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ラオスの膝柄斧とカンボジアの拝み割り・・・各国薪割り事情シリーズ

2017年08月03日 23時38分11秒 | 民俗学ごっこ

エキサイトブログを使っていた時に紹介した、ラオスの縄文おじさんに再び登場願うことにした。

メコン川支流の小さな村で、川漁師、炭焼き、野菜作りをしながらに自給自足生活しているおじさんと仲良くなった。

驚いたのは彼の使っている斧で、樹の幹と枝の部分を利用した膝柄(ヒザエ)に袋状になった斧身を差し込んであり、古墳時代の斧となんら変わりがないのだ。

千七百年前の斧が現代でも使われていりという衝撃・・・もちろん同じ斧を買って土産にした。

膝柄の登場は、縄文時代前期の福井県鳥浜貝塚出土の「ソケット式石斧」が最初ではなかろうか?

 

中期になると同じ膝柄でもソケット状ではなくなり板で挟んで締め込む様式になるし、こん棒に孔を開けて石斧を差し込んだだけの直柄(ナオエ)も出土している。

おじさんに斧を使わせてもらったが、力任せに振るうと壊れてしまいそうなくらい華奢で、少しづつ切っていく斧という印象を持った。

 

インド、東南アジアはどこでも玉切りした薪を立てて縦に割る薪割りではなく、先端に枕木をかませた薪を横に寝かせた薪割り方式。

カンボジアで初めてこの方式を見た時に、斧の刃先が土にめり込んで欠けやしないかと痛々しかったが、みなさん百発百中でお上手。

特にカンボジアでは極端に上体を前に倒す薪割りで、「拝み割り」と名付けた。

玉切りの台に薪を載せて縦に割る日本式と比較して一見して恰好悪いようだが、チェーンソウや鋸で玉切りしなくていいので、手間暇がかからずサバイバルにうってつけであることは間違いない。

 

お前もやってみろと言われたので斧を持たされ、古武術式薪割りを披露したが、薪割り台がないので低すぎて非常にやり難かった。

カンボジア人には無様に映ったらしく笑われてしまった。