金融機関などを除けば、多くの企業では今日で仕事納めかと思いますが、拙ブログも今日で本年の記事を締めくくり、新年に向けた準備に取り掛かります。
数年前から公私ともに生活環境が変わり、これまでのように自由に旅に出ることができなくなってしまいました。これに伴い拙ブログの更新頻度も落ち、ここ2年程は1週間に1回のペースとなっております。
2019年の私の入浴記録を振り返ると、再訪を含めれば80湯に留まってしまいました(ただし自宅近所の温泉スーパー銭湯は除く)。1年間で3桁に届かないようでは、もはやマニアと呼べないでしょう。完全に失速状態です。スタジオジブリ制作のアニメ映画「紅の豚」に「飛ばねぇ豚はただの豚だ」という有名なセリフが登場しますが、今の私は「温泉に入らねぇ温泉バカはただのバカ」と自嘲したくなるような情けない体たらくです。
でもそんな状況の中で出会えた温泉たちは、いずれも珠玉の湯ばかり。私の温泉巡りはこの歳に至ってようやく、数より質を重視する方向へ転換した、とも言えます。旅の中で巡り会えた素晴らしい温泉たちに対して、一方的且つ主観的に序列をつけるのは本意ではないのですが、おバカさんなりに敢えてその中からベスト5を選出してみました。
意図したわけではないのですが、5ヶ所中4ヶ所はまだブログに登場しておりません。幼い頃から食事で自分の好みのものを最後までとっておく癖がある私。最後に好物を食べようとして他人に横取りされてしまう苦い経験を何度も繰り返しているのに、その教訓を生かそうとせず、いまだに後へ後へと残す悪癖が直りません。新年こそはそんな習慣を断ち切り、なるべく鮮度の良い情報提供を心がけるべく、年が明けましたらこれらのベスト5達をメインに紹介してまいります。
なお今回取り上げる5湯は順不同です。
●台湾・春陽温泉 楽密谷
本年6月18日付の記事で紹介済。その時の記事はこちら
いつも台湾を旅行する時にお世話になる方から教えていただいた、知る人ぞ知る温泉施設です。台湾中部南投県の春陽温泉にあり、細い路地のどん詰まりに位置しています。春陽温泉で営業する施設の中で最も奥にあるため、教えてもらわなければ決して行くことが無かったかと思われます。
お湯は加水加温循環消毒の一切ない完全掛け流し。絶え間なく投入されるお湯は、湯船で41.5℃という素晴らしい湯加減。しかも大量の湯の花が舞っています。
渓流を眺めながら、小鳥のさえずりに癒されつつ、掛け流しの適温露天風呂に浸かる幸せ。桃源郷にいるかのような夢心地でした。
●韓国・東莱温泉 マンス湯
2020年に紹介する予定です。
釜山市の奥座敷であり長い歴史を有する韓国屈指の温泉地、東莱温泉(トンネオンチョン)。当地には「虚心庁」という巨大な温泉入浴施設をはじめ、複数の入浴施設が営業していますが、いずれも規模が比較的大きく、大浴場という名称がぴったりな施設ばかりです。そんな中、細い路地に面しているこの「マンス湯(만수탕)」は日本の鄙びた温泉共同浴場を彷彿とさせる渋い佇まいで、何とも言えない趣きに心をギュッと掴まれてしまいました。
浴室もこじんまりとしており、温泉の浴槽と小さな水風呂がひとつずつ、そして洗い場のみという至ってシンプルな構造。でもその浴槽には源泉から引かれた温泉が絶え間なく供給され、循環などの小細工が一切ない掛け流しの湯使いが実践されていました。
このお風呂を切り盛りするおばちゃんもまた実に愛想が良く、すっかり気に入ってしまいました。
●新潟県 称名滝の湯
2020年に紹介する予定です。
ここ数年ネットに上がってくる情報を見る限り、以前は常時お湯が張られていた通称「称名滝の湯」も、最近はお湯が抜かれることが多く、当地を訪れたモノ好きマニアたちは、わざわざ滝壺まで行って、ぬるい白濁湯にお尻を浸して悦に入っていたようです。
しかしながら、今年9月中旬に私が火打山と妙高山を縦走登山した際、妙高山頂から燕温泉方面へ向かって下山している途中にこちらへ立ち寄ったところ、その日は運よく浴槽にお湯が張られていましたので、ありがたく入浴させていただきました。コンクリ製の浴槽脇にある源泉からホースで直接お湯を注いでおり、青白く濁るお湯は42~3℃というちょうど良い湯加減でした。
