前回記事に引き続き群馬県北毛の温泉を巡ります前回記事の白根温泉から国道120号を沼田方面に戻ると、沿道随一の温泉地である老神温泉に辿り着きます。拙ブログでも何度か取り上げていますが、今回は当地屈指の規模を誇る「吟松亭あわしま」に立ち寄り、日帰り入浴を楽しんでまいりました。
当地の温泉宿の多くは川と並行に伸びる細い道に沿って建ち並んでいますが、こちらのお宿はそこから国道側へ坂を上がった温泉街を見下ろす高い場所に位置しており、付近には旅館案内所や市営無料駐車場などがあります。
私が駐車場へ車を停めた際にたまたま玄関から出てきたスタッフの方に「日帰り入浴は大丈夫ですか?」と尋ねたところ、笑顔で快く受け入れてくださいました。
フロントで湯銭納め、とても広いロビーを進み、まずはエレベータで下のフロアへ。
そして萌黄色の暖簾の先に延びる階段で更に下ります。
下りきった先には、いまどき珍しいレトロなゲームの数々が置かれたゲームコーナーが、ピコピコと電子音を鳴らしながら、お客さんが遊んでくれるのを待っていました。
ゲームコーナーの隣には小さな休憩スペースが設けられ、お水のサービスが用意されていました。後で湯上がりに使わせていただくことにしましょう。
通路の突き当りがお風呂の入り口。浴室は2つあって、どうやら時間による男女入れ替えのようです。私の訪問時は、左側の浴室に青い暖簾が掛かっていました。広くてきれいで使い勝手の良い脱衣室を抜けて浴室へ。
私は冬に訪れたため、浴室は湯気が篭り気味でした。見にくくてごめんなさい。とはいえ室内左側の大きな窓から降り注ぐ陽光のおかげで、室内は明るく、気持ち良く使えました。室内右側等に洗い場が配置され、計9基のシャワー付きカランが取り付けられています。シャワーから出てくるお湯はおそらく真湯です。
内湯の浴槽は(目測で)2m×4mほどの大きさ。縁には木材が採用され、浴槽内はタイル貼りです。奥の湯口から温泉が注がれ、窓下の溝へオーバーフローしていました。浴槽の大きさに対してお湯の投入量がやや少ないように見受けられたのですが、湯加減はちょうどよく、しかも内湯は掛け流しですので、私はこの浴槽でゆっくり湯浴みを楽しませていただきました。
日本庭園風に設えられているこの露天は、冒頭で申し上げたようにこちらのお宿は温泉街を見下ろす高い場所にあるため、入浴しながら楽しめる眺めもなかなか。眼下を流れる片品川やその向かいに聳える山々を眺めながら、開放的な環境でゆったり寛げます。季節により楽しめる景色も変わってくるのでしょうね。私は冬に訪れましたから、向かい側の山は雪化粧をしていました。
露天の浴槽は岩風呂。10人は同時に入れそうな大きさがあります。部分的に東屋で護られていますから、多少の雨なら凌げるかと思います。岩積みの湯口から注がれているお湯に触れてみると、熱いお湯と適温のお湯の2筋が湯口の中で合わさっているように感じられました。館内表示によれば、内湯は掛け流しですが露天は循環されているそうですから、湯口から出てくる2種類の温度のお湯は、どちらかが循環湯で、もう一方は新鮮源泉のお湯なのでしょう。
なお露天ゾーンには離れのサウナ小屋も設けられているのですが、今回は利用しませんでした。
こちらのお風呂に引かれているお湯は、老神温泉の8号泉と10号泉のブレンド。無色透明で湯の花などは見られず、老神の別源泉で得られるようなイオウ感も乏しいのですが、その一方で、ゴムボールのような匂いやおが屑のような香りがほのかに嗅ぎ取れ、わずかに金気のような感覚も得られました。ただし、こうした知覚的特徴は内湯で確認できたのであり、露天ではあまり感じ取れません。なお塩素系薬剤による消毒を実施しているそうですが、私の入浴時は特に気になりませんでした。浴感に関しては弱ツルスベといったところで、言い換えれば癖のないアッサリとしたタイプと表現できましょうか。
館内には貸切風呂もあり、別料金で利用可能のようですが、私は利用しておりません。なおこの貸切風呂は掛け流しと循環の併用とのこと。また最上階には露天風呂が備わった客室もあるようですが、そちらのお風呂は循環なんだそうです。
大きくて綺麗なお風呂であり、しかも四季折々に姿を変える露天も広々していますから、酔狂人だらけの温泉マニアはともかく、一般的な観光客にはもってこいかと思います。
8号泉
単純硫黄温泉 35.8℃ pH6.7 50.7L/min(動力揚湯) 溶存物質0.42g/kg 成分総計0.44g/kg
Na+:83.9mg(68.57mval%), Ca++:27.3mg(25.56mval%),
Cl-:69.9mg(36.71mmval%), SO4--:111mg(42.93mval%), HCO3-:51.9mg(15.84mval%), HS-:0.7mg,
H2SiO3:61.0mg, H2S:1.5mg,
(平成28年7月7日)
10号泉
単純温泉 53.3℃ pH8.0 256L/min(動力揚湯) 溶存物質0.52g/kg 成分総計0.53g/kg
Na+:126mg(77.93mval%), Ca++:26.8mg(19.06mval%),
Cl-:105mg(42.40mmval%), SO4--:133mg(39.60mval%), HCO3-:51.9mg(12.18mval%), HS-:1.4mg,
H2SiO3:59.8mg, H2S:0.2mg,
(平成28年7月7日)
8号泉・10号泉の混合
単純温泉 52.7℃ p7.5 湧出量測定せず 溶存物質0.54g/kg 成分総計0.54g/kg
Na+:132mg(79.79mval%), Ca++:25.7mg(17.80mval%),
Cl-:115mg(44.67mmval%), SO4--:140mg(40.42mval%), HCO3-:42.8mg(9.71mval%),
H2SiO3:61.8mg,
(平成28年7月7日)
加水なし、冬季のみ加温あり、露天風呂のみ循環あり、塩素系薬剤を使用
群馬県沼田市利根町老神603
0278-56-2311
ホームページ
日帰り入浴時間13:00~18:00?(正しい時間はお宿へ直接ご確認願います)
1000円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★