温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

川渡温泉 玉造荘

2019年08月24日 | 宮城県
※2022年12月末を以て閉業します。


宮城県の鳴子温泉郷は複数の温泉地から成り立っていますが、その中でも川渡温泉は私が大好きなエリアのひとつ。2019年春の某日、その川渡温泉にある「玉造荘」で日帰り入浴を楽しんできました。拙ブログで以前取り上げたことのある「板垣旅館」の奥に位置しており、国道からはわかりにくい場所ですが、奥まった立地の割には規模の大きな施設です。そしていかにも昭和の公共施設らしい雰囲気が強く漂ってきます。
なおこちらは公立学校共済組合のお宿ですから、公立学校の教職員の方でしたらお安く利用することができるほか、私のような教職とは無縁な零細企業のしがない勤め人でも一般料金で宿泊や入浴といった各サービスの利用が可能です。一般料金でも他の宿に比べて安く泊まれるためか、駐車場では県外ナンバーの車が目立っていました。



表側(駐車場側)からは見えませんが、建物の反対側にまわると、池を擁する庭が広がり、そして開放感あふれるパークゴルフ場が設けられています。緑豊かなお庭やパークゴルフ場は綺麗に整備されており、眺めているだけでも気分爽快です。



さて玄関から中へと入りましょう。玄関にはスリッパが備え付けられていたので私は律儀に履き替えたのですが、他のお客さんは土足のまま入館している様子。履き替えるのと土足のまま、どちらが正しいのかしら…。そんなことに戸惑いながら受付で日帰り入浴をお願いしますと、スタッフの方は快く受け入れてくださいました。こちらの日帰り入浴に関しては、11:00~16:00は大広間の休憩が付いて平日800円・土日祝1000円ですが、各曜日とも14時以降は休憩無しで400円という料金設定も利用でき、二つの料金体系が重複する14:00~16:00はどちらかを選択することになります。今回私は後者の安い料金プランで利用させていただきました。



受付前の物販コーナーを抜け、廊下をまっすぐ進んだ突き当たりに浴室があります。途中の中庭(坪庭)には、鳴子らしくこけしが飾られていました。



また浴室手前の左側には上画像のような休憩室があり、マッサージチェアーや瓶牛乳などの自販機が設置されています。



館内には本館の内湯と別館の露天風呂がありますが、日帰り入浴客に開放されている浴室は本館の男女別内湯のみです。
浴室の内装は全体的にホワイト基調で、窓にはガラスブロックが採用されており、目隠しと採光を両立させています(なお脱衣室の窓もガラスブロックです)。残念ながら屋外の景色は見られませんが、窓の外は上述したお庭なので、やむを得ず目隠ししないといけないわけです。

浴室へ入って右側に浴槽、正面向かい側と左側の窓下に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付き混合水栓が7基ほど(正確な数は失念)設置されており、馬油のシャンプー類が用意されています。



浴槽は大小1つずつ。左側の大きな浴槽(8~10人サイズ)は一般的な温泉槽で、右側の小さな槽(2~3人サイズ)はジャグジー槽です。両者は仕切りの中ほどに開けられた穴でつながっており、湯口から落とされたお湯はまず左側の浴
槽を満たし、穴を通じて右側浴槽へと流れていきます。両浴槽の縁には切り欠けがあり、そこからお湯がしっかりと溢れ出ていました。

湯口から滔々と落とされているお湯は、自家源泉の1号泉と2号泉をミックスさせたもの。純然たる掛け流しであり、加温や加水も行われていません。お湯の色はジャスミン茶のような色合いと表現すればよいのでしょうか、あるいは出涸らしのお茶みたいに緑色が退色して褐色になったような色と言うべきでしょうか。底まで透き通って見えるほどの透明度はありつつも、若干緑掛かった黄色を呈しているのですが、鶯色の美しいお湯で知られる川渡温泉の他の源泉に比べると、やや薄い色合いであるように思われます。色のみならず、味や匂いも大人しく、湯口でほろ苦い味が感じられるほか、茹ですぎたゆで卵のような匂いと味が得られますが、やはり近所の他源泉に比べるとマイルドであるような気がします。同エリアの他源泉の泉質が含硫黄重曹泉などであるのに対し、こちらの源泉は単純硫黄泉ですから、お湯に溶けている成分の量が若干薄いわけです。でも重曹泉型の単純泉ですから、湯中ではツルツルスベスベの滑らかな浴感があり、しっかり温まるのに湯上がりはさっぱりします。やや薄いとはいえ川渡の湯の特徴はしっかり現れていますから、個性の強いお湯が苦手な方にはむしろオススメかもしれません。

