紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

「岳」 石塚真一・著

2009-06-16 17:57:54 | 13・本・映画・演劇・音楽など
もうだいぶ前のことになるが、「岳」というマンガ全9巻を、娘からプレゼントしてもらった。
母の日とか誕生日には、山道具をもらうことが多いのだけど、今年は「岳」。

島崎三歩という若い男性が主人公のマンガである。
長野県、北アルプスで、遭難対策協会、略して遭対協の活動をボランティアでしている。

山が好きで、山にくる人が大好きな三歩。北アルプスを縦横無尽に駆け回って人助けをしている。

私は去年の夏、同行者が滑落事故にあった時に、初めてそういう人たちの存在を知った。

その時は、ヘリコプターが、事故当日飛べるかどうかわからないので、針ノ木小屋にいた遭対協の人が、現場まで駆けつけてくれた。
駆けつけると一言でいっても、急登あり、岩場の下りありで、私たちが7時間くらいかけて、到達した所だ。そこを3時間強でやってきた。
もしヘリコプターが飛べなかった時には、その場で夜泊まる(ビバーク)できるよう指導をしてくれたということだった。

そんなこともあったので、一つ一つの話しが身につまされた。
そして、ヘリコプターが来るのを、祈るような気持ちで待っていた時のことが思い出された。
雨が降り、夕暮れが近づいてきている中、飛んできてくれたヘリコプターの操縦士。
一人の命を救うために、陸からと空からと、全力を尽くしてくれる人達がいるのを知ったのだった。