縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

武四郎と嘉兵衛の共通点・・・「平成の大首飾りプロジェクト」のその後

2023年07月04日 07時09分36秒 | ぬなかわヒスイ工房
淡路から天河へ、そして旅の最後に伊勢松阪の「松浦武四郎記念館」へリニューアル後の初訪問。
準備もふくめてほぼ1年がかりで製作した、「平成の大首飾り」の展示確認である。
記念館の目玉として強調したいとのことで以前より見やすい展示になったし・・・
採算度外視でつくったんだから「ぬなかわヒスイ工房製作」と表記して、宣伝に貢献しなさいよという厳命(!)も守ってあったw。
下手は下手なりに懸命につくってあるのが伝わってきて、よく頑張ったなぁと感慨無量。
 
松阪市の宝ができたと褒められたが、わたしにとっても243点の遺物を模造させてもらって勾玉つくりに多大な影響を受けた歴史的な作品。
 
武四郎の蝦夷地探検は、ゴローニン事件より40年ちかく後なので高田屋嘉兵衛との直接的な接点はないが、奴隷扱いをされていたアイヌ民族と対等に付き合った特筆すべき和人という点で共通しており、企画展ができるのではないかと山本館長をそそのかす。
 
武四郎と本居宣長の家は徒歩圏内ということもあり国学(こくがく・神道的な世界観の思想)は基礎教養であったろうし、最初の蝦夷地探検はロシアへの尊王攘夷の激情からである。
しかし同時代の平田篤胤や吉田松陰のように民族優越思想に凝り固まった征韓論を主張するような人物ではなく、旅先で世話になったアイヌ民族と和人の関係にすざましい憤りを感じた。銅像は最晩年の姿。
 
そして旅行記で和人の暴政を非難した。この「武四郎砲」が松前藩を刺激して命を狙われていた。人種差別とは無縁な嘉兵衛さんと武四郎は、ともに民族の枠組みをこえてアイヌ民族と良好な関係を築いた男。
 
文化面のオピニオンリーダーでありアイヌ語が堪能だった武四郎と、一代で築いた貿易商のタイショー(大将;ロシア人からもアイヌ民族からもこう呼ばれた)親分であり日常会話ならロシア語に不自由なかった嘉兵衛さんがタッグを組んだなら・・・と夢想する。
 
 
 

吉野の山に秘宝館が!しかも国際!・・・天河大弁財天社訪問記

2023年07月02日 07時18分56秒 | ぬなかわヒスイ工房
淡路島から奈良吉野山中の「天河大弁財天社」へ直行。
なんどか電話をいただいていたが面識のなかった柿坂大宮司をアポなし訪問したら、在宅しておられたので懇談。記録にはないが北海道の名付け親の松浦武四郎は、晩年に吉野の山を奥掛けする修行もしていたそうで、天河さんにも参拝していたに違いない。
 
作品を観たいと所望され、秘書役の女性が呼ばれて作品の撮影をしてくれた。ある壮大な計画をお持ちで、その時はお世話になるかも知れませんとのことだ。ムハ~ッ!
奈良から熊野に抜ける林道で、丸裸の山の斜面がいくつもあった。
健全な林業が営まれているのだろうか?素人だからわからんが、気持ちのいい光景ではないですナ。
その代わり僻村の世界秘宝館に潤いを感じるw
 
とりあえず海の見えるところまで車をぶっ飛ばす。神戸からずっと大都会と深い渓谷のルートだったので、水平線が無性にみたい。
 
 
 

嘉兵衛さんに呼ばれているぅ!・・・NHKドラマ「菜の花の沖」再放送

2023年07月01日 18時03分45秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
高田屋嘉兵衛を礼賛したSNSに投稿をしたら、その夜から20年前に放映されたNHKドラマ「菜の花の沖」全5回の再放送がスタートすると教えてもらい、嘉兵衛さんから「おもしろき男よ、ちこう寄れ」と呼ばれたようで欣喜雀躍。
兵庫で水夫(かこ・船乗りのこと)となってわずか3年で沖船頭(おきせんどう・雇われ船長)に出世した嘉兵衛さんは、20代で国内最大級の千五百石積み(約230t)の辰悦丸を建造し、それまで近海を走って港ごとに寄港していた北前航路を「沖走り」することで航海日数を一気に短縮することに成功し、巨万の富を得て高田屋の基盤をつくった。
淡路島の高田屋嘉兵衛公園の博物館に展示されている辰悦丸の模型。シュッとしたデザインだ。
 
 
その成功の裏には嘉兵衛の天才的な操船技術と、荒波を乗り切る工夫を凝らした辰悦丸の他に、その少し前に帆が破れないように独自開発した極太の綿糸でつくった松衛門帆(まつえもんほ)の発明がある。
同じく高田屋嘉兵衛公園の博物館に展示されている松衛門帆
 
頑丈な帆布を発明したのは嘉兵衛の大先輩にあたる兵庫の船主の工楽 松右衛門(くらくまつえもん)で、亜麻布(リネン)を使っていた当時の西洋帆船の帆布より丈夫であったそうだ。
 
松衛門は教えを請えばだれにでも帆布の製造方法を教えたこともあり、松衛門帆が普及して漂流や沈没の多かった当時の海運業界に改革をもたらせた人。
 
NHKドラマ「菜の花の沖」の松衛門役は竜雷太さんで、原作の相撲取りに引けを取らない体格、無欲で豪放磊落な海の男のイメージ通りで実にいい。
 
嘉兵衛さんは28歳で高田屋の主として独立して、幕府からの命もうけて蝦夷地航路を開拓してゆくのだが、当時寒村だった函館を天然の良港として港湾施設を整備したのが、嘉兵衛さんと松衛門だ。
 
函館を基点としてエトロフに漁場を開拓していくことになるが、この辺りからアイヌ民族と「公平な交易」が始まり、ロシア外交の矢面に立つことになるのだが、原作全5冊を読むには1ヶ月はかかる。
 
嘉兵衛さんに興味をもったら毎週金曜日夜8時15分~9時半までのBS-NHK2「菜の花の沖」を要チェック!