ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

世界遺産

2008年09月26日 | Weblog


昨日の「ピンクフロイド」のベストアルバムだが、調度
T君が来たので、返すついでにその購入理由を聞いて
みた。
それは、単に安く売ってたからということだった。
大した理由ではなかった。
それだけのことか、とやや肩透かしを食らった気分で
ある。
ちょっと聴かせてもらったが、やはり、「WISH YOU 
WERE HERE」から後の曲は、影がなくなり、ちょっと
ロックオペラ調な曲も多く、要するに一般受けしそう
なものが多くあまり好きではない。
「ピンクフロイド」は暗くなくては。
「THE DARK SIDE OF THE MOON」がそれを象徴
している。

話は大きく変わって「世界遺産」。
「平泉」が落選して落胆、などというニュースを何度
か耳にしたが、この風景はオリンピック候補地の落選
の風景と重なる。
つまり、この落胆の意味が共通するように感じるのだ。
要するに、一儲けしようとした連中の当てが外れたこ
とによる落胆、と見えるのだ。
オリンピックなどは、かなり直接的だから説明する必
要もないが、「世界遺産」の場合も結局は同じことで
ある。
登録されればどっと観光客が訪れるから。
「石見銀山」も三倍とかすごいことになっているらし
い。
市の観光課としては、まさに切り札的なものだから、
「NHK大河ドラマの舞台」などという一過性の効果
しかないものとは比べ物にならないくらい力は入る。
観光業者ももちろん一緒に。
力が入る分落胆も大きいということである。

「世界遺産」に登録されることによって、ますます観
光地化し、本来あった風情もなくなり、土産物屋に「世
界遺産饅頭」が並ぶ光景というのは、全く魅力がない
と思うが、多くの観光客というのは、基本的に物見遊
山であるので、そんなことは関係なく、重要なのはた
だ「世界遺産」という名前があることである。
こういう状況がある限り、世界遺産に対する過度な欲
求はなくならない。

で、「石見銀山」がどうなったかというと、ここがちょ
っと他の観光地と違って見直したのだが、車を規制し
て歩いて行くようにしたらしい。
それは、本来の姿、つまりそこに暮らしている生活者
を中心に考えた決定だったのだ。
観光客のことを考えれば、車で銀山のところまで行け
るようにしたほうが良いに決まっている。
しかし、道は渋滞、排気ガスはひどく沿線の住人は大
迷惑。
こういうケースだと、大体は観光業者の声によって住
人が割を食うのだが、ここは違った。
多分、力を持った業者がいなかったのが幸いしたのと、
元々が昔の街並みを保つ文化を持った生活があったか
らだと思う。
要するに、とってつけたような「日光江戸村」ではな
かったということである。
ユネスコが、そういう部分を見て選考理由にしている
としたら、かなりの目利きであるということだ。
果たして、「平泉」はそういうことが分かっているの
だろうか。

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