温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

島新田温泉 金城の里 2023年7月再訪

2024年12月20日 | 新潟県

(2023年7月訪問)
今回ご紹介する「島新田温泉 金城の里」は拙ブログで2010年に取り上げたことがあり、それ以来の13年ぶりの再訪となります。
2010年に取り上げた際に、この温泉施設は「清掃工場建設に伴う地域住民対策のような意味合いで設けられたため、地元民以外の外来客に対してあからさまに宣伝していない」という旨を述べたのですが、その後この温泉を取り巻く環境が変わったらしく、寧ろ多くのお客さんに利用してもらおうというスタンスを取っているように見受けられ、ガイドブックやネットの観光案内など、いろんな媒体で紹介されるようになりました。


こちらがその清掃工場。施設の目の前に位置しています。
当然ながら温泉浴場はこの工場の余熱を利用しているのでしょう。


券売機を入浴券で購入し、窓口に差し出して入館します。
そして上画像の広間を抜けてお風呂へ向かいます。


今回の訪問では、駐車場に多くの車が停まっている様子を見て、さぞかし混んでいるのだろうなと想像できたのですが、入館したら館内は案の定多くのお客さんで賑わっており、人気の程が窺えました。なお脱衣室はエアコンが効いており、快適に利用できます。


場内混雑及び撮影禁止のため、当日のお風呂の様子は撮影しておりませんが、浴場の内部は13年前の訪問時とほとんど変わっていないようですので、以前の記事で掲載した当時(2010年)の画像を再掲載いたします。ご了承ください。
男女別のお風呂はそれぞれ内湯のみで露天風呂はありませんが、天井が高く窓も大きいので、内湯でも非日常的な開放感を得られるかと思います。また床には緑色凝灰岩の石材が敷き詰められており、足裏から伝わる感覚が良好です。

窓に沿って据えられている長方形の浴槽は目測で3m×6mほどの大きさ。縁には黒い御影石、浴槽内はスカイブルーのタイルが用いられています。


洗い場にはシャワー付きカランが2手に分かれて計8ヶ所設けられており、各ブースの間には仕切り板が取り付けられていますから、隣客との干渉を気にせず体を洗えます。なお450円(2023年の訪問時は350円)という格安料金にもかかわらず洗い場にボディーソープやシャンプーが備え付けられているのが嬉しいところ。


湯口の形状も2010年と変わっていませんでしたが、肝心の湯使いが若干変わっているようでした。と申しますのも、以前は弱いながらもタマゴ臭が嗅ぎ取れ、口に含むとほのかなタマゴ味とほろ苦みが感じられたのですが、今回入ってみますとそのような源泉由来の特徴はあまり感じられず、無色透明及び無味で、しっかりと塩素消毒臭が放たれていたのです。格安料金で大きなお風呂の温泉に入れるのですから、どうしても混雑は避けられず、不特定多数のお客さんを受け入れる施設としては衛生管理の上で塩素消毒が必要となるのでしょう。やむを得ませんね。なお湯使いに関しては、以前はかけ流しで、館内表示によれば現在もかけ流しのようです(でも循環装置が稼働しているように見えたのですが、私の勘違いかしら…)。

いずれにしても450円で温泉に入れるのですから、物価高騰の昨今ではとても有り難い施設ですね。


アルカリ性単純温泉 35.7℃ 83L/min(自噴) 溶存物質252.7mg/kg 成分総計252.9mg/kg
Na+:56.9mg(87.02mval%),
Cl-:12.2mg, SO4--:17.9mg, HCO3-:103.7mg(60.93mval%), CO3--:9.0mg,
H2SiO3:40.3mg,
(平成25年10月8日)
加温あり
加水・循環なし
消毒あり(塩素系薬剤を使用)

新潟県南魚沼市島新田764-2
025-782-1739

10:00~21:00(最終受付20:30) 月曜定休
450円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★