この上なくワイルドで素晴らしいロケーションもさることながら、この時は妙高山の山頂から急で険しい登山道を一気に下り全身が疲れ切っていましたので、そんな体を優しく癒してくれる硫黄白濁湯の有難さが骨身に沁みたのでした。
●都幾川温泉「旅館とき川」
2020年に紹介する予定です。
経済的に余裕がある温泉ファンから熱い支持を受けている埼玉県ときがわ町の鉱泉宿。
宿といっても宿泊客は受け付けておらず、日に4組限定でお食事付の日帰り入浴のみを受け付けています。お財布の余裕は無いけど人一倍見栄っ張りな私は、予約が取れた夏の某日に訪れてみました。
都幾川温泉の最大の特徴は、日本で最もアルカリ性が強い鉱泉であるということ。pH値はなんと11.3です。湧出量は毎分2.4リットルと決して多くないのですが、そんな貴重な鉱泉を加温した上でかけ流しているんだから、贅沢この上ありません。
お風呂上がりに個室でいただくお料理も絶品。詳しくは後日改めて記事に致します。
●某所野湯
2020年に紹介・・・しようかな、どうしようかな。
とある山の中をウロウロ彷徨っている時、たまたま見つけた野湯です。でも秋に日本各地を襲った台風の影響で、濁流と共に流されちゃったかもしれません。
崖の上で自噴する白濁硫黄泉のお湯を、石や土嚢を積み上げた原始的な浴槽で受け止めており、お湯は白濁しているものの湧きたてなので透明度が比較的高く、しかも湯加減がこの上なく良好。時間を忘れていつまでも浸かっていたくなる、極上の野湯でした。
(これまた偶然にもこのお風呂を手作りした方とお会いしたのですが、その方から場所などについての情報を公にしないでほしいと念を押されておりますので、申し訳ございませんが、委細をお伝えすることは自粛させていただきます)。
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来年も入浴のペースは変わらず、50~100の間で落ち着くものと思われます。
引き続き量より質を目指し、記録よりも記憶に残る湯巡りを心掛けてまいります。
今年も大変お世話になりました。
皆様、よいお年をお迎えください。
K-I
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数年前から公私ともに生活環境が変わり、これまでのように自由に旅に出ることができなくなってしまいました。これに伴い拙ブログの更新頻度も落ち、ここ2年程は1週間に1回のペースとなっております。
2019年の私の入浴記録を振り返ると、再訪を含めれば80湯に留まってしまいました(ただし自宅近所の温泉スーパー銭湯は除く)。1年間で3桁に届かないようでは、もはやマニアと呼べないでしょう。完全に失速状態です。スタジオジブリ制作のアニメ映画「紅の豚」に「飛ばねぇ豚はただの豚だ」という有名なセリフが登場しますが、今の私は「温泉に入らねぇ温泉バカはただのバカ」と自嘲したくなるような情けない体たらくです。
でもそんな状況の中で出会えた温泉たちは、いずれも珠玉の湯ばかり。私の温泉巡りはこの歳に至ってようやく、数より質を重視する方向へ転換した、とも言えます。旅の中で巡り会えた素晴らしい温泉たちに対して、一方的且つ主観的に序列をつけるのは本意ではないのですが、おバカさんなりに敢えてその中からベスト5を選出してみました。
意図したわけではないのですが、5ヶ所中4ヶ所はまだブログに登場しておりません。幼い頃から食事で自分の好みのものを最後までとっておく癖がある私。最後に好物を食べようとして他人に横取りされてしまう苦い経験を何度も繰り返しているのに、その教訓を生かそうとせず、いまだに後へ後へと残す悪癖が直りません。新年こそはそんな習慣を断ち切り、なるべく鮮度の良い情報提供を心がけるべく、年が明けましたらこれらのベスト5達をメインに紹介してまいります。
なお今回取り上げる5湯は順不同です。
●台湾・春陽温泉 楽密谷
本年6月18日付の記事で紹介済。その時の記事はこちら
いつも台湾を旅行する時にお世話になる方から教えていただいた、知る人ぞ知る温泉施設です。台湾中部南投県の春陽温泉にあり、細い路地のどん詰まりに位置しています。春陽温泉で営業する施設の中で最も奥にあるため、教えてもらわなければ決して行くことが無かったかと思われます。
