温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

ロングバレーカルデラ温泉群 Hilltop Hot Spring (Pulky's Pool)

2017年11月07日 | アメリカ
引き続き、カリフォルニア州ヨセミテの東側に位置するロングバレーカルデラの、小さくてプリミティヴな温泉を巡ります。


 
前回記事までで紹介した同カルデラ内の各温泉にアクセスする広い未舗装路から、一旦舗装路である"Benton Crossing Road"へ出て、ベントン方面へ北東に進み、ゆるやかな坂を下ります。すると、まもなく左手(西側)に未舗装の路地が分岐するので、その路地に入ります。


 
ダート路を800フィートほど進むと駐車スペースに突き当たりますので、ここへ車をとめます。そして、駐車スペースの前にある歩道専用のゲートから、北へ向かって歩きます。
なお、駐車スペースへつながるダート路は雨天時や雪解け時などにぬかるむようですが、舗装されている道路から800フィート、つまり250メートルほどしか離れていませんから、もしダート路のコンディションが悪い場合は、舗装路の路肩に駐車して、歩いてアクセスすることも可能です。


 
途中に木道が設けられているトレイルを歩いて小高い丘へ上がってゆくと・・・


 
だだっ広い丘の上にぽつんと小さな露天風呂が佇んでいました。今回の目的地である"Hilltop Hot Spring"(別称"Pulky's Pool")に到着です。



その名の通り丘の上に位置しているために見晴らしがよく、周囲360度全ての方角に対して視界が開けているのですが、特に南側が美しく、シエラネバダの青い山々が左右に果てしなく連なっていました。言葉を失ってしまうほどの絶景です。


 
近くに自然湧出している源泉があり、そこからパイプでお湯を引いています。できれば源泉を自分の目で見たかったのですが、周囲がドロドロにぬかるんでいたため、残念ですが見学は諦めることに。
界隈にある他の温泉と同様に、こちらの浴槽も積んだ石をモルタルで固めて造られており、形状はいびつな楕円で、キャパとしては3人サイズ。前回記事で取り上げた"Crab Cooker Hot Spring"には、簡易的なベンチがありましたが、こちらにはそれが無い代わり、浴槽の周りに人工芝が敷かれていました。屋外でお湯を張っているお風呂にしては、浴槽内の苔の発生が見られず、お湯自体も比較的綺麗でしたから、おそらく有志の方(あるいは管理者)によって定期的な清掃が行われているものと思われます。


 
源泉のお湯がダイレクトに注がれる湯口の吐出温度は55.2℃という高温ですが、湯口にはバルブが付いていますから、これを開閉することによって湯加減の調整が可能です。


 
ちなみに私が訪れた時の浴槽の温度は39.1℃でしたが、バルブを開いてお湯を継ぎ足すことにより、肌寒い気候でも十分温まる40℃以上の湯加減に調整させてもらいました。なおpH値は7.32でした。お湯は無色透明でほぼ無味なのですが、わずかにミシン油のようなアブラ臭が感じられ、湯中ではツルスベと弱い引っかかりの混在する浴感が得られました。前回記事の"Crab Cooker Hot Spring"と似たような泉質なのかもしれません。



環境、景色、湯加減・・・。ありとあらゆる要素がブリリアント。時間を忘れていつまでも入っていたくなる極上の露天風呂です。ここはオススメ。是非この露天風呂を探して入浴してみてください。




GPS:37.66396, -118.78931,

ロサンゼルス水道電力局(LADWP)の管理地であるため、夜間の立ち入りや宿泊(キャンピング等)は不可能。日中の立ち入りは自由。
無料
備品類無し
"Clothing Optional"なので、水着の着用は任意(裸の入浴も可能)。

私の好み:★★★
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ロングバレーカルデラ温泉群 Crab Cooker Hot Spring

2017年11月05日 | アメリカ
前回記事の"Shepherd Hot Spring"の近くには"Crab Cooker Hot Spring"という別の温泉があるらしいので、歩いてそこまで行ってみることにしました。カニを料理しちゃう温泉なのでしょうか。


 
"Shepherd Hot Spring"の近くで水を湛える小さな湖の畔を、南東に向かって歩いてゆくと・・・



やがて別の路地の突き当たりに行き着きました。前回記事のシェパード温泉同様、ここも突き当たりがロータリー状の駐車スペースになっているので、入ってくる路地さえ間違わなければ、車でも来られます。



