ヒメアカタテハ(タテハチョウ科)Cynthia cardui(Linnaeus,1758)
雄:前翅長26㎜。関東地方南部以南に土着。以北では迷蝶として記録される。北海道では毎年秋になると迷蝶として記録され、ゴボウ畑で幼虫も見つかる。多化性、年4~5回、関東地方では5月頃から12月上旬に発生し、秋に多くなる。関東地方での越冬態は非休眠の幼虫。低地の堤防、耕作地周辺などの開けた場所で見られ、雄は樹上で見張り型占有行動をする。地域や季節によっては個体数は多い。移動性が強く、発生地から離れた高山草原でも見られ、敏速にタテハチョウ独特のはばたきと滑空で飛ぶ。訪花し、ときに腐果で吸汁、また吸水もする。食草はキク科のハハコグサ、ヨモギ、栽培植物のゴボウ、シュンギクなど。大型ヒョウモン類やミドリシジミ類のように、雄の複眼は雌より大きい。[PHP研究所発行「カラー・ハンドブック 地球博物館 蝶」より]