また、日帰り入浴に関して言えば、お昼過ぎに入館すれば安くなり、また受付時間も他施設に比べると遅くまであいているので、外湯かわりとしても重宝するでしょう。私が訪れた日も常時5~6人のお客さんが出入りしていました。上述したように別館には宿泊者専用の露天風呂もありますから、次回訪問の際には泊って露天にも入ってみようかと思っています。


玉造荘1号・2号混合泉
単純硫黄泉 45.2℃ pH8.1 溶存物質990.4mg, 蒸発残留物691.6mg/kg
Na+:183.7mg(76.53mval%), NH4+:2.0mg, Ca++:31.1mg(14.85mval%),
HS-:12.8mg, SO4--:145.1mg(27.53mval%), HCO3-:422.0mg(63.08mval%),
H2SiO3:152.7mg, CO2:14.8mg, H2S:1.5mg,
(平成30年4月27日)
加水加温循環消毒なし

宮城県大崎市鳴子温泉字川渡62
0229-84-7330
ホームページ

日帰り入浴
①11:00~16:00 平日800円(土日祝日1,000円)
②14:00~20:00 平日休日とも400円
ロッカー有料(100円)、シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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栗駒 駒の湯温泉に今春も行ってきました(2019年4月末)

2019年05月01日 | 宮城県
前回記事でもお伝えしていますように、拙ブログで応援しております宮城県栗駒の「駒の湯温泉」が、4月26日に2019年期の正式営業を開始しました。そこで、駒の湯復活応援団の一員である私も、10連休の前半に現地へ行ってまいりました。



東京は既に桜が散り、日によっては半袖を着たくなる陽気になることもありますが、栗駒山はまだ「早春」の段階。駒の湯へ上がる途中の行者滝では、桜が見頃でした。



耕英地区に入り、駒の湯へ向かうアプローチの途中にはところどころに雪が残っていました。



駒の湯に到着。昨年との変化点としては、正面の自販機が撤去された程度でしょうか。ほかは去年とほとんど変わりありません。



まずは名湯で長旅の疲れを癒します。ふぅ、良い風呂だ。でも・・・



私は物見遊山ついでに湯浴みをしに来たわけではありません。駒の湯復活応援団の一員ですから、自分ができるお手伝いをさせていただいています。オープン前のお風呂掃除をお手伝いすることにしました。
浴槽のお湯を抜いて・・・



浴槽内や洗い場の床を磨いてこびりついた湯の華を落とし、壁や窓の汚れをふき取りました。これでお客さんも気持ちよく湯浴みすることができるでしょう。



再びお湯を張って完了。湯量が豊富なので、あっという間に湯舟がお湯で満たされます。



お手伝いの後は、湯守が丹精込めて手打ちしたお蕎麦を手繰りました。うまい! 御馳走様でした。



おそばを食べた後、栗駒山を車でさらに上がってみると、車道の両側には雪の壁が!



県道のどん詰まりである「いわかがみ平」は、まだ真冬の銀世界でした。
このいわかがみ平は、連休が終わってもまだまだたっぷり雪が残っているはず。
一度に春と冬の景色を一度に楽しめる栗駒へ、皆様是非お出かけください。


営業時間 10:00 ~ 17:00
水曜日および第2・4木曜日定休 
(ただし連休中の水曜は営業しています)
日帰り入浴500円
入浴とお蕎麦のセット:1000円
そのほか各種セット料金がございます。詳しくは駒の湯温泉公式サイトをご覧ください。
宮城県栗原市栗駒沼倉耕英88番地
090-8781-9685
0228-46-2110
駒の湯温泉公式サイト
コメント (10)
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栗駒 駒の湯温泉 2019年期は4月26日オープン

2019年04月25日 | 宮城県

(※撮影 2018年夏)
2015年の復活以来、拙ブログで応援しております栗駒の名湯「駒の湯温泉」。
栗駒山中の雪深い立地ですから、冬の間はお休みしていますが、東風が吹き雪が解けるとともに、今年も営業を再開します。
今年(2019年)は既に4月21日および22日に入浴営業のみのプレオープンを実施しているのですが、それから一旦お休みを経て、大型連休を控えた4月26日(金)に今年度の本格営業を開始します


