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木造ヨットEzuism号のクルーは、すばらしく大人な人々

2021年08月04日 07時15分03秒 | 田舎暮らし

Sail on !海へ!

メンテナンスを終えた木造ヨット、Dr.江塚のエズイズム号が今シーズン初の試運転。

私は20年振りのヨットなので、邪魔にならないようにと思っていたが、平均年齢74歳くらいのクルーは「あれ~?もやい結びってどうやるんだっけ?」「ジブセイルが上がらないのはなんでかな?」といった感じだったので、意外なほど活躍の場があった(笑)
 
機走で港外に出た直後、エンジンが止まるアクシデント発生・・・あわてず騒がず、微風の北風をつかまえて船足を確保し、安全な沖までフルセイル!
流石に横山晃が設計したサバニ船型のヨットは、よく走る。やっぱセーリングはいい。
 
沖に出てからタッキング(風上まわりの方向転換)したが、エンジン無しで入港するには進入コースの角度が浅く、風下側の防波堤に流されて座礁する危険が迫った。
 
防波堤手前で再びタッキングして、沖にでつつ風上に上った。
 
この時のジブ(前の三角帆)のトリムで、私がズブの初心者ではないと多少なりともアピールできたかな?・・・入港出航時はエンジンを使うクルーザーと違い、ウインドサーフィンは帆走だけなのでシビアなのですゾ。
 
防波堤の先端をかわしてから、一気に帆を降ろして船足を殺し、惰性で桟橋にピタリと横付け!
 
桟橋に飛び移り、もやい綱を投げる・・・懐かしいこの速度感と連携の妙・・・この感じが好きだ。
 
お盆に佐渡クルージングに出るのだが、試運転のお陰でエンジンの不具合を見つけられたし、新参者の私もクルーに溶け込めた。
 
 
ヨット乗りは多趣味で話題豊富、快活なリベラリストが多い。
Ezuism号もオーナーの江塚先生は、著名な脳外科にして、木工が得意なバロック音楽のフルート吹き。料理番の曽根さんは、洋菓子店「ラ・ソーネ」の店主にして、同じくフルート吹き。
 
(木管フルートを初めて聴いたが、詫びた優しい音色でした)
舵を持つスキッパー(艇長)の長谷川さんは、50年のヨット歴を持つ広告代理店社長。機関長の恩田さんは、自動車修理工場の社長にして、たいへんな読書家、しかも私と同じ半藤一利ファン。
 
他にも大の釣り好きの内科の女医さんもいたりして、上杉謙信の居城のあった春日山の麓にある「ラ・ソーネ」に集まっては酒宴を開くが、これがほどよく抑制が効いた大人の集いで気分がいい。
岩ガキが美味い。出てくる料理がすべて玄人はだし。
 
クルーは酒豪ぞろいだけども、人の話を聞かずに一人で大声を出して喋りまくる酔っ払いもいなけりゃ、前後不覚になるまで酩酊する人もいない。
 
最後まで普通の声で会話を楽しみ、満腹となり酔いと会話が満たされたところでアッサリとお開き。大人の落ち着いた酒宴デス。
 
「スマートで、目はしがきいて、几帳面 これぞ船乗り」
 
Ezuism号のクルーは、船乗りの矜持を表す格言通りの人々。
 
今年のお盆は能登航海に出たかったらしいが、メンテに手間取り過ぎたために佐渡航海となった。往復ともナイトクルーズの予定。
 
天の川や夜光虫を肴に、映画や文学、歴史を語り合う・・・想像しただけで楽しそうだ。