ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【写】三段滝公園(芦別)

2009年02月01日 22時01分57秒 | 撮影記録2008
●三段滝公園(芦別) 撮影日 2008.9.20(土) [Yahoo!地図]

・三段滝公園の駐車場にある案内板。こちらは芦別から桂沢湖に抜ける道路の途中の山奥にある観光名所です。

・この日は何かのイベントがあったらしく駐車場脇に食べ物を売るテントが設置されていました。
 
・まずは滝とは逆方向に向かってみると、川に橋がかかっていました。
 
・橋からの上流の眺め。
 
・下流の眺め。川底は砂や石ころではなく巨大な岩盤になっています。

・改めて滝の方へ引き返す。
 
・駐車場そばのあずま屋からの眺め。洗濯板のような岩がむき出しに。
 
・三段滝案内板。
 
・川へ向かって小道を徒歩で100mほど降りる。
 
・その先にはあずま屋と展望スペースが。足下は板状の岩。
 
・三段滝。昔にも来たことがあるような気がしていたが、想像していた滝とは違うものでした。どこか別な滝と勘違いしているらしい。
 
・あまり大きい滝ではありません。もしかして水量の少ない時期なのかも。
 
・滝のアップ。
 
・下流側の眺め。

・岩のアップ。

・滝の全景。

・帰り道。着いた時にゴミ拾いのボランティアの一団がいたくらいで、他の見物客の姿はありませんでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【本】ナインティーズ

