「山道だんだら火事羽織 同じいでたち勇ましく!」とは、浪曲、講談でお馴染みの赤穂浪士の姿。
山道は、三角の連続模様の和柄である。
幕末には新選組がそのデザインをパクって隊旗や羽織に取り入れ、山道は討幕派にとっては警戒や恐怖の模様になってく。
新選組の袖印。映画での赤穂浪士や新選組のいでたちは、揃いの羽織を着ていたりするが、実際には袖に印をつけていただけかも知れない。
江戸時代以前は戦国武将に好まれ、福島正則や武田信玄家臣の馬場春信などの旗指物に使われていた。
勇猛果敢な福島正則の旗印。
それらの時代には勇(イサミ)を象徴する模様であったようだ。
山道が意匠された粋な日本手拭いもあり、大好きな噺家の柳家さん喬師匠も高座で使っており、私も愛用している。
松葉を散らした山道の手拭い。
さて、その勇で粋な山道だが、縄文土器に施文された鋸歯状文に祖型があるのではないだろうか?
朝と夜、生と死、脈動しながら滞ることのない永遠の時の流れ・・・私は鋸歯状文の意味についてそのように考えている。
古代インド神話の宇宙創造紳ブラフマーの別名カーラ(時)であり、漢字の時とは脈動を表す象形文字とも聞く。
即ち、鋸歯状文は神の象徴ではないだろうか?
「山道線刻彩色石笛」・・・蛇紋岩製
なぜかあどけない感じ。
奇をてらった意匠と笑ってはいけない。オクターブ超えの本格派なのだ。
その山道を施文した石笛、勇というよりカワイイ感じになり、縄文女子のもとに旅立っていった。
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