前回記事の続きです。
内湯で寛いだ私は、続いて露天風呂へ向かうことにしました。
まずは男湯大浴場の斜め前から伸びる通路を進みます。
廊下の先には露天専用の玄関があり、一旦ここから屋外へ出ます。妙に立派な玄関ですが・・・
想像するにかつてはこちらが表玄関だったのかもしれません。看板に従って生垣に囲まれた先を目指し、木の扉を開けると・・・
露天風呂に辿り着きました。広い日本庭園風の設えで、市街地とは思えない開放感と落ち着きを兼ね備えた素敵な空間です。
なお露天風呂は一か所しかないため、時間によって男女を入れ替えています。
更衣小屋で浴衣を脱ぎます。小屋の前には網が用意されており、湯船に落ちた葉っぱなどを取り除くために使います。また、小屋の中には編み笠が備え付けられており、天気が芳しくない場合は、その傘を被って入浴するようです。なお私の訪問時は天候に恵まれたため、傘を使う機会はありませんでした。
こちらの露天風呂で目を惹くのがこの打たせ湯のような設備。頭上に細いホースが架けられ、下には腰掛と桶が置かれ、上のホースから熱い温泉がチョロチョロと落とされているのです。洗い場らしき設備はないので、その様子から察するに、おそらく洗い場の代わりとして使うべきものなのかもしれません。お湯をチョロチョロと絞って落としているのは、熱いお湯を冷ますための工夫なのでしょう。私は津々浦々のいろんな温泉施設を巡ってきましたが、このような設備は、初めて目にしたかも。
まるで庭園の池を思わせるような浴槽は大きな岩風呂で、一部は屋根掛けされています。内湯同様に湯守りの方がしっかり管理して下さっているお蔭で、湯加減が絶妙。実に素晴らしい。落ち着いた佇まいの中、大きなお風呂で適温のお湯に浸かりながら、思いっきり脚を伸ばして湯浴みを楽しむことができました。いつまでも浸かっていたくなり、部屋に戻るのが躊躇われたほどです。
岩積みの上から温泉が注がれており、その流路は白っぽく変色していました。お湯に含まれる硫酸塩の析出が現れているのですね。浴槽の容量に対して投入量が絞られているような印象を受けましたが、湯量を調整することで丁度良い湯加減にしているのでしょう。また湯口には循環湯用と思しき配管も来ていましたが、その配管からの吐出は見られませんでした。内湯は循環併用でしたが、露天風呂は掛け流しかそれに近い湯使いかと思われます。
前回記事で述べたように、こちらで使われているお湯は自家源泉。見た目は無色透明で、弱い芒硝感があり、石膏感はさほど印象に残っていません。ツルスベの中に少々に引っかかりが混在する浴感で、お湯に浸かった肌はしっとり滑らかになります。総じて飯坂温泉らしいお湯の特徴を有していますが、共同浴場に引かれているような混合泉(何種類かありますが)と比べて、温度が更に高く、それでいてフィーリングはややマイルド。絶妙な湯加減と相まって、いつまでも長く浸かっていたくなるような、なかなか良いお風呂でした。
なお館内にはこうした貸切の個室風呂もあるのですが、お宿の方に伺ったところ、大浴場や露天と同じ源泉を使っているとのことでしたので、今回は利用しませんでした。
建物こそ古いものの、工夫を凝らしてリーズナブルな宿泊料金を実現し、かつ温泉旅館としての矜持を示すべくお風呂に対して細めに心を配っている、コストパフォーマンスの高いお宿でした。二帰り入浴も積極的に受け入れているので、宿泊せずお風呂だけ立ち寄ってみるのも良いかもしれません。再出発をしてまだ数年のようですが、ぜひ今後とも頑張っていただきたいものです。
伊勢屋源泉
単純温泉 64.5℃ pH8.4 溶存物質0.9733g/kg 成分総計0.9733g/kg
Na+:261.4mg, Ca++:39.7mg,
F-:5.1mg, Cl-:124.5mg, SO4--:403.2mg, HCO3-:44.0mg,
H2SiO3:82.0mg,
(平成29年11月22日)
福島県福島市飯坂町西堀切22
024-542-3131
ホームページ
日帰り入浴7:00~12:00/500円、12:00~18:00/800円、18:00~23:00/1000円
シャンプー類・ドライヤーあり