2009年02月01日 08時02分32秒 | 読書記録2009
ナインティーズ, 橋本治, 河出文庫 は-1-16, 1994年
・筆者の徒然なる独り言。雑誌連載のコラムをまとめたもの。話題はイマドキの世評から始まり、政治、歴史、それを通して見た日本人論など多岐にわたる。独特の語り口調が読みづらく辟易しますが、途中から慣れるせいか、または多少口調を改めているせいか気にならなくなります。後半に入り湾岸戦争などを題材とした歴史の "流れ" の話になると、俄然面白さが増します。大学のゼミに使えるのでは思えるほどの内容の濃さ。単なる日付と出来事のペアの羅列ではなく、それらをうまく組み立て "流れ" を作ることでここまで面白くなるものかと意外な思いです。これまで未知だった "歴史の面白さ" の一端に触れることができました。
・著者紹介写真のあまりの "とっちゃん坊や" ぶりに思わず目がくぎ付けに。
・「なんにも情報のないまっさらな状態で、自分の目で見て「あ、これおもしろいよな」って発見できるノリの人間はかなり自由な人間だよね。直感ていうのはそういうもんなんだけど、"感性" っていう言葉がはやり言葉になって以来、そういう人間が逆に少なくなったと思う。」p.13
・「松田聖子ってさ、「男を知った処女の娼婦」だと思う。松本隆の作ったコンセプトは、そうだと思う。男はそういうものを必要として、その「完璧なる矛盾」を松田聖子は演じてスターになったんだ。」p.17
・「で、松任谷由実は、"女の立場で作られた松田聖子" でしょうね。「存在しなかった青春」という処女性を守るために、心ならずも女は "現実" という娼婦性を獲得しなきゃならないという。」p.18
・「人間には覚醒剤を必要とするタイプと麻酔薬を必要とするタイプと二種類あると思うんだけど、私は前者ですね。だからタバコ吸ってるんだと思う。無理して理性的なことやってるから、タバコでバランスを取るしかないとか。」p.22
・「ハリウッドの全盛期に、日本の若きマンガ家達はその映画を観て、「これをマンガでやろう」ってことになったから、日本のストーリー・マンガは進化したんだ。日本の映画界は貧乏で、ああいう豪華なものが取り込めなかった。それを日本じゃマンガがやってしまった。日本映画の貧乏がストーリー・マンガの発展をうながしたっていっても過言じゃないね。」p.31
・「だから、男の文化がつまんないっていうのは、男は洗濯しないからだと思うね。自分でしないで女に任せて、生活のアカまみれになった女は、「めんどくさくてうっとうしくてしようがない」って、平気で乾燥機にブチ込んで「トレンディー」にしちゃう。」p.59
・「「日本人には哲学がない」ということがよく言われますが、でも、実際はそんなことはありません。日本人は抽象思考が苦手ですが、でも実用となると強い生き物です。だから、日本人の哲学は、みんな "実用" がバックにあります。」p.79
・「『90's』という本の存在理由はそうですが、その言っておかなければならない一言とは、これです。  「僕達って、まだ "じゃどうするかな" の発想に全然慣れてないね」――これだけ。」p.82
・「自民党の演説がわかりやすいことには、ちゃんと理由があるんだ。中身なんか分かんなくても、要所要所で聞き手がきちんとうなずけなきゃいけないから、分かんなくてもうなずけるように出来てんのね。だって自民党の支持者には、「自分達でなんとかしよう」って発想はないもの。「自分達でなんとかしよう」と思ったら、その瞬間自民党以外のところに票を入れるっていうのが、自民党支持者の発想だもん。」p.91
・「都市は「ふるさと」という母屋の管理下にある離れで、労働者というものはその離れの中で更に管理される、二重の離れの住人です。母屋の利益を守るようにしてその母屋を搾取するのが、自民党的都市生活者なら、大家に権利の要求をする離れの借家人が、社会党的革新です。」p.104
・「日本ですごいのは、最大の支持者を持つ政党が「支持政党なし」で表されるものだからですね。」p.105
・「日本人の圧倒的多数は「何者でもない」んですね。だからこそ、なんの主張もなくなんの代表も持たず、「なんとかなるんじゃないの」と言って、一切を浪費に委ねてる。自分達がなんだか分からないまんま、「自分達の代表を立てよう、政党を作ろう」という発想を持てないまんまでいるのは、情けないと思うな。」p.110
・「うっかりみんなファシズムってことを錯覚してるんだけど、ファシズムって、基本的には全員平等ですよ。全員平等の中に、例外として "リーダーとしての独裁者=絶対者" がいるんだから、その一人を除けば、他の人間は全員平等なんだもの。」p.111
・「自民党の親たちは、自分の息子に後継がせたいんだったら、「別の政党作ってやれな」ってことを言うべきだね。」p.116
・「日本がなぜ「うちは派兵出来ません、軍隊ありません」と言えないのかというと、自分たちもやっぱり「交戦権を放棄した自衛隊を持つ」っていうことが分からないからでしょ。自分達がすごく抽象的な前提に乗っているのを理解できてないんだね。アメリカとソビエトの冷戦が終わって、軍備が意味をなさなくなって、本当は世界の方向は日本に近づいて来ている、遂にこの前提が意味を持とうとしているのにさ。憲法に明示されてる自分達の前提が理解出来ないでいるからさ、国連平和協力法案なんて、珍妙なものを出すんだ。」p.124
・「個人のつき合いだって、はっきりしないやつは一番嫌われる。日本て、自分のことは一言も言わずに、ああだこうだと流されてるだけだよ。自分じゃみんなに合わせてるつもりで、他人からは「自主性のないヘンなやつ」に見られてんのね。」p.126
・「"アイデンティティー" というのは、「自分の前提を他人に説明出来ていること」で、「いつでも "自分" なるものの前提を他人に説明出来るようになっていること」ですね。  「自分が分からない……」になると、すぐに「アイデンティティー不明」という不精に逃げ込むけど、そんなもん、単にまだ未熟で説明能力がないだけなのかもしれない。」p.133
・「「日本は軍事支出によって自衛力は持つが、しかし軍隊に必須の交戦権は持たない」――この日本の前提が、日本以外の軍隊を持つ国の常識とは長い間食い違って矛盾していたことが、この不毛な論争を不毛のまま終わらせていた最大の原因ですが、どうやら世界の情勢はこの食い違いをなくすような方向に動き出してしまった。」p.137
