の轟貝塚出土石笛のレプリカ。

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チャート・泥岩互層???と思われる石で作った轟貝塚の縄文石笛レプリカ。

硬いけど粘りがなくて薄い部分がペキペキと割れる面白い石だった。

石笛の詳細は下記をご覧ください。
http://nunakawa.ocnk.net/

 

以前、このブログで「石笛仙人、縄文石笛を吹く」という動画を紹介したが、奇しくもMさんが動画で演奏しているのと同じ轟貝塚石笛のレプリカだ。

 

違いは、守山鷲声さんが縦吹きでMさんが横吹きということ。



それと鷲声さんの石笛は縦が5㎜ほど短いが、石笛演奏家にとってこの差は大きいので一概に比較はできないけど、
二人のそれと演奏スタイルが守山鷲声さんが能管のような幽玄な旋律に対して、Mさんは縄文人が石笛の音色を愉しんでいるかのような朴訥な感じ。

 

石笛に興味のある人のために、二つの動画をアップするのでお愉しみに。 

 

このところ、新しい石笛のアイデアがドンドンと湧いてきて、夜も眠られないことがあって困っている。


石笛を作ってもネットショップにアップした端から売れていくので、在庫が品薄になって嬉しい悲鳴を上げている。

 

モノ作りは面白いし、自分が作ったモノに共感してくれる人がいるって幸せだ。