(2021年9月訪問)
前回記事の投稿から2週間も間が空いてしまいました。お待たせして申し訳ございません。
連続して投稿してまいりました群馬県西毛から長野県東信にかけての温泉めぐりは、まだ記事にできていない箇所もあるのですが、とりあえず今回の記事で一旦締めくくります。その最後に取り上げるのは、小諸市の郊外某所にある温泉スタンドです。このスタンドがある場所の周りには、いかにも信州らしい長閑な田園風景が広がっています。
さて上画像の設備がその温泉スタンド。付近の県道を走っていると、温泉櫓のような構造物が目に入ってきたので、もしやと思って近づいてみますと、案の定、温泉関係の施設だったのでした。
どうやらこの場所に源泉があり、湧出したお湯をタンクにストックしているようです。
タンクに貯められたお湯は、下部のホースから吐出するようになっています。
でもこの温泉スタンドは小諸市民のためのもの。部外者が気軽に使えるものではありません。
数秒だけバルブを開けてお湯を出してみました。
ホースから出てくるお湯は無色透明の食塩泉で、ほんのりと塩味が得られ、また微かなアブラ臭や硫黄臭の名残のような匂いもわずかに感じられます。温泉と言ってもごく一般的なFRPタンクにストックされているだけなので、決して熱くなく、どちらかといえば生ぬるい感じですので、これを浴用として利用する場合は一旦加温する必要があるでしょう。
タンクの前には立派な分析表が掲示されており、これによるとこの源泉はなんと自噴しているんだとか。その湧出量は毎分156L。施設管理のコストはかかるものの、ポンプアップの電気代が不要なのは良いですね。もちろん湧出した温泉のすべてが温泉スタンド用として目の前のタンクにストックされるわけではなく、多くは崖の上の南方にある2ヶ所ほどの温泉施設へ引湯されているようです。従いまして、ここで湧出した温泉に入浴したい場合は、温泉施設を利用すれば良いわけですね。
温泉マニアの方でしたら、ここでビニールプールを膨らませたりして、お湯を張って即席の露天風呂を楽しんでしまうのかもしれませんが、最近そのようなアグレッシブさが失われてしまった私は、ちょっとだけお湯を出してテイスティングしただけで満足し、浴びることなくその場を後にしたのでした。
(源泉名は伏せさせていただきます)
ナトリウム-塩化物温泉 37.4℃ pH8.0 156L/min(掘削自噴) 溶存物質1.372g/kg 成分総計1.373g/kg
Na+:394.6mg(83.01mval%), Ca++:58.9mg(14.21mval%),
Cl-:589.9mg(80.21mval%), Br-:2.4mg, I-:0.9mg, HS-:0.2mg, HCO3-:227.2mg(17.93mval%),
H2SiO3:59.3mg, HBO2:11.8mg,
(平成31年1月4日)
長野県小諸市某所
小諸市民ならば24時間無料で利用可能(市民以外や業務用途は利用不可)
私の好み:評価対象外