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某所の保養施設的な温泉

2024年12月13日 | 新潟県
(2023年7月訪問)
今回は諸事情により外観を写さずお風呂の画像だけを掲載いたしますが、このブログをご覧の一部のマニアな方なら一目見てすぐに場所を特定できるかと思います。地方には従業員の福利厚生や地域への貢献を目的として、企業や団体が自前の温泉浴場を設けて対象者に開放しているケースがあります。今回ご紹介する温泉浴場もまさにその典型例であり、従業員のみならずご近所の方に厚意で開放されています。
こちらの温泉は以前からネット上にポツポツと情報が上がっており、だからという訳ではありませんが、私も某日に利用させていただきました。


階段を上がった先にある浴場は、ご覧の通り、とても立派なお風呂。有料施設のお風呂だとしても違和感ありません。
なおお風呂は1つしかないので貸切で使います。


湯口から温泉がドバドバ惜しげなく注がれています。湯量豊富なんですね。
こちらでは豊富な温泉を活用して夏季にマンゴーの栽培もおこなっているんだとか。
なお画像手前に写っている錆びた配管は以前湯口として使われていたもの。サビサビ且つトゲトゲの形状がこの温泉の歴史を物語っているようです。現在はこの配管ではなく、その奥に設けられた塩ビ管から加水された源泉が投入されています。お湯はほぼ無色透明で、口に含むと出汁味含む塩味が感じられる他、弱い金気と弱いタマゴ味及びタマゴ臭が感じられます。肩まで湯船に浸かると全身がツルツルスベスベの滑らかな浴感に包まれてとっても気持ち良く、それでいて温浴パワーも力強いので、お風呂上がりにはいつまでも汗が引きません。

ところで、私がこちらを訪問した2023年夏の時点で、建物の裏手では新しい建物が建設中であり、話によれば外来者でも利用できる温泉浴場とのこと。あれから1年以上が経過しましたが、新浴場の情報は聞こえてきません。どうしちゃったんだろう・・・

新浴場が開業してこの温泉のすばらしさが多くの方に伝わることを願いながら、今回この記事をアップ致しました。

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森上温泉

2024年12月06日 | 新潟県

(2023年7月訪問)
前回記事に引き続き新潟県の温泉を巡ります。と言っても今回訪ねるのは入浴施設ではありません。
新潟県道24号線を北上して旧山古志村から旧栃尾市方向へ車を走らせてゆくと、こんな場所に行き当たります。
路傍に水色のコンテナ、そしてベンチが置かれていますね。


道路の逆方向(北側)から見るとこんな感じ。


周囲は山間の田園地帯で、観光施設はおそか、商店すらありません。道沿いに民家がぽつんぽつんとあるばかりです。


青いコンテナには無色透明の水が引かれており、その傍らには「森上温泉」と書かれた看板が立っていますね。温泉マニアの間で有名な野良の温泉です。


温泉と書かれているものの、黒いホースから出てくる水の温度は20℃前後でしょうか。温泉というより鉱泉と言った方が良いのかもしれませんね。


黒いホースは茂みの奥の方から引かれているようですね。
どうやら湧出地点では硫黄感を有しているそうですが、この吐出点ではそのような特徴も消えてしまうのか、無色透明無味無臭のごく普通の山水みたいな状態でした。好事家のマニアの方はここで入浴なさるそうですが、ここ数年頓に気力が衰えている私は、この水に手を触れる程度で済ませ、入浴は断念しました。


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銀山平温泉 白銀の湯

2024年11月29日 | 新潟県

(2023年7月訪問)
いつも1年以上前の古いネタで申し訳ございません。昨年(2023年)の夏、東京の猛暑から逃れるべく、私は登山で高いところを目指しました。7月の某日に登った山は新潟県の越後駒ケ岳。日の出より前に登り始めて、無事山頂に到達し、高地の冷涼な風を全身に受けて心身をリフレッシュさせたのでした。


山頂付近には雪渓が残っており、この雪渓の上を吹き抜ける風の冷たさといったら、言葉には言い表せないほどの気持ち良さ。自分の足で山頂まで登った人にだけ許される爽快感ですね。私が登頂した同じ時間、下界の東京では地獄釜の如き酷暑に見舞われているわけです。百数十キロしか隔たっていないにもかかわらず、こんなに気温が違うとは。
いつまでもこの山頂にいたい。でも下山しなきゃ。
下山すると結局汗だらけになってしまい・・・


