ガソリン代にでもと寄付された浄財が多額となり、その使い道に思い悩んでいた。
仮設住宅に住む老人が「この辺りは紅葉が見事だったのに、最近は夏がおわったらすぐ冬になって、紅葉が見れなくなって淋しい」と嘆いていたが、地域の年中行事も失われたので季節感も薄れ、いつ日常にもどれるかもわからず漫然と時が過ぎていく。
別の仮設の区長さんに浄財の用途を相談したら、義援金や支援物資は自主避難している近隣住民から不公平だと文句を言われる辛い立場と聞き、季節感がなくなったと嘆いていたSさんを思い出して閃いた。
そうだ正月の餅を贈ろう!元日は震災から2年目の節目だ。
生涯わすれない辛い記念日に、せめて正月らしく餅を食べる間だけでも日常をとりもどしてもらおう!
現金1万円を配るより多くの人に行き渡るし、仮設のある地区単位で配るなら文句もでないのでは?と区長さんに提案したら、それなら!と膝をうって賛同してくれた。
現金は顔のみえないモノで終わるが、正月餅なら「能登を見捨てない人々の浄財で贈られたモノガタリ」として記憶に残るし、寄付した人たちも納得してもらえる。
能登は丸餅で年越しをする文化圏だし、奥能登にお金をまわすことが大事だから、地元で餅の製造販売をする農業法人の友人たちには申し訳ない。
奥能登で餅の製造販売をしている業者は軒並み廃業しているらしいが、なんとか見つかって予算額を提示したら驚かれた。今年は業務縮小して営業しているが同業者に声をかけてでも集めますと涙ぐんで快諾してくれた。
懐かしい記憶を文化と呼ぶ。文化は生きるチカラ。すべてが丸く収まる正月の丸餅プロジェクト始動!
どこにどれだけ配るか調べる必要が出てきたし、救出すべき漆器も出てきた。
年末の首都圏でヒスイの作品展や「輪島漆器義援金プロジェクト」の展示販売会、お話し会も集中しているから忙しくなる。
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