温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

温湯温泉 佐藤旅館 後編(お風呂)

2023年01月07日 | 宮城県
前回記事の続編です。


さて今度は温泉のお風呂へと参りましょう。
前回記事で紹介した小さな売店や自由に使える大広間の前を歩いてお風呂へと向かいます。大広間の先からお風呂までの間は建物が新しくなっており、真新しい緩やかなスロープを下った先がお風呂です。以前は混浴内湯だったためか、男湯の出入口は2つあり、脱衣室も二手に分かれていますが、浴室でつながっているので、どちらの脱衣室を利用しても同じお風呂に入れます。なお脱衣室と浴場は以前の建物のまま使われています。


男湯の暖簾の前で後ろを振り返ると、新しい洗面台が設けられていました。ここにはドライヤーが備え付けられており、明るくて使い勝手が良いので、私が宿泊中は、洗顔や歯磨きなどをここで済ませました。なお男湯入口の先にロッカーがあり、その更に奥が女湯です。


正面向こう側に積み上げられた岩が武骨なイメージを与える男湯の内部。なかなか広いお風呂です。古いお風呂をそのまま使っていますが、浴槽の縁は新しい木材に張り替えられていました。
浴槽の手前側はw字のような形状を描いており、左右幅や約9メートル、奥行き約5メートル、というかなり大きな浴槽です。15人は余裕で入れるのではないでしょうか。なお中程で半分に仕切られていますが、完全に分かれているわけではなく、湯面下2センチほどは仕切りがありません。それでも仕切りを挟んだ左右で湯加減に多少の差があり、湯尻に当たる右側の方が若干ぬるく感じられました。


洗い場では塀を挟んで2つのシャワーが向かい合うように並んでいます。


おそらく男湯と女湯を隔てていると思しき岩組みの壁から温泉が落とされており、その音は浴室中に木霊していました。言わずもがな循環や加水・加温などの無い掛け流しの湯使いです。ぬるゆという名前の割りには、源泉湧出温度が64.4℃もあり、上から落とされる温泉も直に触るのが躊躇われるほどの熱さがありました。
湯舟のお湯はほぼ無色透明ですが微かに褐色を帯びているように見えます。
温泉成分の析出がサンゴのように付着している湯口のお湯を口に含んでみますと、弱い塩味の他、ほのかにお煎餅を焦がしたような香ばしい匂いが鼻へ抜けていきました。湯船に浸かるとツルスベの滑らかで優しい浴感が肌に伝わってきます。実に良いお湯です。


営業を再開するにあたって、温泉利用許可を取り直したんですね。


以前は露天風呂にも入れましたが、現在は使われていないようでした。またかつて利用できた貸切風呂も現在は使用できません。


露天風呂のまわりは広いお庭のようになっていますから、私はお風呂上がりにこの庭をぐるっと回って、お風呂で火照った体をクールダウンさせつつ、当地の爽やかな空気を胸いっぱい吸い込んで、身も心も清浄化させました。

お食事佳し、お風呂も佳し。
名湯が復活するのが実に嬉しく喜ばしいことですね。
皆さんも機会があれば、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。


よしの湯
ナトリウム-塩化物温泉 64.4℃ pH7.5 溶存物質1248.8mg/kg 蒸発残留物1085mg/kg
Na+:358.2mg(87.48mval%), Ca++:33.5mg(9.38mval%),
Cl-:472.8mg(76.01mval%), SO4--:61.8mg(7.35mval%), HCO3-:171.3mg(16.01mval%),
H2SiO3:86.1mg, HBO2:49.0mg, CO2:30.8mg,
(令和2年1月30日)
加水・加温・循環なし
消毒あり(浴槽衛生管理のため塩素系薬剤を使用)

宮城県栗原市花山字本沢温湯8-1
0228-56-2251
ホームページ

日帰り入浴10:00~19:39 火曜・木曜定休(祝日は営業)
500円
宿泊利用については宿へお問い合わせください。

私の好み:★★★
コメント (4)
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