高田の一斉除雪で雪樋(ユキドヨ)をはじめて使って、屋根の上を歩きまわらなくてよい工夫に感動した。
「雪国十日町の暮らしと民具」には、雪樋は昭和初期から使われ、金属製スコップが普及しはじめたのは大正時代からと紹介されており、それ以前の除雪は大変だったろう。
高田で使われていた雪樋は幅50㎝×長さ3・6m内外で、各戸で大工に注文したそうだ。
真冬以外は無用の長物を雁木の下に吊るして保管する家もあって、各戸の工夫が面白い。
近年では塩ビ製波板トタンをそのまま代用したり、ホームセンターには波板トタンの端を丸めて排雪が横に逃げないためのプラスチック製枠も売られていた。
屋根雪おろしで一番危ないのは転落だから、雪樋は便利であるだけでなく安全対策でもある。
もっとも簡易な代替品はブルーシートだそうで、除雪の甲子園ともいえる高田の一斉除雪は、民具好きには楽しい2泊3日であった。