温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

新戸倉温泉 湯のさと ちくま 白鳥園

2023年05月16日 | 長野県

(2022年5月訪問)
私は戸倉上山田温泉が大好きなのですが、特に千曲川右岸の戸倉温泉(新戸倉温泉)には私好みの温泉浴場が点在しているため、これまで幾度も訪問しては当地のお湯を堪能してきました。しかし、なぜか1ヶ所だけ行きそびれていた施設があり、その施設が最近リニューアルしたとの情報を得ていたため、信州へ出かけた某日、その施設へ立ち寄ってみることにしました。まずは戸倉駅からコミュニティバスに乗車します。


一般的な路線バスと違って、役場や各種公共施設を次々に立ち寄ってゆくのがコミュニティバス。直線距離では大したことないのに、妙にあちこちグルグル回ってかなり遠回りしつつ、ようやく目的地の目の前にあるバス停へたどり着きました。下手すりゃ駅から歩いても所要時間は変わらなかったかも。


その目的地とは「白鳥園」です。千曲川右岸の土手下に建つコンクリ打ちっぱなしの真新しい現代的な建物で、館内には温泉浴場の他、福祉関係やスポーツ設備など各種の市民サービスが入っている公営の複合施設です。

以前は「ホテル白鳥園」でしたが、ホテル廃業後は建物をそのまま活かして公営の入浴施設「戸倉メリーランド白鳥園」として生まれ変わり、昭和の面影たっぷりな館内が一部のマニアから指示を受けていたようです。当時の建物や館内の「マンモス浴場」をご記憶の方もたくさんいらっしゃることでしょう。でもその独特な空気感や循環という湯使いのため私は訪問することが無く、2014年に一旦閉館されて昭和の建物は解体されました。
その後全面的に建て直されて、2015年10月に現在の形でリニューアルオープン。ネット情報によれば湯使いも良くなったらしいので、信州へ出かけた際に立ち寄ってみることにしました。

正面玄関から中に入って券売機で料金を支払い、受付の人に券を渡して2階へ上がります。なお下駄箱と脱衣室のロッカーでそれぞれ100円玉を使うので(リターン式)、予め100円玉を2枚用意しておくとよいでしょう。
            

2階には広々としたラウンジがあり、そこに浴場入口が面しています。暖簾の先に広がる脱衣室はとても綺麗で明るく、空調完備で、ロッカー(100円リターン式)もたくさん備え付けられており、洗面台も複数ありますから、使い勝手が大変良好です。


外観と同様に浴場内もコンクリ打ちっぱなしで、天井が高く採光も十分です。洗い場には計23個のシャワー付き混合水栓が取り付けられており、それぞれにミラーがあり、ボディーソープなどが備え付けられています。
内湯の浴槽は窓に面た明るい場所にあり、木材が採用されている手前側の縁は優しい曲線を描いています。ただ滑りやすいためか、訪問時には滑り止めのマットが被せられていました。

この主浴槽にお湯を注ぐ木の湯口からは当然ながら温泉が出ているのですが、チョロチョロ出たりしっかり出たりと、お湯の出具合に強弱があるのです。また熱い時やぬるい時など、温度も上下を繰り返しているのです。分析表によれば源泉の湧出温度は約35℃ですから、おそらく加温と非加温を交互に出しているのでしょう。非加温のぬるいお湯が出る時にはヌルヌル感を伴ながらほろ苦味とタマゴ風味を感じさせてくれるいかにも戸倉のお湯らしい特徴が出ているのですが、加温された熱いお湯の時には源泉が持つ本来の硫黄感は失われ、砂消しゴムみたいな劣化した薄い硫黄感になってしまうのが残念なところです。
ちなみに浴槽のお湯は窓側へ溢れ出ていますが、浴槽内で吸引が行われており、また湯口のみならず浴槽内でも熱いお湯が投入されていますから、かけ流しと循環の併用ではないかと思われます。


内湯の近くには掛け湯があります。こちらにも温泉のお湯が注がれており、やはり熱くなったりぬるくなったりを繰り返して、ぬるい時は源泉そのままの特徴がよく現れ、加温湯の時にはその特徴が飛んでしまっていました。
なお、内湯にはこれらの他にサウナや水風呂もありますので、温泉ファンのみならずサウナファンの方も満足できるでしょう。


内湯からつながる千曲川を望むテラスには露天風呂の浴槽が据えられています。コンクリ打ちっぱなしという設えなのせ少々無機質なのですが、川越しに対岸の上山田温泉や周囲の景色を眺めることができ、露天らしい広々とした開放感が楽しめました。
この露天風呂には丸い主浴槽の他、壺湯が3つ設けられています。主浴槽も3つの壺湯も、内湯の各浴槽と同じく熱くなったりぬるくなったりを繰り返しており、湯温に応じてお湯の特徴が変わるのも同様です。主浴槽は内湯同様にかけ流しと循環を併用した湯使いかと思われます(湯口の反対側に排水口があります)。一方、壺湯に関しては側面直下に排水溝があって、通常はそこへオーバーフローしているのですが、湯船に人が入って湯嵩が増えると、直下の排水溝だけでは排水が追い付かず、周囲の床にもお湯が流れ出ていました。

各浴槽ともかけ流しと循環を併用している他、おそらく塩素消毒も実施されているかと思います。とはいえ、そこそこのツルスベ浴感はあり、また非加温のお湯が出る時には戸倉らしい硫黄感が得られるので、お湯の質にこだわらなければ、明るく綺麗なお風呂で湯浴みを楽しむことができる利便性が高い施設ではないかと思います。


2階の奥には食堂がありますので、お風呂上がりにご当地名物の「おしぼりうどん」をいただきました。
うどん自体は業務用の冷凍のような気がしますが・・・


すりおろしの辛い大根や信州みそは本物でした。なかなかの美味でしたよ。

            
新戸倉温泉16号 白鳥園第一号源泉
アルカリ性単純温泉 34.9℃ pH8.8 湧出量表記無し(掘削動力揚湯)
Na+:110.4mg(87.75mval%), Ca++:11.2mg, 溶存物質0.422g/kg 成分総計0.422g/kg
Cl-:73.7mg(37.55mval%), OH-:0.1mg, HS-:0.9mg, SO44-:72.4mg, HCO3-:76.3mg(22.56mval%), CO3--:18.0mg,
H2SiO3:50.9mg,
(平成27年9月27日)
    
長野県千曲市大字戸倉2254
026-275-0400  
ホームページ

9:30〜21:00 休館日は公式サイトでご確認ください
600円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          
コメント (2)
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