温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

郡山市 ホテルシーアンドアイ郡山

2022年07月19日 | 福島県

(2021年10月訪問)
久しぶりにみちのくの温泉を取り上げましょう。今回は猛暑で火照った体をクールダウンするのにふさわしい温泉をご紹介します。
郡山市街の国道4号沿いに建つビジネスホテル「ホテルシーアンドアイ郡山」では、ビジネスホテルでは珍しく自家源泉を所有し、且つ日帰り入浴を受け付けています。


場所は郡山駅から南西へ1キロ半ほど離れたところにあり、駅から徒歩で15分ほどかかるものの、国道4号沿いにあるため、自動車での移動でしたら便利に利用できるかと思います。なお国道側に駐車場はありませんが、真裏にコインパーキングがありますので、そこを利用することが可能です(宿泊客の指定駐車場でもあります)。

玄関入って左手にある、一見するとホテルとは思えないほどとっても小さなフロントで日帰り入浴したい旨を話し、料金を支払うと、スタッフの方がお風呂までの行き方や利用方法など丁寧に説明してくださいました。なお料金に関して、通常は850円ですが、タオル持参だと500円でOKです。


お風呂は2階にあるのですが、2階は土足厳禁になっており、2階エレベーターホールの前に下足棚が設けられています。この下足棚は階段からだとちょっと遠回りになるので、1フロアだからと意地を張らず、フロントのスタッフさんの薦めに従い、素直にエレベーターを利用することをおすすめします(階段を上がった私は、ちょっと戸惑ってしまいました)。


エレベーターホールからロビーを見下ろす吹き抜けの脇の通路をグルっと回って奥の方へ進みます。なお脱衣室内にロッカーは無いので、浴室入口に設置された小さな貴重品用ロッカーを使うか、あるいはちょっと離れたところにある別室のロッカールームを使用することになります。

ビジネスホテルの所謂「大浴場」によくありがちな特徴として、「大」と銘打っておきながら、実際にはそれほどでも…という規模の造りが多かったりしますが、こちらもその典型であり、脱衣室はそれほど広くありません。というか正直なところ狭い感じが否めません。もっとも宿泊客しか利用しないことを前提として設計されているのでしょうから、当然と言えば当然なのかもしれませんね。とはいえ広くない空間にもかかわらず洗面台が2つあり、ドライヤーも用意されていたり、水分補給のための飲料水サービスもありますから、決して使い勝手が悪いわけではありません。

この脱衣室で着替えているときに、ちょっと気になる点がありました。脱衣室内の棚の一部を潰して蓋が取り付けられ、その中にサウナの操作盤などが設けられているのですが、奥から何やら音声が聞こえてくるではありませんか。しかも熱いのです。
どうやらこの奥にはサウナ利用客のテレビが収められているようです。限られた空間を工夫している努力の跡なのですね。


浴室もやはりビジネスホテルの「大浴場」らしく、実際にはそれほど大きくないのですが、上述のようにサウナが設けられており、このお風呂を利用するお客さんの多くはサウナに入って、眉間に皴を寄せながら玉のような汗をかいていらっしゃるようです。


上述のように設計時点では宿泊客のみの利用を想定しているはずなので洗い場は3つありませんが、これも致し方ありません。混雑時には譲り合って使いましょう。なお3ヶ所のうち1ヶ所はそこそこスペースが確保されているので使い勝手は良好です。また各ブースにはボディーソープ等の備え付けもあります。


浴槽は左右に分かれています。
左側の浴槽は4~5人サイズで、そこに張られているお湯は自家源泉の温泉を加温循環消毒しており、温泉成分の影響で全体的に黒ずんでいるのですが、それでも後述する右側のお湯よりは若干透明度が高いようです。また加温しているとはいえ、41℃前後に抑えられているため、じっくりと長く浸かっていられます。


一報、右側の浴槽には源泉かけ流しで且つ非加温のお湯が注がれています。お湯と言ってもその温度は30~31℃くらい。夏は気持ち良いでしょうけど、冬はちょっと冷たいかな。浴槽の大きさは(目測で)1.8m四方、おおよそ3人サイズです。加温浴槽は黒ずんでいましたが、非加温の方は金気の影響で湯船の周りなど赤く染まっています。


何やら賑やかな言葉が躍っている掲示の下に湯口が設けられており、非加温浴槽へ源泉のお湯が落とされていました。塩ビ管から出るそのお湯は、湯船より若干温かい感じがします。また湯船ではやや黄土色を呈しながら薄く濁っています。湯船に浸かると、意外にもツルスベ感が得られ、且つキシキシと引っ掛かる感触もしっかり伝わってきました。湯口のお湯を口に含んでみますと、甘塩味と金気味、しっかりとした芒硝味、ほのかな甘み、そして僅かなタマゴ風味が感じられます(タマゴ風味は感じる時と感じないときがあり)。郡山市内では多くの温泉が湧出していますが、その多くは食塩泉かアルカリ性単純温泉なので、このような金気が多いぬる湯はかなり異色の存在と言えるでしょう。

非加温源泉は約30℃ですから、水風呂が好きな方はもちろん、水風呂が苦手な方でも不快感なく入ることができるかと思います。猛暑でヘトヘトになったら、この爽快な非加温源泉かけながしの浴槽に入って心身をシャキッと蘇えらせましょう。とっても爽快です。


浴室とロッカールームの間には休憩室が設けられています。お風呂上がりにちょっとそこでひと休み。
室内にはソファーが置かれているほか・・・


出入口付近に流し台があって、飲泉所が設けられています。専用の水栓からタラっタラっと滴り落ちてくる程度で、かなり少量ずつなのでコップに溜まって飲めるまでに時間がかかりますが、ここへ来たからには是非飲んでみてください。なお郡山市内で保健所から認められた飲泉所はここが唯一なんだとか。


郡山療養温泉あさかの湯
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 30.5℃ pH7.9 183L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質1.798g/kg 成分総計1.798g/kg
Na+:536.8mg(59.05mval%), Ca++:36.9mg, Mg++:10.4mg, Fe++:0.5mg,
Cl-:440.6mg(47.57mval%), Br-:1.0mg, I-:0.3mg, HS-:0.1mg, SO4--:490.8mg(39.12mval%), HCO3-:198.4mg(12.45mval%),
H2SiO3:31.0mg, HBO2:41.0mg,
(平成29年12月14日)
かけ流し浴槽は加温加水循環消毒なし。
加温浴槽は加温循環消毒あり。

福島県郡山市堤下町12-7
024-927-1119
ホームページ

日帰り入浴11:00〜18:00
500円(タオル持参の場合)、850円(レンタルタオル類と浴衣セット付)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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