信州の中でも木曽地方って、長野県ではなく愛知県や岐阜県南部、つまり尾張や美濃に近いイメージがあるんですが、こんな先入観を抱いているのは私だけでしょうか。尾張や美濃には温泉が少ないので、その地域性のイメージを引き摺ってしまって木曽地方も温泉が無いんじゃないかと勝手に思い込んでいたのですが、よくよく考えれば御嶽山という立派な火山が聳えているわけでして、その麓に温泉が湧いていないはずはなく、先入観を打破すべく御嶽山東麓の開田高原へ行ってみたら、私の思い込みを覆すような立派な温泉に巡り会うことができました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/a5/de83b3cbaa22ec3eed6b56c17ccc966f.jpg)
開田高原の奥の方にズッシリと構える平屋構造の立派な建物。無駄に大きな公営の温泉施設は、大抵の場合、お湯が「ハズレ」なことが多いのですが、果たしてここはどうなんでしょうか。駐車場も広く、訪問時は休日ゆえ多くの車がとまっていました。人気のほどが窺えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/05/d15576d62b1644a27d25f3b07ffaec7d.jpg)
天井が高くて開放感あふれる館内。内装デザインはいかにも公営っぽいコントラストが弱めで地味な色調ですが、開放感や明度・清潔感がそのマイナス分を補っていました。ロビーで地元の物産が販売されているのはこの手の施設の定番であり、その食傷気味な村おこし商法は、没個性の中の「個性」ではないのかと疑問に思う今日この頃。
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玄関を挟んだロビーの反対側には温泉を引湯した足湯が設けられており、晴れていれば足湯に浸かりながら御嶽山が眺望できるんだそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/45/6a08b230d02cccaaa213eece51a6e000.jpg)
広々とした館内を歩いて浴室へ。館内に2つある浴室のうち一つは、御嶽山を一望できる展望露天風呂が付帯しており、男女入れ替え制で奇数日は男性、偶数日は女性が、その展望露天風呂が付いている浴室を利用できるんだそうです。訪問日は偶数日だったので、残念ながら男の私は展望露天風呂とは御縁無し。
脱衣所も広々として十分なスペースが確保されており、多客時でもストレスなく利用できました。なお脱衣所は2つのシンメトリな空間が合体して一室になったような造りになっていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/d5/97b8cb9f99a144b996757d6e5a66788e.jpg)
公営施設らしい実用本位の面白みに欠ける浴室ですが、ロビーなどと同様、床面積や天井高さなど、空間の広さはとても立派で、浴槽に面したガラス窓も大きいため、室内にいながら十分な開放感が得られました。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が18基とシャワーのみが2基設置されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/04/ea344de079f25d85bdd0a5f6f5fe3bfb.jpg)
内湯の湯口は飲泉所を兼ねており、他の浴場でよくある「自己責任で勝手に飲んでくれ」というものではなく、ちゃんと保健所の許可を受けているれっきとした飲泉施設です。傍に置かれているコップを手に取り、白い硫酸塩の析出がこびりついているステンレス製飲泉専用の湯口からお湯を汲んで飲んでみると、鉄錆のような金気味+土気味+明瞭な炭酸味などが混ざり合った複雑な味が口の中に広がり、あまり美味しいものではありませんが、説明表示によれば糖尿病に良いらしいので、頓に尿酸値が上昇している私は不味さを堪えてコップ3杯ほど飲ませてもらいました。
その湯口から浴槽へと注がれるお湯は黄土色に濁り、浴槽の底が見えないほどです。味から想像できる通り、金気臭と土気臭が感じられます。飲めるお湯をそのまま投入しているのですから、消毒循環は行われていませんが、加水は適宜実施されているようです。濁りや味・匂いからして、とっても土類泉的なキシキシ浴感なのかと思いきや、重曹のおかげなのか意外にもスベスベ浴感が得られ、しかもそんなに熱い湯加減じゃないのに火照りやすく、寧ろドシッと体に負担がのしかかって湯疲れしてしまうほどパワーのあるお湯でした。肌への泡付きこそありませんでしたが、遊離炭酸ガスが多いので、この炭酸ガスの影響なのかもしれません。こうした強い温浴効果のためか、混雑していたにもかかわらず、内湯・露天ともに客の回転が早いので、少なくとも私の訪問時は湯船が混むようなことはありませんでした。また、湯上りの温まりも強く、なかなか汗が引きませんでした。味や匂いは決して濃くはありませんが、入浴することによって、はじめてこのお湯の底力が実感できました。恐れ入りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/2e/8b4a404a27dfb5cc4594556ff19b85e4.jpg)
こちらは露天風呂。偶数日の男湯なので、御嶽山が一望できるこの施設ご自慢の「展望露天風呂」ではありませんが、周囲は若干の間隔を措きながら森によって囲まれており、木々の緑と高原の爽快感が同時に楽しめる開放的な環境です。内湯同様に加水されたお湯ですが、露天はさらに加温も行われているそうです。訪問時は思いっきりガスっていましたが、晴れていればこの露天からも木々越しに御嶽山を望めそうです。
秘湯ファンには触手が伸びにくい施設ですが、秘湯的なこだわりが無ければ十分に訪れる価値がある、使い勝手の良い施設だと思います。
御嶽明神温泉1号泉・2号泉の混合
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉
45.6℃ pH6.49 溶存物質2667mg/kg 成分総計3113mg/kg