駐車スペースから緩やかな斜面を下ってゆくと、やがて前方にコンクリートで固められた構造物が見えてきました。


 
地面に埋められたそのコンクリ構造物に近づくと、足元に熱気が伝わってきます。構造物の真ん中に四角い穴が開いているので中を覗いてみると、穴の下の方でボコボコ&フツフツとお湯が湧出しており、手を伸ばして温度計を突っ込んでみたところ、69.2℃というかなり熱い温泉が湧出していたのでした。なるほど、これだけの高温でしたら、カニはもちろん、いろんな食材をボイルできるかもしれませんね。



高温のお湯が湧くコンクリ構造物、つまり温泉の源泉のそばには、上画像のような小判型の露天風呂が設けられていました。並べた石をモルタルで固めて作ったもので、長径2.5m×短径1.8m、キャパシティは3~4人でしょうか。源泉からパイプでお湯を引いています。ベンチも備え付けられているので、腰を掛けたり荷物を置いたり、なにかと便利です。



雄大な自然の只中にポツンと造られた露天風呂。あまりに開放的であり、周囲の景色も素晴らしい。まるで絵画の世界の溶け込んでしまったかのような、夢のようなロケーションです。


 
浴槽内部はモルタルで固められており、特に苔の発生なども見られず、快適に湯浴みすることができました。源泉からお湯を引いてくる配管にはバルブがついており、これで湯量を調整することが可能。私が訪れた日は曇り空で外気温も低く、その影響で湯船はちょっとぬるかったのですが、バルブを開けることによって最適な湯加減まで上げることができました。とはいえ、上述のように源泉の温度はかなり高いため、バルブを開けっ放しにしてしまうと、この湯船には入れなくなってしまいます。ここではマナーとして、使わない時にはバルブを締めるか開ける量を少なくしておいた方が良いでしょう。


 
到着時の湯船の温度は37.3℃でしたが、上述のようにバルブを開けることにより、数分で40℃以上に上げることができました。なおpH値は7.76ですからほぼ中性ですね。前回取り上げた"Shepherd Hot Spring"のお湯は無色透明でほぼ無味無臭の癖が少ないお湯でしたが、そこからあまり離れていないにもかかわらず、こちらのお湯はやや毛色が異なっているように感じられました。具体的には、見た目に関しては透明ながら若干黄色みがかっており、少々の甘みを伴う石膏感とミシン油のような弱いアブラ臭が得られました。また弱いキシキシとした浴感も伝わってきました。塩化土類泉か重炭酸土類泉系のお湯なのでしょうか。



そんな細かい屁理屈はどうでもいいのです。ここも"clothing optional"つまり水着着用は任意であり、裸で入浴したって構いませんから、私は湯加減調整後にその場で全てを脱ぎ捨て、ザブンと湯船へ飛び込みました。この露天風呂に入った時の感想を余計な言葉で申し上げるのは野暮であり愚の骨頂でもあります。言葉なんて要りません。本当に素晴らしい。雄大な景色に溶け込みながら、いつまでもここで湯浴みしていたい。そう強く願ってしまう、ワンダフルな露天風呂でした。



37.66305, -118.80031

ロサンゼルス水道電力局(LADWP)の管理地であるため、夜間の立ち入りや宿泊(キャンピング等)は不可能。日中の立ち入りは自由。
無料
備品類無し
"Clothing Optional"なので、水着の着用は任意(裸の入浴も可能)

私の好み:★★★
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ロングバレーカルデラ温泉群 Shepherd Hot Spring

2017年11月03日 | アメリカ
前回記事の"The Rock Tub"から一旦広いダート路に戻り、更に北上して別の温泉を目指します。


 
その広いダート路は、途中でいくつも枝道が分かれているのですが、道しるべがないため、その先に何があるか見当がつきません。私は事前にネットで目指す場所の目星をつけておき、スマホのGPSを頼りにして行動することにしました。スマホが指し示す通りに細いダート路へと入ってゆきます。やや悪路であり、多少凸凹していますが、路面が乾いていれば普通の乗用車でも走れるかと思います。


 
道の穴ぼこをかわしながら先へ進むと、やがてロータリー状の駐車スペースにたどり着きました。私が車を降りると、ちょっと先の湖の手前に広がる草むらの中で湯気の上がっていたのですが、その探索は一旦後回しにして、まずは露天風呂を探すことに。


 
駐車スペースからちょっと下がったところに、露天風呂"Shepherd Hot Spring"を発見しました。前回記事の"The Rock Tub"と同じくらいに、この露天風呂もイージーに見つけられます。シェパードという名前が、羊飼いを意味するのか、はたまた人名なのか、そのあたりの事情はよくわかりませんが、もし前者だとしたら、この湖畔のだだっ広い平原で羊たちが草を食み、その様子を横目で見ながら羊飼いがひとっ風呂浴びる・・・この温泉が立地する環境にぴったりな光景を想像してしまいます。



目の前で静かに水を湛える湖と、その彼方に雪を戴きながら連なるホワイトマウンテンの山稜を望むロケーションは、あまりに開放的でかつ牧歌的。雄大で美しい自然と一体化できるブリリアントな露天風呂です。


 
コンクリブロックや石などをモルタルで固めて作られた浴槽は、おおよそ2〜3人サイズ。少々歪な形がハンドメイド感を強くしています。ご丁寧にも、浴槽内にはステップが設けられているので、入るときや浴槽内で腰を下ろすとき役立つのですが、屋外で放ったらかしにされているために浴槽内には苔が生えており、その影響でかなり滑りやすくなっています。実際に私も滑ってあやうく弁慶を強打するところでしたから、もしここへ入る場合は足元に注意を要します。
お湯は先述した湯気を上げている草むらの源泉からパイプを使って引いており、湯口にはバルブがついているので、これでお湯の投入量を調整できます。後述しますが、源泉では49℃という高温であるため、お湯を出しっ放しにしていると熱くなってしまいます。そこで、入浴の際にはこのバルブで適宜調整し、自分の好みに合わせてから入ることになります。


 
源泉では熱かった温泉も、湯船では外気の影響を受けてかなり冷めてしまい、私が入ろうとしたときには37.1℃まで下がっていました。このため、上述のようにバルブを全開にしてお湯を大量に出し、40℃以上の湯加減調整してから湯浴みさせていただきました。なおpH値は7.55でしたから、中性のお湯と表現してよいでしょう。お湯は無色透明でほぼ無味無臭であり、前回記事の"The Rock Tub"と似たような泉質なのですが、浴槽の内側にこびりついている苔が剥がれるために、湯船ではモスグリーンに弱く濁っているように見えました。

なお周囲には特に案内看板など立っていませんが、このエリアの野天風呂(温泉)では"clothing optional" つまり水着の着用が任意となっており、男女を問わず全裸で入浴しても構いません。実際にこのエリアでは一糸まとわぬ姿で寛ぎながら湯浴みしている方が男性女性を問わずたくさんいらっしゃり、私も当地の流儀に倣ってこの温泉など複数の場所で裸入浴にチャレンジしました。開放的な環境のもと、水着の締め付けがない状態で露天風呂に入ると、気持ち良さがより一層高まりますね。


 
バスタブのお湯は、上述した草むらの中で自然湧出している源泉から引いています。近づくだけで熱気が感じられるほど熱く、温度計を突っ込んだら49.3℃と表示されました。


 
周囲にはその他にもいくつかの小さな源泉があるのですが、場所的に浴槽へお湯を引くことができないためか、いずれも使われておらず、お湯は湖へ向かって流れ落ちるばかりでした。あぁ、勿体無い。日本にはビニールプールを持参して野湯を楽しむマニアの方がいらっしゃいますが、そのような方でしたら、こうした未利用の源泉からお湯を引き、自分だけの露天風呂をつくることも可能でしょうね。

湯加減がある程度調整できるので、自分の好みの温度で湯浴みすることができる点は実にありがたいところ。草原が果てしなく広がる大自然の中で、静かにのんびり入浴できるこの露天風呂。実に素晴らしく、そのロケーションに感動すること請け合いです。当地で温泉巡りをするなら、外せない一湯と言えるでしょう。
この付近にはもうひとつ、高温の温泉が湧いているところがありますので、私はレンタカーを"Shepherd Hot Spring"のそばに置いたまま、あるいて次の目的地へ向かいことにしました。続きは次回記事へ。



GPS:37.66705, -118.80326,

ロサンゼルス水道電力局(LADWP)の管理地であるため、夜間の立ち入りや宿泊(キャンピング等)は不可能。日中の立ち入りは自由。
無料
備品類無し
"Clothing Optional"なので、水着の着用は任意(裸の入浴も可能)。

私の好み:★★★

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ロングバレーカルデラ温泉群 The Rock Tub

2017年11月01日 | アメリカ
ユネスコの世界遺産(自然遺産)であるヨセミテ国立公園の東側には、ウィンタースポーツで有名なマンモスレイクという高原の観光地がありますが、そのマンモスレイク付近に広が盆地状の地形は、太古の時代の火山活動によって形成されたカルデラ(ロングバレーカルデラ)であり、いまでも随所で地熱活動が見られます。天然温泉の湧出はその典型例。カルデラの内部ではあちこちで温泉が湧いており、その多くは、有志の方によってハンドメイドされた露天の小さなバスタブにお湯を注いでいます。数年前までロングバレーカルデラの温泉は知る人ぞ知る秘湯だったにもかかわらず、ネットによる情報共有が進んだためか、最近ではすっかり有名になりました。かく言う私もそんな時代の流れのおかげで当地の温泉を知ったひとりです。そこで、今回記事から連続してロングバレーカルデラに湧く温泉を取り上げます。なおこのカルデラ内の温泉に関して、このブログでは「ロングバレーカルデラ温泉群」と総称することにします。

ロングバレーカルデラ温泉群は、その多くがマンモスヨセミテ空港の北東一帯、US(国道)385号から北東に向かって分岐する"Benton Crossing Road"の沿道に集中して分布しています。そして各温泉へは、この道から分かれてゆく未舗装の小道を入ってゆくのですが、当地の未舗装路は多雨期になると泥濘と化してアクセスが困難になるそうですから、私はまだ雨が多くない2017年の5月中旬に訪れました。まず私が向かったのは"The Rock Tub"と呼ばれている小さな露天風呂です。


 
5月中旬のヨセミテ東部は、うっすら雪化粧するほど冷え込んでいました。同じカリフォルニア州のロサンゼルスは夏のような暑さでしたから、山を隔てるだけで気候が全く違うのですね。雪をかぶったヨセミテの山々を仰ぎながら、"Benton Crossing Road"より分かれた広いダート路を進み、更に途中で右折してしばらく進むと、やがて道は行き止まりになりました。広くなっているスペースに車を止め、入浴グッズを持参して露天風呂を探します。
なお今回の"The Rock Tub"を含め、ロングバレーカルデラの各温泉は、それらの存在を示す看板や標識などが一切ないため、ネットであらかじめ場所を調べておき、GPSを頼りに現地へ向かわないと、迷ってしまうこと必至です。



意外にも、駐車スペースからさほど歩かないうちに湯船を発見できちゃいました。ここが"The Rock Tub"です。この後も複数の温泉を巡りましたが、振り返ってみますと、ここは界隈の温泉群の中でもかなりイージーに辿り着ける部類に含まれるかと思います。
ちょっぴり小高い丘を利用して手作りされたバスタブであり、駐車スペース側に対して衝立を立てたような構造になっているため、来訪者の視線を気にすることなく入浴に専念できます。小判型のバスタブは2~3人入れそうな大きさがあり、その名の通り、岩や石をモルタルで固めて作られています。



湯船の前にはこのような雄大な景色が広がっています。実に素晴らしいロケーションです。


 
近くの源泉から黒いホースで温泉を引っ張っており、通常そのホースは湯船の中で温泉を吐出しているのですが、ホースを湯船の上に出した上でお湯の吐出温度をはかったところ43.2℃でした。お湯は無色透明でほぼ無味無臭ですが、若干の石膏感が含まれていたように記憶しています。薄く雪化粧するほど外気温は寒く、そんな状況で43.2℃の温泉が注がれているわけですから・・・


 
浴槽ではかなり温度が下がっており、私の温度計では37.6℃と計測されました。なおpHは7.91でした。でも極端にぬるいわけではないので、湯船に入るとなかなか良い湯加減に感じられ、むしろ湯当たりを心配する必要がないため、じっくり長湯を楽しませてもらいました。



美しいシエラネバダ山脈を眺めながら入浴する私。まるで自分がこの絶景の中に溶け込んでしまったかのような気分に浸れます。



湯上がり後に黒いホースを辿ってゆくと、上画像の湿地に辿り着きました。湿地の真ん中で湯気が上がっていましたから、おそらくその真下に源泉があるものと思われます。しかしその周囲はくるぶしまで潜ってしまいそうなほどの泥濘でしたから、この時は源泉の様子を間近に観察することはできませんでした。
源泉見学はともかく、車でのアクセスが用意であり、且つしっかりした造りの湯船で絶景を眺めながら露天風呂に入ることができのですから、プリミティヴな温泉が好きな人間にとってはこの上ない幸福感が得られます。ロングバレーカルデラ温泉群が持つ魅力を存分に感じることができる、素晴らしい露天風呂でした。このバスタブをつくってくれた方に感謝。



GPS:37.64751, -118.80783,

無料。いつでも利用可能。
備品類無し
温泉周辺でキャンプや車中泊も可能
"Clothing Optional"なので、水着の着用は任意(裸の入浴も可能)。

私の好み:★★★

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キーオ温泉 温泉の川  Keough Hot Ditch

2017年10月30日 | アメリカ
 
カリフォルニア州中部の小さな街ビショップ(Bishop)は、四方を山に囲まれた高原の街でもありますが、その南方に位置するキーオ温泉(Keough Hot Springs)では温泉が川をなして流れており、ワイルドな野湯が楽しめるらしいので、車で行ってみることにしました。
ビショップの中心部からハイウェイ395号線を8マイルほど南下すると、路傍でキーオ温泉の存在を示す看板が立っている箇所があるので、その下の角を曲がって西へ進みます。


 
 
その道を山に向かって進んでゆくと、やがて有料の温泉プールである"Keough's Hot Springs"に辿り着きます。ここで入浴しても良かったのですが(料金:12ドル)、ここの営業時間は夜7時まで(金曜と土曜は夜8時まで)。私が訪れたのは夕方6時半でしたので、ここでの入浴は断念しました。


 
来た道をちょっと引き返すと、途中で多くの高圧電線が頭上を横切っている箇所があり、電線と並行になる形で未舗装路が分岐していますので、その未舗装路に入ってちょっとだけ北へ。
その道はやがて小川を跨ぎますから、ひとまずこの辺りで車を停めてみました。


 
小川は未舗装路をチューブで潜っていますが、この川を流れているのは、正真正銘の温泉なのです。川の上流には上述の有料温泉施設がありますから、そこの源泉から流れてきているものと思われます。


 
周囲には車がたくさん止まっていました。おそらく知る人ぞ知るアウトドアスポットなのでしょう。とはいえ、この一帯はロサンゼルス市が管理している水道用地であり、日中の立ち入りは自由ですが、キャンプを張ったり車中泊をするなどして夜を越すことは禁止されており、その旨を注意する看板があちこちに立てられていました。


 
話を小川に戻します。
小川には人為的な堰き止めによって流れが緩やかになっているところがたくさんあり、そのいくつかでは、水着に着替えた老若男女が湯浴みを楽しんでいました。


 
私が川を遡っていると、小川の流れが緩んでちょっとしたプールになっており、しかも誰もいないという、湯浴みに最適なスポットを発見しました。


 
水温34.6℃というぬるめの湯加減ですが、れっきとしたお湯であることには違いありません。しかもpH9.33という高アルカリ性を示す、本格的なアルカリ性泉なのです。お湯の見た目は無色透明無味無臭で非常にクリア。野湯とは思えないほど綺麗です。


 
草陰に隠れて水着に着替えてから、いざ入浴。雪を被ったシエラネバダ山脈を眺めながらの野湯は実にワイルドで豪快。非常に開放的です。しかもお湯はツルツルスベスベの滑らかな美人湯タイプ。これぞ大自然の恵みですね。この時は気温が10℃ほどしかなかったため、一度湯の川に入ると寒くて出られなくなってしまうのですが、それでもあまりに美しく素晴らしい環境だったため、日が暮れるまでひたすらこの湯の川に入り続けてしまいました。
車があれば容易にアクセスできますし、しかも入浴できる箇所を選べますので、野湯のようなワイルドな湯浴みがお好きな方にはおすすめです。



GPS:37.25781, -118.37176,

日中は自由に立ち入り可能(夜間は不可)
野湯につき無料

私の好み:★★★




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