山登りの汗を流すべく、麓の銀山平にある日帰り入浴施設「銀山平温泉 白銀の湯」へ立ち寄りました。
大きな三角屋根が印象的です。


施設の前には上画像のような水場があり、大量発汗により喉が渇いていた私は、ここでぐびぐび飲んでしまいました。水場の後ろに写っている建物群もみんなトンガリ屋根。言わずもがなですが、ここは豪雪地帯ゆえ、屋根の雪が積もらずストンと下へ落とすための構造なわけです。


さて館内へお邪魔しましょう。1階受付で料金を支払い、階段でお風呂がある2階へ上がります。なお1階には休憩用のお座敷があり、私も湯上がりにゴロンとひと休みさせていただきました。館内はどこも綺麗で明るく快適です。


更衣室・浴室ともに大きなトンガリ屋根の直下にあり、高い天井の内部には太くて立派な木の柱や梁が組まれています。
なおロッカーは更衣室にはなく、その手前の廊下に設置されていますので、ご利用の際はご注意を。


明るくて広い空間の内湯。のびのび湯浴みできるでしょう。洗い場にはシャワー付き混合水栓が5個並んでおり、反対側には大きな湯舟が据え付けられています。なお内湯を含む各浴槽には温泉のお湯が張られていますが、内湯のお湯は循環されており、良い塩梅の湯加減がキープされていました。


内湯からベランダ状のところに出ると露天の岩風呂です。大小の浴槽がそれぞれ1つずつあり、上画像に写っている大きな露天は内湯同様循環式です。周囲の山々を眺められる開放的な環境の中、お風呂で火照った体をクールダウンさせるととっても爽快です。


一方、その隣にある小さい岩風呂は源泉かけ流しの湯使い。この施設でかけながしのお湯に入りたければ、この小さな岩風呂を目指しましょう。こちらのお湯はアルカリ性単純泉で、見た目は無色透明で湯の花なども見受けられません。湯口から出るお湯をテイスティングしてみますと温泉由来の近く的特徴はほとんど無味無臭でありながら、カルキ臭がしっかり感じられる点は致し方ないところ。いずれにせよ癖のないアッサリとしたお湯ですので、一般の方はもちろん肌が弱い方でも問題なく入れるのではないかと思います。
なおこの小さい岩風呂に注がれた源泉のお湯は、大きな岩風呂へ流れる仕組みになっており、大きな岩風呂からのオーバーフロー量はそこそこ多いので、大きな岩風呂は半循環半かけ流しと表現しても良いのかもしれませんね。私は内湯・大きな露天・小さな露天の3つをローテーションしながら何度も入り続けてしまいました。自分が登ってきた山を見上げつつ、清らかな空気の中で入る温泉は最高ですね。


丸太沢源泉
アルカリ性単純温泉 43.5℃ pH8.7 272L/min(動力揚湯) 溶存物質166.2mg/kg 成分総計166.2mg/kg
Na+:22.6mg(51.85mval%), Ca++:17.6mg(46.56mval%),
Cl-:16.2mg(26.29mval%), SO4--:33.9mg(40.57mval%), HCO3-:29.1mg(27.43mval5),
H2SiO3:43.4mg,
(平成28年12月9日)
加温あり・循環あり(かけ流し浴槽除く)・消毒あり
加水なし

新潟県魚沼市下折立1034
025-795-2611
案内ページ(魚沼市公式サイト内)

冬期休館:11月上旬~4月上旬
11:00~18:30
650円
ドライヤー・シャンプー類・ロッカーあり

私の好み:★★+0.5
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草津温泉 奈良屋

2024年11月22日 | 群馬県

(2023年7月訪問)
前回記事に引き続き、草津温泉の和風村「湯めぐり手形」(※)を使って、日帰り入浴で老舗旅館のお風呂を楽しみます。今回訪ねる旅館は湯畑からほど近い場所にあり、見るからに風格あるファサードが印象的な老舗旅館「奈良屋」です。
私が玄関へ近づくと、すかさず中からスタッフの方が出てきて対応してくださいました。さすが老舗は対応が違いますね。
(※)草津温泉の和風村「湯めぐり手形」は既に販売が終了しています。有効期限が残っているものは、まだ利用可能ですが、今後新たに購入することはできません。なおこちらのお宿では手形を使わず現金支払いによる日帰り入浴も可能です。


