糸魚川市能生町にある朝日楼は、不思議なラーメン屋。
まず外観がラーメン屋に見えない。
朝日楼のラーメンを食うには、小川に掛かったコンクリート橋を渡る必要がある。
普通の民家の玄関に、小さく「朝日楼」という看板が出ているだけなので、噂を聞きつけてきた初めての人は辿り着くことができない。
問題はラーメンだ。
メニューは醤油ラーメン(普通・大盛り)、チャーシュウ麺(普通・大盛り)の四品のみ。
背脂ギトギトの濃厚ラーメンが売りなのだ。
お客さんは手の周りも手も、そしてテーブルをも脂でギトギトさせてラーメンを食う事になる。
透明な脂とスープが分離!何故かかき回しても分離したまま(笑)
大好きか苦手かの両極端な味のラーメンだと思うが、市外からのお客さんも多い。
ラーメン界のドリアンですな。
ギトギト脂に辟易しても、暫くすると無性に食いたくなる危ないラーメン(笑)。
最も不思議なのが、ラーメンを作っている人・・・。
「歌うラーメン屋」として著名な、渡辺直人さんその人だ。
「歌うラーメン屋」の直人さん。仕事中にも関わらず、1時間近くも話し込んでしまった。
直人さんは国立音大の声楽家を出てから、かの有名な「藤原歌劇団」でオペラ歌手をしていたそうで、数年前にUターン帰郷して家業のラーメン屋を継いだのだ。
そして去年、二十年来の夢だったという、糸魚川で市民参加のミュージカル「アデッセイア」を開催。
スタッフも演者も人材不足で大変だったそうだが、こんな活動は継続すべき。
次回は俺も協力したい・・・大道具作りや舞台作りならちょっとした自信はある。
俺は落語・映画・芝居・古典芸能が大好きだから本寸法の声楽家とは話に花が咲くし、直人さんも俺の糸魚川の郷土史や民俗学的面白さ面白がって聴いてくれる。
次回作も糸魚川に所縁のある新作を上演したいらしく、そのネタ探しで興味津々なのだ。
歌える人、モノつくりが好きな人、糸魚川を愉しくしたいと想う人なら誰でもOKだ。
求む有意の人材!