・「"自分探し" っていうのは、正確には "失われた自分探し" ですけど、じゃそんなこと言うんだったら、まるでかつては探すに値する "確固とした自分" があったみたいじゃないですか。「ホントかよ?」って思いますね。単なる "現実逃避" や安易な "退行現象" に "自分探し" なんていう高級なレッテル貼らない方がいいと思う。」p.142
・「天皇のことを英語で "エンペラー=皇帝" って呼びますけど、これは明治になって出来た大日本帝国の天皇に限ってふさわしいことで、日本の天皇というのは "ローマ教皇" と同じものです。」p.149
・「日本人が欧米人と論争したらだいたい負けますね。なぜかっていうと、日本人よりも欧米人の方が数倍も "自分" というものがしっかりしていて、ちっとやそっとのところじゃ引かないからですね。なんでそうなるのかっていうと、簡単ですよね。「"親" があまりにもしっかりとしすぎていて、子供がその "親" から離れて独り立ちをするのがとても大変だったから――だから子供は十分な力を蓄えてしっかりせざるをえなかった」と。」p.156
・「「"日本の宗教改革" はいつあったのか?」というのは、存外簡単な問題です。カルヴァン・ルターの宗教改革に対応するのは鎌倉仏教、ヘンリー八世の宗教改革に対応するのが織田信長から徳川家康へと続く宗教改革である、というようなもんでしょう。」p.164
・「他人に対して最大級の罵倒を浴びせる時に「我々の守護者たる神に対立するもの!」という表現を使わないでいるのは、宗教を前提とする文化から見たらとってもへんなことで、そういうことをするのは、多分、世界で日本人だけなんじゃないかと思います。」p.168
・「アメリカ人は「Son of a bitch!」というのをよく使いますけど、これは「牝犬の息子!」ですね。なんでこれが「牝犬(bitch)」なのかというとよく分かんないみたいだけど、私はこの牝犬(めすいぬ)が魔女(ウイッチ)なんじゃないかと思う。「魔女の息子」というのがあまりにも恐ろしい表現だから「牝犬の息子」になった。ひょっとしたらそもそも「bitch」は「witch」の化身なんじゃないかとか、そんな風に思うんですね。」p.168
・「日本人にとって "人間" とは "社会的な関係の中にあるもの" で、「Fuck you!」「Son of a bitch!」のアメリカ人にとっては、"人間" とはあくまでも "個なる肉体に宿るもの" なんですね。」p.170
・「大雑把な言い方で怒られるかもしれないけど、その方が分かりやすいので言います。イスラム=アラブというのは、ユダヤ・キリスト教に対してコンプレックスを持って生れて来る後発の一神教――ヘタをすれば "異端のキリスト教" と見られかねなかった、当時の新興宗教なんですね。」p.190
・「ユダヤは部族社会で、だからしたがって戒律を重んじる家父長社会で、その "戒律" に象徴されるものから自由になりたがった青年は、一つの宗教を作ってしまった。キリスト教は、そういう出自を持つ宗教ですね。」p.209
・「現在の日本はやっぱりまだファシズムの中で、この日本的ファシズムの最大特徴は「どこにも指導的独裁者がいない」ということ。」p.213
・「第一次世界大戦・第二次世界大戦というものが一体なんだったのかと言うと、あれは "ヨーロッパの国境線確定に関する争い" です。」p.221
・「近代化というのは、その優等生であるイギリスを見れば分かることですが、まず "宗教の征服"、次に "統一国家としての国力の充実"、そして最後に "産業革命の達成" と、この三つのハードルを越えなければ達成できないものです。」p.226
・「というわけで、「近代化の立ち遅れがファシズムを生む」というのがどういうことかを分かりやすく言うと、「悪徳商人に騙される田舎のオッサンはたやすく逆上する」になるんだということが、よくお分かりいただけたと思います。」p.229
・「その結果日本には、"自由な発想をする人間" はゴマンと生れたけれども、"個としての自覚を持った人間" は生れずにすんだ。宗教を征服して、しかしそのくせ民主主義や個人主義にはピンと来ない人間というのは、きっと日本人だけですよ。」p.242
・「「教会に代表される宗教勢力が現実の生活に介入するのをストップさせる」というのが、普通に言われる "宗教改革" です。」p.245
・「"宗教の征服=社会主義国家の建設→統一国家としての国力の充実→産業革命の達成" でやって来たはずの "近代化" がうまく行かなくなって、硬直した官僚主義は "問答無用の我々主義=ファシズム" の壁にぶち当たることになってしまった。」p.250
・「たとえば、今や日本人は結構金持ちになってしまったので、貧乏な人を見ると、平気で無関心です。(中略)浮浪者の増減には、絶対に「その存在を気にかける人」というものがからんでいます。だって、頭の毛をベトベトにして地下街に寝転んでいる人が「俺、働きたいんだけど」と言って、いきなりどっかから拾った求人雑誌を手にしてやって来たとして、「ああ、そうですか」と言って雇う人間はそうそういません。「人手不足」と言われるご時勢であっても、それはいません。(中略)つまり、「なんとかして減らさないと……、あの人達は気の毒だ」と思う人間がいない限り、浮浪者の数は減らないんですね。」p.251
・「世界には、二種類の人間がいる。「"個" としての自覚を持った近代人」と「"自分" がなくて、ただ "自分達" という集団の中に留まっている前近代人」と。この二種類は簡単に対立しうる。」p.255
・「多分、「アラブだって、"なんにもない砂漠の地" が "黒い黄金の湧く場所" に変わって、立派にアメリカと戦争が出来るようになったんだ」は不穏当な発言でしょう。でもそれでいいんです。今度の湾岸戦争なんて、「不当にバカにされた工業高校と、東大出の文部官僚の全面戦争」みたいなもんなんですから。文部官僚が叩きのめされないと、日本の教育は変わりません。」p.267
・「俺の唯一最大のテーゼは、「アホは自滅しろ!」ってことだけだから。」p.270
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする