縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

疑わしくは比重を計ろう!・・・インドヒスイもヒスイのうち?

2018年07月04日 22時18分32秒 | ぬなかわヒスイ工房

知人が観て欲しいと持ち込んだのは巨大な勾玉。

研磨は稚拙だが透明感と発色が素晴らしく、硬玉ヒスイなら最高品質の琅玕 (ロウカン)である。

 

案の定、持ってみたら手が持ち上がるかと思うほど異様に軽い(笑)

カーネギーホールでリサイタルをしたこともあるという有名な音楽家から鑑定を依頼され時と同じパターン。

こんな時は比重測定するに限る。私の秤は家電屋さんで買った3,000円もしない安物のデジタル計量器だが、精度はともかく0.1g単位で測定できる。

 

比重測定は最初に測定したいものだけを計る・・・166.1g。

次に水を容れた軽い容器を秤に載せて風袋ゼロに設定。

測定物を紐で縛って水の中に吊るし軽量・・・63g

容器の底や壁面に測定物が当たらないように・・・本来は水を吸わないテグスを使うが、無かったので木綿紐で代用・・・精度無視(笑)

 

比重の計算方法は166.1g÷63g=2.64(比重)

硬玉ヒスイの比重は3・5前後だから間違いなくヒスイではない。

硬玉ヒスイのまがい物の中で最も近い比重はインドヒスイ(グリーンアベンチュリンクオーツ)の2.65だから、かなり疑わしい。

夕方だったので詳細な目視観察ができなかったが、キラキラした結晶が浮き出ていたのでインドヒスイではないだろうか?

簡単に言えば緑色の石英で、糸魚川でもたまに拾える。

見た目の次点候補はメタジェイド(硬玉ヒスイの模造品として開発された不透ガラス製品・比重2.7)だが、ちょっと軽すぎるようだ。

メタジェイドは中国製のフェイクヒスイに多いのだけど、調べてみたら日本人の飯盛里安という人の発明であるらしい。

悪魔の発明か人類の英知かは私には解りかねる(笑)

ちなみに某所で観察させて頂いた歴史的遺物の勾玉はもっと深い緑色をしていたが、持っただけで糸魚川ヒスイではないと解る軽さだった。

その時は目視観察だけだったので石英系ではなさそうだった・・・一体何だったのか今もって疑問。