具体的なアナウンスや営業案内については、公式サイトでご確認ください。
「駒の湯温泉公式サイト」
※駒の湯温泉の公式サイトはこの春にリニューアルしました。



昨年までと同じく、入浴と飲食による営業です(宿泊はできません)。
入浴のみ(1時間まで)は、大人500円(中学生以上、入湯税込み)、小学生以下300円、3才以上の幼児100円です。



ぬる湯ですので、本来でしたらじっくりと長湯していただきたいのですが、お風呂のスペースが限られているため、できるだけ1時間以内のご利用でお願いいたします(特に混雑時)。



駒の湯で湯浴みなさる際は、ぜひ併設の「そばカフェ」で、十割蕎麦を召し上がってください。北海道幌加内産のそば粉を100%使った、湯守手打ちの美味しいお蕎麦です。
なお、入浴とそば、もしくは入浴と休憩室利用を組み合わせたセット料金もありますよ。詳しくは公式サイトでご確認ください。


今年の連休はたっぷりお休みできますから、普段よりも遠くまで足を伸ばせますね。
是非駒の湯温泉で、贅沢にかけ流される素晴らしい温泉に浸かりながら、みちのくの春を感じてください。

アクセス:東北自動車道・若柳金成ICから県道4号線経由で約50分。「栗駒」もしくは「いわかがみ平」の標識を目印に進んでください。
なお現地までの公共交通機関はございません。東北新幹線・くりこま高原駅や東北本線・石越駅などからタクシーをご利用ください。



営業時間 10:00 ~ 17:00
水曜日および第2・4木曜日定休 
宮城県栗原市栗駒沼倉耕英88番地
0228-46-2110


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栗原市築館 天然温泉たかもりの湯

2018年12月06日 | 宮城県
今回記事から拙ブログの得意エリアであるみちのく路の温泉を巡ります。

 
まずはじめは、宮城県栗原市の中核である築館の街からちょっと離れた高森地区に、数年前オープンした比較的新しい入浴専門施設である「天然温泉たかもりの湯」を訪ねることにしました。長閑な田園風景の中にあって目を惹くスタイリッシュな外観は、いかにも現代風といった佇まいです。


 
施設の目の前に広がる田んぼは休耕田なのですが、現在はビオトープとして活用を図っているようです。私の訪問時には蓮の花が咲いていました。



綺麗な玄関を入り、100円リターン式の下足箱に靴を預けます(鍵は自分で管理)。そして券売機で料金を支払い、チケットを受付に差し出します。


 
天井高くて明るい館内は小洒落ており、なかなか快適です。館内の中央には西洋風の暖炉も設置されていて、より一層瀟洒な雰囲気が醸し出されていました。この暖炉の向こう側は食堂スペース。お腹を満たしたい時には、食券を購入して利用します。私はお風呂上がりにソフトクリームをいただきました。お座敷の他にカウンター席もあるので、グループでもお一人様でも大丈夫。


 
脱衣室は決して広くありませんが、綺麗で使い勝手も良好です。なおロッカーはコイン不要でした。
お風呂も綺麗です。真ん中のパーテーションにより室内はコの字に区切られており。奥に当たるコの字の内側に洗い場が配置されています。この内湯の壁面は、一見するとコンクリ打ちっぱなしのように感じられますが、実際にはそのような模様がプリントされているタイルの建材なんですね(タイルの上から貼っているのか、元々プリントしたように加工されているのか不明です)。


 
洗い場にはシャワー付きカランが5個設置されています。なお、カランから出てくるお湯はボイラーの沸かし湯です。各シャワーブースの前には、それぞれ異なった種類のアメニティーが用意されていました。


 
内湯の浴槽は大きなL字型に象られているのですが、2つの辺は同じ大きさではなく、奥の方が幅広で手前が細い形状になっています。具体的には奥側(目測で)8.5m×3m、手前側の長辺は7m×2mといったような寸法です。


 
内湯では壁の湯口からお湯を投入しており。出入口側と最奥にあるオーバーフロー用の口から排湯しています。近年の温浴施設ではやや浅めの浴槽を導入するのが主流ですが、この大きな内湯の浴槽はいまどき珍しくちょっと深めの造りになっており、入り応えがあって私は気に入りました。


 
浴槽の一部に架けられている木の橋を渡ると露天へ出られます。屋外へ出てすぐのところでは上述のビオトープが見られますが、浴槽はステップを下ったところに設けられており、その周りを塀で囲っているため、浴槽に入ると景色は全く見えません。周囲は道路や駐車場なので仕方ありませんね。露天の浴槽はタイル貼りで四角い4人サイズ。奥に湯口あり、手前から溢れ出ています。内湯よりも浅めの現代的な造りです。