玄関わきには「草津の名水」と称する飲用湧水の水場があります。話は前後しますが、お風呂上がりに私はこのお水を飲ませていただきました。とっても美味しい水でしたよ。


帳場は昔ながらの大国帳を使っていそうな作り。この帳場へ料金とともに「湯めぐり手形」を差し出します。
館内に展示される美術品の数々を見ながらお風呂へ。


帳場の右側にある階段を上がって右折し、廊下を進んでその先の階段を下った先がお風呂です。


浴室は「御汲み上げの湯」と「花の湯」の2つが男女入れ替え制となっており、訪問時は「御汲み上げの湯」に男湯の暖簾が掛かっていました。なお「御汲み上げの湯」の入口手前には貸切露天風呂のドアがあり、宿泊客はもちろん日帰り入浴客も入浴料金と別に室料(45分3,300円)を支払えば利用可能だそうです(利用可能時間12:30~14:00)。今回は利用していませんが、今度機会があれば入ってみたいものです。
更衣室は広くて明るく、手入れが行き届いていてとてもきれい。気持ち良く利用できました。


更衣室から階段を下った先にあるのが総木造の浴室。片傾斜の屋根を戴く浴室は半地下を思わせる環境で、観光客で賑わう湯畑のそばとは思えない静寂が場内を支配しています。雑念に邪魔されずじっくりゆっくりお湯を楽しめます。洗い場にはシャワーが6つ取り付けられており、床板は滑り止めのため擂り鉢みたいに斜線の溝が刻まれています。
そんな浴室の窓際にオーバル形状の浴槽が据えられ、お湯を湛えています。その大きさは長径約5m✕短径約3.5mといったところでしょうか。


湯口から注がれるお湯は白旗源泉のお湯。


強酸性のお湯から設備を守るため、浴槽内や柱の基礎などには白い防腐食塗料が塗られています。そのため湯船のお湯は若干青白く見えます。ところで湯口付近に柱の基礎みたいなものがあるのですが、これって何だろう?


このように露天風呂もあり、内湯と同じく白旗源泉のお湯が注がれており、やはり内湯と同じく防腐食塗料の影響でお湯が青白く見えます。湯船の中では湯の花がちらほら舞っていました。


浴槽の大きさは目測で約1.5m✕約2.5mほどでしょうか。湯口から出たお湯を樋で迂回させてから浴槽へ投入しています。自然冷却による湯加減調整と思われます。ロケーション的に景色は期待できませんが、外の空気を感じながら入る草津の湯は実に気持ち良く、時間を忘れて浸かっていたくなります。

内湯も露天も湯守の方のお蔭で適温が維持されており、心地よく湯あみを堪能できました。こちらのお宿に引かれている白旗源泉のお湯は、草津の湯特有の強い収斂酸味のほか、しょっぱさが前面に出ている一方、フルーティさはあまり無く、金属味が口の中に広がって口腔の粘膜を刺激するとともに、アルミ箔を齧った時のような独特の感覚が口の中に広がりました。

外観や館内はもちろん、浴室の雰囲気といいお湯のコンディションといい、さすが老舗旅館といった感じでとにかく素晴らしく、温泉旅行に求めたくなる非日常を存分に堪能することができました。次回訪問時は是非とも宿泊してゆっくり過ごしたいなぁ。


白旗源泉
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 50.8℃ pH2.1 湧出量測定せず(自然湧出) 溶存物質1.66g/kg 成分総計1.76g/kg
H+:8.91mg(36.30mval%), Na+:54.4mg, Mg++:37.4mg(12.63mval%), Ca++:76.5mg(15.67mval%), Fe++:17.6mg, Al+++:43.9mg(20.04mval%),
F-:9.5mg, Cl-:310mg(35.19mval%), SO4--:651mg(54.61mval%), HSO4-:195mg, Br-:1.5mg,
H2SiO3:216mg, H2SO4:4.4mg, CO2:88.0mg, H2S:7.7mg,
(平成25年5月15日)

群馬県吾妻郡草津町草津396
0279-88-2311
ホームページ

日帰り入浴12:30~14:00
1,200円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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