経済なんでも研究会

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雇用と賃金は 曲がり角に

2017-04-04 07:41:04 | 賃金
◇ 賃金上昇か人手不足不況か = 総務省は先週31日、2月の労働力調査を発表した。それによると、雇用者数は前年同月より48万人増えて5754万人に。これで50か月連続の増加となった。一方、失業者数は前年より25万人減って188万人。こちらは81か月連続で減少している。この結果、完全失業率は2.8%で、22年ぶりの低水準を記録した。雇用者の増加も失業者の減少も、そろそろ限界に近付いている。  

総務省は同じ日、2月の家計調査も発表した。それによると、2人以上世帯の実質消費支出は平均26万0644円。前年を3.6%下回った。そのうち勤労者世帯の実収入は48万4038円で、前年より1.1%増加した。収入の伸びは鈍く、支出が低調な傾向は依然として続いている。安倍首相が願望する“経済の好循環”は、始まる気配が見えない。

こうした状況のなかで、世の中では大きな変化が起き始めている。人手不足に悩むヤマト運輸は扱う荷物の総量を抑えると同時に、大口顧客との間で値上げ交渉を始める方針。大型小売店や飲食チェーン店でも、深夜営業を止める動きが相次いでいる。労働力人口の減少が進み、それだけ人手不足が深刻化してきたことを物語っている。

さらに人手を集めようとすれば、今後は大幅な賃金の引き上げが必要になってくるだろう。そうなれば“好循環”が始まるかもしれない。だが企業が大幅な賃金上昇を許容するかどうか。許容せずに業態の縮小を選ぶ企業が多くなれば、景気は後退する危険性が高くなる。雇用と賃金の問題は、間もなく曲がり角を迎える。

      ≪3日の日経平均 = 上げ +73.97円≫

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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