こちらで使われているお湯の源泉名は、その名も「たかもりの湯」。駐車場内に大きなタンクが屹立しており、汲み上げられた温泉はここで一旦ストックされた後、お風呂へと導かれてゆくのでしょう。
お湯の見た目は無色透明。かなりしょっぱく、出汁の味や、若干モール泉のような風味も有しています。また湯口ではアブラ臭が嗅ぎ取れるほか、うっすら出汁の香りや土気の匂いも感じられます。館内表示によれば塩素消毒が行われており、その記載の通りに塩素の臭いが少々確認できるのですが、とはいえ気になるほどではありませんでした。湯中では食塩泉らしいツルスベと若干の引っかかる浴感が得られます。そしてよく温まります。
消毒されているものの、れっきとした放流式の湯使いで、加水や循環は行われていません。冬季は加温されますが、それ以外のシーズンは加温されません。私が訪れた2018年秋の某日、湯加減は内湯で41.6℃、露天はもう少し熱めでした。露天は浴槽の容量が小さいのに内湯と同じような投入量なので湯温が高くなるのでしょう。

綺麗な施設でのんびりとした時間に抱かれながら、しょっぱい温泉で体を温められる、とても素敵な温泉施設でした。


たかもり温泉
46.5℃ pH8.1 溶存物質4600mg/kg 蒸発残留物4428mg/kg
Na+:1546mg(93.68mval%), Ca++:59.9mg,
Cl-:2505mg(93.94mval%), Br-:7.7mg, I-:2.6mg, SO4--:105.3mg, HCO3-:133.0mg,
H2SiO3:149.5mg, HBO2:35.7mg, CO2:2.7mg
(平成27年9月30日)
加水・循環なし
冬季湯温低下時のみ加温あり、消毒あり(浴槽の衛生管理のため塩素系薬剤を使用)

宮城県栗原市築館字上高森下24-1
0228-24-7161
ホームページ

9:30~21:00(入館20:30まで) 第一月曜定休
700円(平日17:00~20:30は530円)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
コメント (3)
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栗駒・駒の湯温泉 2018年の営業日は残りあと僅か!

2018年11月17日 | 宮城県
 
拙ブログで応援しております宮城県栗駒の「駒の湯温泉」。
みちのくの山中に位置していますから、冬になると辺りは深い雪に覆われます。そして雪のシーズンが近づくとその年の営業を終え、来春の再オープンまでしばしのお休みとなります。
今年の夏は毎日狂ったような猛暑が日本全土を襲いましたが、11月に入るとそんな猛暑を忘れてしまうような肌寒さに包まれるようになり、街中では外套を羽織る人の姿も見られるようになりました。

駒の湯温泉は水道管が凍結するタイミングで、今年の営業を終了します。天気予報から推測しますと、2018年の営業はどうやら来週中頃の11月20日か21日頃までのようです。気象状況によって最終営業日が変わりますので、詳しくは駒の湯温泉公式サイト内のブログFacebookなどでご確認ください。

少なくとも17日(土)18日(日)は営業していますから、お時間のある方は是非どうぞ!
10時~17時まで営業しますよ。

シーズンオフですから、ゆっくりお過ごしできるかと思います。


朝からおそばもお出しできますので、是非召し上がってくださいね。
湯守さんが丹精込めて手打ちした美味しいおそばです。


怒涛の如く注がれる大量掛け流し、極上ぬる湯にゆっくり浸かって、心身を癒しましょう!
今週末が年内に駒の湯で入浴できる実質的なラストチャンスです。
この機会を逸することなかれ!


営業期間:4月下旬~11月上中旬(冬期休業) 
※2018年は11月20日か21日頃までかと思われますが、前後する可能性もありますので、詳しくは公式サイト内ブログFacebookでご確認ください。

定休日:毎週水曜日および第2・4木曜日(ただし祝日の場合は営業、翌日休業)

営業時間:10:00~17:00(16:00頃に受付を終了しますが、状況により前後します)
入浴料金:大人500円(中学生以上)、小学生以下300円
(注1)備え付けの石鹸やシャンプー等はありません。
(注2)収容人員が限られた小さな湯小屋ですので、週末や連休など繁忙期には、入浴までお待ちいただくことがあります。





宮城県栗原市栗駒沼倉耕英東
公式サイト
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