ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

マクロビオテック

2008年10月02日 | 食べ物


元フランス料理、現マクロビオテックレストランの、中
ちゃんの店(ル.ムートンブラン)に行く。
完全無農薬の自分の田圃の稲刈りはまだなようで、大
変そうと言うと、東京から助っ人が来るから大丈夫で
あるということであった。
自然農法に興味のある人は、確実に増えてはいるよう
だ。
ただ、皮肉なことに、そういうものに関心があるのは
都会の人間で、実際に農業に関わっている田舎の人間
は、その大変さを知っているのと、楽な方法に慣れて
しまったゆえ、なかなかその気にはならない。
こちらとしては、その田圃の、新たなゲンゴロウでも
貰えれば良い、という中ちゃんにとってはどうでもい
いような理由で応援したい。

この前来たときに盛んに勧めていた、「生麩のかつ」を
今回は注文した。
大豆蛋白をカツレツにしたものである。
スープ付であるが、それは「豆乳ととうもろこしのスー
プ」であった。
大豆の香りととうもろこしの甘味が強く、旨味充分で
味のあるスープだった。
想像しがちな、薄味の旨味もないスープではなく、しっ
かりした主張のある味だ。
こういうところが、流石にフランス料理をやっていた
だけのことはある、と感じる点である。
思想先行のありがちな店とは一線を画すところであろ
う。

そしてメインの「かつ」であるが、りんごソースの、フラン
ス料理で言えば、「エスカロップ」という子牛なんかで
よくある薄切り肉の料理のイメージだ。
或いは、昔懐かしい「ハムかつ」か。
お皿に、いくつかの野菜が添えられ、見た目はフラン
ス料理のようにきれいに盛られているが、野菜は漬物
であったり、胡麻和えであったり和食のそれだ。
そしてライスは、自家製の古代米。
赤米とかその手のやつになるのだろうか。
当然、粘りとかはなく、白米と比べれば美味いという
ものではないが、その分、体のためという情報が埋め
合わせしてくれる、のか?
はっきり言って、この「かつ」も結構美味い。
スープと同じく、しっかり旨味を感じる。
それぞれの野菜も、元々フレンチの頃から美味かった
が、こういう料理になれば尚更。
「かつ」のりんごソースも合ってるし。

嘗てのフランス料理は、本格化すればするほど支持す
る人はいなくなったが、こういう料理だったら、年寄
りは全く抵抗ないし、むしろ好みだろうし、健康志向
の若い主婦にはぴったりだろうし、時代の流れにはあっ
ている。
東京あたりだったら、自然食カフェの人気メニューに
もなりうるもので、ある意味、時代の最先端の料理と
言っても良いかも知れない(褒めすぎか)。
しかし、店の雰囲気はちょっと違う。
この辺が、もう少し何とかならないかと思う点である。
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