内湯で寛いだ私は、続いて露天風呂へ向かうことにしました。
まずは男湯大浴場の斜め前から伸びる通路を進みます。
廊下の先には露天専用の玄関があり、一旦ここから屋外へ出ます。妙に立派な玄関ですが・・・
想像するにかつてはこちらが表玄関だったのかもしれません。看板に従って生垣に囲まれた先を目指し、木の扉を開けると・・・
露天風呂に辿り着きました。広い日本庭園風の設えで、市街地とは思えない開放感と落ち着きを兼ね備えた素敵な空間です。
なお露天風呂は一か所しかないため、時間によって男女を入れ替えています。
更衣小屋で浴衣を脱ぎます。小屋の前には網が用意されており、湯船に落ちた葉っぱなどを取り除くために使います。また、小屋の中には編み笠が備え付けられており、天気が芳しくない場合は、その傘を被って入浴するようです。なお私の訪問時は天候に恵まれたため、傘を使う機会はありませんでした。
こちらの露天風呂で目を惹くのがこの打たせ湯のような設備。頭上に細いホースが架けられ、下には腰掛と桶が置かれ、上のホースから熱い温泉がチョロチョロと落とされているのです。洗い場らしき設備はないので、その様子から察するに、おそらく洗い場の代わりとして使うべきものなのかもしれません。お湯をチョロチョロと絞って落としているのは、熱いお湯を冷ますための工夫なのでしょう。私は津々浦々のいろんな温泉施設を巡ってきましたが、このような設備は、初めて目にしたかも。
まるで庭園の池を思わせるような浴槽は大きな岩風呂で、一部は屋根掛けされています。内湯同様に湯守りの方がしっかり管理して下さっているお蔭で、湯加減が絶妙。実に素晴らしい。落ち着いた佇まいの中、大きなお風呂で適温のお湯に浸かりながら、思いっきり脚を伸ばして湯浴みを楽しむことができました。いつまでも浸かっていたくなり、部屋に戻るのが躊躇われたほどです。
岩積みの上から温泉が注がれており、その流路は白っぽく変色していました。お湯に含まれる硫酸塩の析出が現れているのですね。浴槽の容量に対して投入量が絞られているような印象を受けましたが、湯量を調整することで丁度良い湯加減にしているのでしょう。また湯口には循環湯用と思しき配管も来ていましたが、その配管からの吐出は見られませんでした。内湯は循環併用でしたが、露天風呂は掛け流しかそれに近い湯使いかと思われます。
前回記事で述べたように、こちらで使われているお湯は自家源泉。見た目は無色透明で、弱い芒硝感があり、石膏感はさほど印象に残っていません。ツルスベの中に少々に引っかかりが混在する浴感で、お湯に浸かった肌はしっとり滑らかになります。総じて飯坂温泉らしいお湯の特徴を有していますが、共同浴場に引かれているような混合泉(何種類かありますが)と比べて、温度が更に高く、それでいてフィーリングはややマイルド。絶妙な湯加減と相まって、いつまでも長く浸かっていたくなるような、なかなか良いお風呂でした。
なお館内にはこうした貸切の個室風呂もあるのですが、お宿の方に伺ったところ、大浴場や露天と同じ源泉を使っているとのことでしたので、今回は利用しませんでした。
建物こそ古いものの、工夫を凝らしてリーズナブルな宿泊料金を実現し、かつ温泉旅館としての矜持を示すべくお風呂に対して細めに心を配っている、コストパフォーマンスの高いお宿でした。二帰り入浴も積極的に受け入れているので、宿泊せずお風呂だけ立ち寄ってみるのも良いかもしれません。再出発をしてまだ数年のようですが、ぜひ今後とも頑張っていただきたいものです。
伊勢屋源泉
単純温泉 64.5℃ pH8.4 溶存物質0.9733g/kg 成分総計0.9733g/kg
Na+:261.4mg, Ca++:39.7mg,
F-:5.1mg, Cl-:124.5mg, SO4--:403.2mg, HCO3-:44.0mg,
H2SiO3:82.0mg,
(平成29年11月22日)
福島県福島市飯坂町西堀切22
024-542-3131
ホームページ
日帰り入浴7:00~12:00/500円、12:00~18:00/800円、18:00~23:00/1000円
シャンプー類・ドライヤーあり