六千年前の遺跡から出土した、国内最古級のヒスイ装飾品の実測と写真撮影をする機会を頂いた。
観察の結果、切削傷の残り具合と研磨度合いは、平面研磨機なら400~600番台の耐水ペーパー使用による湿式研磨に近く、手磨き仕上げで雰囲気が似そうと推測。
最古のヒスイ大珠が出土した地域は中期に曽利式土器が作られているのだけど、その特徴の一つが隆帯を張り付けた水煙模様で、私は火焔型土器よりこっちの方が好き。
最新技術だと写真撮影だけで緻密な3D図面が描けるそうだが、作り手の立場としては、六千年前に製作した縄文人の意図を読み取るべく、じっくり対話するように観察してポイントを把握できる手描きスケッチは必須。
土壙墓から出土したヒスイ製大珠だから、死者が身に付けていた出土品の模造品を作るという事で、それなりの覚悟を忘れてはならないと思う。