Na:393.2mg, Ca:152.4mg, Mg:91.5mg, Cl:202.3mg, SO4:380.0mg, HCO3:121.6mg, 遊離CO2:445.8mg
長野県木曾郡木曽町開田高原西野6321-1211 地図
0264-44-2346
ホームページ
10:00~21:00 火曜定休(祝日の場合は営業)
600円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり、各種販売有
私の好み:★★
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開田高原の奥の方にズッシリと構える平屋構造の立派な建物。無駄に大きな公営の温泉施設は、大抵の場合、お湯が「ハズレ」なことが多いのですが、果たしてここはどうなんでしょうか。駐車場も広く、訪問時は休日ゆえ多くの車がとまっていました。人気のほどが窺えます。
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天井が高くて開放感あふれる館内。内装デザインはいかにも公営っぽいコントラストが弱めで地味な色調ですが、開放感や明度・清潔感がそのマイナス分を補っていました。ロビーで地元の物産が販売されているのはこの手の施設の定番であり、その食傷気味な村おこし商法は、没個性の中の「個性」ではないのかと疑問に思う今日この頃。
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玄関を挟んだロビーの反対側には温泉を引湯した足湯が設けられており、晴れていれば足湯に浸かりながら御嶽山が眺望できるんだそうです。
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広々とした館内を歩いて浴室へ。館内に2つある浴室のうち一つは、御嶽山を一望できる展望露天風呂が付帯しており、男女入れ替え制で奇数日は男性、偶数日は女性が、その展望露天風呂が付いている浴室を利用できるんだそうです。訪問日は偶数日だったので、残念ながら男の私は展望露天風呂とは御縁無し。
脱衣所も広々として十分なスペースが確保されており、多客時でもストレスなく利用できました。なお脱衣所は2つのシンメトリな空間が合体して一室になったような造りになっていました。
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公営施設らしい実用本位の面白みに欠ける浴室ですが、ロビーなどと同様、床面積や天井高さなど、空間の広さはとても立派で、浴槽に面したガラス窓も大きいため、室内にいながら十分な開放感が得られました。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が18基とシャワーのみが2基設置されています。
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内湯の湯口は飲泉所を兼ねており、他の浴場でよくある「自己責任で勝手に飲んでくれ」というものではなく、ちゃんと保健所の許可を受けているれっきとした飲泉施設です。傍に置かれているコップを手に取り、白い硫酸塩の析出がこびりついているステンレス製飲泉専用の湯口からお湯を汲んで飲んでみると、鉄錆のような金気味+土気味+明瞭な炭酸味などが混ざり合った複雑な味が口の中に広がり、あまり美味しいものではありませんが、説明表示によれば糖尿病に良いらしいので、頓に尿酸値が上昇している私は不味さを堪えてコップ3杯ほど飲ませてもらいました。
その湯口から浴槽へと注がれるお湯は黄土色に濁り、浴槽の底が見えないほどです。味から想像できる通り、金気臭と土気臭が感じられます。飲めるお湯をそのまま投入しているのですから、消毒循環は行われていませんが、加水は適宜実施されているようです。濁りや味・匂いからして、とっても土類泉的なキシキシ浴感なのかと思いきや、重曹のおかげなのか意外にもスベスベ浴感が得られ、しかもそんなに熱い湯加減じゃないのに火照りやすく、寧ろドシッと体に負担がのしかかって湯疲れしてしまうほどパワーのあるお湯でした。肌への泡付きこそありませんでしたが、遊離炭酸ガスが多いので、この炭酸ガスの影響なのかもしれません。こうした強い温浴効果のためか、混雑していたにもかかわらず、内湯・露天ともに客の回転が早いので、少なくとも私の訪問時は湯船が混むようなことはありませんでした。また、湯上りの温まりも強く、なかなか汗が引きませんでした。味や匂いは決して濃くはありませんが、入浴することによって、はじめてこのお湯の底力が実感できました。恐れ入りました。
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こちらは露天風呂。偶数日の男湯なので、御嶽山が一望できるこの施設ご自慢の「展望露天風呂」ではありませんが、周囲は若干の間隔を措きながら森によって囲まれており、木々の緑と高原の爽快感が同時に楽しめる開放的な環境です。内湯同様に加水されたお湯ですが、露天はさらに加温も行われているそうです。訪問時は思いっきりガスっていましたが、晴れていればこの露天からも木々越しに御嶽山を望めそうです。
秘湯ファンには触手が伸びにくい施設ですが、秘湯的なこだわりが無ければ十分に訪れる価値がある、使い勝手の良い施設だと思います。
御嶽明神温泉1号泉・2号泉の混合
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉
45.6℃ pH6.49 溶存物質2667mg/kg 成分総計3113mg/kg
Na:393.2mg, Ca:152.4mg, Mg:91.5mg, Cl:202.3mg, SO4:380.0mg, HCO3:121.6mg, 遊離CO2:445.8mg
長野県木曾郡木曽町開田高原西野6321-1211 地図
0264-44-2346
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10:00~21:00 火曜定休(祝日の場合は営業)
600円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり、各種販売有
私の好み:★★