紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

沢木耕太郎さんの新作

2013-10-10 17:43:40 | 13・本・映画・演劇・音楽など
昨日の朝刊を読んで、ちょっと、というか、かなりビックリした。
沢木耕太郎さんが、藤圭子さんへのインタビューで構成した長編ノンフィクション「流星ひとつ」を急遽出版することになったという記事がのっていた。



藤圭子さんが、私と同じ年齢だったというのは、今夏亡くなった時に知った。
この夏は、私たち同世代の人が集まると、その話題が出ることが多く、たいていの人は、藤圭子さんは自分たちより年上じゃないかと思っていた。
私たちがワーキャー騒いで、青春まっただ中にいた頃、藤圭子さんは、あの有名な「15,16,17と私の人生暗かった・・」という歌を歌っていたわけだ。
またその話しをした時に意外だったのは、同世代男性は、藤圭子さんの熱烈なファンだったというのだ。
青春まっただ中の頃、私は演歌というのは、自分とはあまりにかけ離れた世界だと思っていた。
今は、この歳になると、けっこう演歌もいいと思うのだけど。

沢木さんのノンフィクションは、すごく好きで、映画評も好きだというのは、何度かこのブログにも書いたことがある。
でも、沢木さんの取材は長くかかるのは有名な話しで、今回はずいぶん早いと思ったけど、その理由は、34年も前にこの原稿を書いていたからである。
藤圭子さん29歳、沢木耕太郎さんが34歳の時に、1年かけてインタビューをしたという。
その後、原稿はできあがったのに、出版をしなかったのは、引退する藤圭子を利用しただけではないかと思って、とりやめたという。

私も本を書いているので、一冊の本を書き上げるまでに、どれほどエネルギーと時間を注ぐか、少しはわかる。
それでもボツになることがあって、立ち直るのに時間がかかるが、ボツにもならないのに、自分でとりやめるって、すごいプロとしかいいようがない。
というか、沢木耕太郎さんのような人でも、ただ書いて、出版を見送る原稿があるんだと知って、それにはとても驚いた。

けれど、34年ぶりにその原稿は日の目を見る。
いったい、どんな風に34年前の藤圭子さんが、沢木耕太郎さん自身が、描かれているのだろう。




6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そう、そう、そういうこと (久我山散人)
2013-10-10 20:43:38
筆力
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散人さんへ (紅蓮)
2013-10-10 21:24:58
そうそう。沢木耕太郎さんのノンフィクションには、筆力を感じますね。
小説だと、なんというか、これを書くのは沢木さんじゃなくてもいいのじゃないの、と思ってしまいます。
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Unknown (Kさん)
2013-10-11 02:20:37
沢木さんの出版の事、初めて知りました。私も沢木さんの本が大好きです。帰ったら、読みたいです。今レイキャビックのカフェで、三輪さんのブログを見たところです。ひろみさんは、大好きなスィーツに夢中になって取り組ん、オーロラを見ました。また、Skypeします。

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Kさんへ (紅蓮)
2013-10-11 03:20:41
ネット環境は整っているのね。
アイスランド寒そうだね。けっこう雪つもっているのにビックリ。
オーロラを見たなんて、うらやましい。いつか1度は見てみたいものです。
気をつけて、楽しい旅を!
パリにもどったら、くれぐれもスリに気をつけて。
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見ました (さと)
2013-10-11 22:30:33
この記事私も新聞で読みました。
出版されたらこのノンフィクションを読んでみたいとも思いましたね。
藤圭子さんは今見ても本当に綺麗だけど不思議な哀愁もあり男性は惹かれた人も多かったのではないかと思います。
歌も独特でうまいしね。
ただ長い間精神を病んでいたというのは余りにも悲しすぎますね。。。
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さとさんへ (紅蓮)
2013-10-12 08:22:54
私も読んでみたいと思いました。それにしても、なぜ34年間も出版しなかったのか、それが不思議でしかたありません。
藤圭子さんは、さっさと引退して、歌を歌うことには未練はなかったのか、それとも病気で歌うことができなくなったのか・・。鎧をまとっているような印象ですよね。
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