「更級」に行くと、今までは無かったBGMが。
とうとう主人はCDコンポを買ったのだった。
この前そんな話をしたことはしたが、それにしても素
早い。
買ったコンポが、これまた安く、流石ドンキホーテと
いう代物だ。
こだわりの人間だと、JBLだBOSEだということになる
が、そこはそれ音さえ出ればということで、安ければ
安いほどいいということになる。
実際音は、ここで聴く分には全く問題ない。
しかし、この値段でちゃんと音楽が聴けるんだからた
まんない。
問題は耐久性か。
最近は、「蕎麦屋にジャズ」というのが定番になりつ
つある。
特に、新たに始める脱サラ組の蕎麦専門店にその傾向
が見られる。
理由は明らかだ。
まず彼らの年代、五十代前後の人間で趣味で蕎麦を打
とうと思うのは、元々いろんなものに拘る人間で、大
体趣味としてのオーディオをある時期経験している。
彼らの若いときは、ロック全盛であるのだが、蕎麦に
没頭する人間は、どこか求道的な精神構造を持ってい
る。
そういう人間が好む音楽は、ロックよりはジャズなの
である。
ジャズプレーヤーもどこか求道的なので、同調しやす
いのだ。
それにジャズは、歳を取れば取るほど身に染みるとい
うのがあるので、益々体質と一体化する。
しかも、BGMとしてもロックと違い邪魔にならない。
昔、喫茶店でバイトしてる時、BGMとしてキングクリム
ゾンばかりかけていたら、えらい顰蹙であった。
あそこは変な音楽ばかりかけると噂になったくらいだ。
確かに「太陽と戦慄」はBGMにはなり得ない。
明日なき暴走であった。
ということで、BGMにも良いし、自分のお気に入りだし、
蕎麦専門店のこだわりを表現する演出にもなりと、「蕎
麦屋にジャズ」というのは定着してきたのである。
「更級」の場合は、そういう脱サラ組でもなく老舗なの
で、今更自己表現の演出はいらないのだが、BGMもあっ
た方がいいということで導入と相成った。
暫くは、唯一のCDオスカー.ピーターソンが何度も活
躍することだろう。
結局、周りの状況の変化で、50年代60年代のジャズが一
番合うような気がするからよくしたものである。