暮れからひと月ほど愛車の軽トラに積んでいた竹。
何に使うのってよく質問されていたのでご回答!
足袋が綺麗に干せる足袋干しを作るためである。
俺は整体協会の会員だと何回か書いているけど、稽古着は着物と野袴なので足袋は日常的に履くのである。
大分前に江戸民俗資料博物館に行った時に、再現されていた江戸の長屋にこの足袋干しに足袋が干されていたのを観て、レプリカを作ってみたら大変に具合が良かったのだ。
ただ竹を逆さまにしただけではなく、一ヶ月の葉枯らしの後、丁寧に洗って汚れを落とし、先端や余分な枝を伐った部分は丸めて成形、仕上げは火で焙って油抜きをしてある。
売り物になる程度の足袋干しを作るには、結構手間暇がかかるのだ。
油抜きの方法は、火で竹を焙ると内部から樹液が滲みでてくるので、熱いうちに布で油を擦り込むように拭き取る。
こうすると竹はピカピカに艶が出て、黴たり割れたりせず、経年で渋い色合いに変化していってくれる大事な仕上げ方法。
洗濯バサミで足袋を干すとしわくちゃになるが、竹の枝で作った足袋干しだと綺麗に干せるだけでなく、足袋に足を入れた時にスーっとして気持ちがいい。
足が気持ちいいって喜んでるが解る(笑)
お世話になっている整体仲間に幾つかプレゼントしたら、評判になってたまに注文を受けるのである。
足袋干しの使い方。軍手もこれで干すと、縮まずに長持ちする。
竹細工に限らず、樹木を作るには、寒い時に伐った材料に限る。
温かい時期だと水分が多くて黴たり、虫が入ってしまうのだ。
だから竹は真冬に伐って陰干ししておくのだが、今回は注文を受けてから時間が無かったので、伐った竹の葉っぱを付けたまま軽トラの荷台に放置させて乾燥させておいたというのが真相。
葉っぱを付けたまま放置する乾燥方法を「葉枯し」と呼び、水に浸けて内部の樹液を抜く方法は「水枯し」と呼ぶ。
石笛仙人の守山鷲声さんの本業は篠笛職人で、彼は伐採した竹を苛性ソーダで煮てから、三年の陰干しをした上で割れなかった竹だけを使うそうだ。
これは奈良の名産品、「高山茶筅」も同様。
ただし、同じ竹細工でも竹籠類は油抜きはしないようだ。
勉強になりましたか!(笑)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます