温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

芦毛沢温泉

2011年09月02日 | 青森県
※こちらの温泉は2014年に一旦閉業しましたが、その後営業を再開しています。本記事は2011年時点の様子をレポートしたものであり、現状と異なる部分があるかもしれません。

 
前回取り上げた唐竹大湯の近所、谷を挟んだ向かい側の丘に立地している温泉公衆浴場です。県道沿いに看板が立っているので、迷うことはないでしょう。比較的新しい施設のようで、外観・館内ともに綺麗です。館内の休憩スペースには自販機がこれでもかと言うほどたくさん並んでおり、明らかに清涼飲料水の供給過多状態。しかも子供向けのガチャガチャまで置かれています。マッサージチェアーも用意されていて、家族みんなで利用するにはいいかもしれません。実際、当施設には貸し切りの家族風呂もあるんだそうです。平日の夕方に訪れましたが、常時4~5人が利用していました。


脱衣所も綺麗で使い勝手良好。冷暖房完備である点は嬉しいです。

 
浴室も広々しています。唐竹地区に点在する温泉浴場の中では最も大きなお風呂でしょう。浴槽の手前には洗い場のカランが22基ほどズラリと並んでおり、すべてシャワー付き混合栓。
ガラス窓に面した浴槽は3つに分割され、一番大きな中央の浴槽はちょうど良い湯加減で、窓下側面から泡が噴射されています。左側の小さな浴槽はやや熱めで、こちらも泡風呂ですが、中央の浴槽とは異なり、こちらは底からブクブク上がるタイプのものです。そして右側には打たせ湯が設けられており、仕切りが立てられているので中央の浴槽へ飛沫が飛ばないよう配慮されています。泡風呂や打たせ湯のため、全体として騒々しい印象は拭えません。


お湯は無色透明無味無臭の癖がない泉質です。湯口にはストッキングが被せてありますが、これによって濾し取られているのか、あるいはそもそも少ないのか、湯中に湯の花的な浮遊物は見られません。湯使いに関しては加水されている旨が館内に表示されており、加温循環消毒については記載がありません。左側の槽からしっかりお湯が溢れ出ていましたが、湯口からのお湯の投入量に対してオーバーフロー量が少ないように見えるのは、気のせいでしょうか。


(↑サムネイル)はクリックで拡大
お湯のフィーリングは谷の向こう側にある唐竹大湯と似ているので、温泉分析表を見てみたら、案の定同じような成分構成と濃度でした。でもちょっと気になったのが分析表に記されている申請者の名前。そこには…
 (申請者)大阪市西区江戸堀三丁目6番35号 株式会社スーパーホテル 代表取締役山村孝雄
と記されていました。HP上の会社概要の所在地とは若干違いますが、どうやらこの温泉浴場のオーナーは、全国チェーンのビジネスホテル「スーパーホテル」らしいのです。私もスーパーホテルは何度か利用したことがあり、その都度、よくぞこんな細かいところまでコストカットしているな、さすが浪花の商人はガメツイな、と感心させられるのですが、そのスーパーホテルがなぜこんな津軽の辺鄙な山村に触手を伸ばしているのでしょう…。この会社は老人ホーム事業も展開しているので、もしかしたらその手の事業をこの地で行おうとしているのかしら。


唐竹桑田温泉(再分析)
単純温泉 60.4℃ pH7.69 132L/min(動力揚湯) 溶存物質0.674g/kg 成分総計0.676g/kg 
Na:151.2mg(69.85mval%), Ca:52.7mg(27.92mval%), Cl:142.9mg(43.71mval%), SO4:193.1mg(43.60mval%)

青森県平川市唐竹芦毛沢5  地図
0172‒44‒2336

8:00~22:00 第2水曜定休
350円
ドライヤーあり、他各種販売

私の好み:★★
コメント (5)
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唐竹阿蘇温泉 唐竹大湯

2011年09月02日 | 青森県
※残念ながら閉館したようです。


平川市唐竹集落の中心部に建つ温泉公衆浴場です。平賀の市街から唐竹へアクセスする県道282号線の現道は、丘の上にある集落を避けて田んぼが広がる浅い谷底をバイパスのように貫いていますが、集落の民家や主要機関(郵便局・農協・GSなど)はこの県道の旧道と思しき狭い道の沿道に集中しており、当浴場も同様にこの旧道沿いに建っています。小さな施設ながらちゃんと駐車場を確保しているのが立派。
こちらは平川市の条例によって運営方法が細かく決められていますが、条文をよく読めば結構曖昧で抽象的な内容を羅列しているだけでして、「市の管轄だからとりあえず形式的に条文を作っておくけれど、実際は地元で適当にやってちょうだい」という程度のものなのでしょう。訪問時には堅っ苦しい条文とは無縁なヨレヨレのTシャツを着た20歳代半ばと思しきお姉ちゃんがスナック菓子をつまみながら受付対応してくれました。こういうユルユルな感じが私は好きです。


地域の公民館のような質素な建物。脱衣所は床暖房が設置されているのか、夏だというのにムンムンの暑さが籠っていました。

 
内湯がひとつだけの浴室。洗い場には青森県ではお馴染みの古典的押しバネ式カランが9基設置されており、うち6基には固定式シャワーが併設されています。小高い丘の上の縁に立地しているので、窓からは県道(新道)が左右に貫く谷の田んぼやその向こう側の丘など、付近の景色が気持ちよく見晴らせました。


お湯は無色透明でほぼ無味無臭。浴槽の縁からふんだんにオーバーフローされています。加水しているようですが、それでもめちゃくちゃ熱く、苦悶の表情でお湯に浸かりました。弱いスベスベ浴感。単純泉だからか、熱くても肌には優しく、体力が急激に奪われることも無いので、しばらく我慢して身を沈めていれば、じきに体が熱さに慣れてくるようでした。また湯上がりはあまり火照らず、むしろサッパリ。熱くても新鮮なお湯っていいもんですね。体がキリっと冴えます。
地元の方々にはかなり愛されているお風呂のようで、私は火曜日の午後4時頃に訪れたのですが、常時2~3人が入れ替わりながら利用しており、浴室内では賑やかな挨拶の声が絶えずこだましていました。


単純温泉 62.5℃ pH7.6 湧出量測定不能 溶存物質0.8860g/kg 成分総計0.8904g/kg
Na:210.2mg(72.08mval%), Ca:65.5mg(25.79mval%), Cl:218.7mg(48.89mval%), SO4:260.2mg(42.95mval%)

青森県平川市唐竹堀合100-1  地図
0172-44-3178

※残念ながら閉館したようです。
12:00~21:30 1日・11日・21日定休(曜日関係なし)
300円
備品類なし

私の好み:★★
コメント (4)
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唐竹温泉

2011年09月02日 | 青森県
 
平賀市街から県道282号線を南東へ進んで東北道を潜った先の緩やかな傾斜地に広がっている唐竹集落。周囲には観光に向いている箇所が無いので、地元の人以外は訪れにくい地区でしょうが、ここにも何軒かの温泉公衆浴場が存在しており、集落の入り口に当たる位置にある公衆浴場が今回取り上げる唐竹温泉です。青森県の公衆浴場らしい、古くて渋い外観です。


玄関では看板犬のラッキー君がお出迎え。ハスキー犬のようですが、とってもおとなしくて柔和な性格。

 
受付カウンターで料金を直接支払ってから脱衣場へ。
脱衣所は最近改修工事が行われたらしく、広くて綺麗です。室内ではデカイ扇風機が唸りながら廻っていました。

 
浴室の中央にはまん丸いタイル貼りの浴槽が据えられ、それを囲むようにカランが18基配置されています。カランはシャワー付き混合栓ですが、ホテルでよく見かける、2つのコックの真ん中にある金具を引っ張るとスパウトがシャワーに変わるタイプのものでした。公衆浴場でこの手の水栓にお目にかかれるとは意外。おそらくカランから出てくるお湯は源泉使用。

男湯女湯の境の壁上には長方形の摺りガラスが立っているのですが、その一部には岩木山とリンゴが写った画像のカッティングシートが貼られていました。わかりやすい津軽の象徴ですね。

石組みで4段になっている湯口から源泉が浴槽へ投入されて、しっかり掛け流されています。無色透明で、よく湯中を見ると小さく白い浮遊物、そして黒っぽい赤茶の浮遊物が漂っていました。口に含むと、味のベースは微塩味なのですが、はじめタマゴ味が感じられ、次にすぐ金気味が、やがて芒硝味も舌に伝わり、結局石膏味で落ち着きます。匂いに関しては、微かに金気のような匂いと石膏臭が感じられました。弱いスベスベの浴感。人によっては熱く感じるかもしれませんが、私にはちょうど良い湯加減でした。まるで群馬県の北毛地方でよく見られるような無色透明の石膏泉でして、この手の泉質は津軽では珍しいかもしれません。青森県の温泉は本当に奥が深いですね。

なおこちらには上述の大浴場の他、貸切の家族風呂もあり、大浴場は中田1号源泉を使用していますが、家族風呂は1号の他に2号源泉も混ぜて使っているんだそうです。どんなお湯なんでしょうか。今度入ってみたいな。


向川原田温泉(中田1号)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉
60.5℃ pH7.6 400L/min(動力揚湯) 溶存物質1.415g/kg 成分総計1.437g/kg

青森県平川市唐竹向川原田4-3  地図
0172-44-3748

7:00~22:00(月曜は17:00~22:00)
350円
ロッカー・ドライヤーあり

私の好み:★★
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