お湯は加水加温循環消毒の一切ない完全掛け流し。絶え間なく投入されるお湯は、湯船で41.5℃という素晴らしい湯加減。しかも大量の湯の花が舞っています。
渓流を眺めながら、小鳥のさえずりに癒されつつ、掛け流しの適温露天風呂に浸かる幸せ。桃源郷にいるかのような夢心地でした。
●韓国・東莱温泉 マンス湯
2020年に紹介する予定です。
釜山市の奥座敷であり長い歴史を有する韓国屈指の温泉地、東莱温泉(トンネオンチョン)。当地には「虚心庁」という巨大な温泉入浴施設をはじめ、複数の入浴施設が営業していますが、いずれも規模が比較的大きく、大浴場という名称がぴったりな施設ばかりです。そんな中、細い路地に面しているこの「マンス湯(만수탕)」は日本の鄙びた温泉共同浴場を彷彿とさせる渋い佇まいで、何とも言えない趣きに心をギュッと掴まれてしまいました。
浴室もこじんまりとしており、温泉の浴槽と小さな水風呂がひとつずつ、そして洗い場のみという至ってシンプルな構造。でもその浴槽には源泉から引かれた温泉が絶え間なく供給され、循環などの小細工が一切ない掛け流しの湯使いが実践されていました。
このお風呂を切り盛りするおばちゃんもまた実に愛想が良く、すっかり気に入ってしまいました。
●新潟県 称名滝の湯
2020年に紹介する予定です。
ここ数年ネットに上がってくる情報を見る限り、以前は常時お湯が張られていた通称「称名滝の湯」も、最近はお湯が抜かれることが多く、当地を訪れたモノ好きマニアたちは、わざわざ滝壺まで行って、ぬるい白濁湯にお尻を浸して悦に入っていたようです。
しかしながら、今年9月中旬に私が火打山と妙高山を縦走登山した際、妙高山頂から燕温泉方面へ向かって下山している途中にこちらへ立ち寄ったところ、その日は運よく浴槽にお湯が張られていましたので、ありがたく入浴させていただきました。コンクリ製の浴槽脇にある源泉からホースで直接お湯を注いでおり、青白く濁るお湯は42~3℃というちょうど良い湯加減でした。
この上なくワイルドで素晴らしいロケーションもさることながら、この時は妙高山の山頂から急で険しい登山道を一気に下り全身が疲れ切っていましたので、そんな体を優しく癒してくれる硫黄白濁湯の有難さが骨身に沁みたのでした。
●都幾川温泉「旅館とき川」
2020年に紹介する予定です。
経済的に余裕がある温泉ファンから熱い支持を受けている埼玉県ときがわ町の鉱泉宿。
宿といっても宿泊客は受け付けておらず、日に4組限定でお食事付の日帰り入浴のみを受け付けています。お財布の余裕は無いけど人一倍見栄っ張りな私は、予約が取れた夏の某日に訪れてみました。
都幾川温泉の最大の特徴は、日本で最もアルカリ性が強い鉱泉であるということ。pH値はなんと11.3です。湧出量は毎分2.4リットルと決して多くないのですが、そんな貴重な鉱泉を加温した上でかけ流しているんだから、贅沢この上ありません。
お風呂上がりに個室でいただくお料理も絶品。詳しくは後日改めて記事に致します。
●某所野湯
2020年に紹介・・・しようかな、どうしようかな。
とある山の中をウロウロ彷徨っている時、たまたま見つけた野湯です。でも秋に日本各地を襲った台風の影響で、濁流と共に流されちゃったかもしれません。
崖の上で自噴する白濁硫黄泉のお湯を、石や土嚢を積み上げた原始的な浴槽で受け止めており、お湯は白濁しているものの湧きたてなので透明度が比較的高く、しかも湯加減がこの上なく良好。時間を忘れていつまでも浸かっていたくなる、極上の野湯でした。
(これまた偶然にもこのお風呂を手作りした方とお会いしたのですが、その方から場所などについての情報を公にしないでほしいと念を押されておりますので、申し訳ございませんが、委細をお伝えすることは自粛させていただきます)。
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来年も入浴のペースは変わらず、50~100の間で落ち着くものと思われます。
引き続き量より質を目指し、記録よりも記憶に残る湯巡りを心掛けてまいります。
今年も大変お世話になりました。
皆様、よいお年をお迎えください。
K-I
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