◇ 複雑・困難な離脱交渉が始まる = イギリス政府は3月29日、EUに対して「完全に離脱する」と正式に通告した。これによりイギリスは2年後の19年春、完全な形でEUを離脱することが確定した。間もなく離脱に伴う広範な問題の処理と、離脱後の新たな貿易協定をめぐる複雑で困難な交渉が始まる。だが、その行く末はいまのところ全く見通せない。
EUはその基本理念に「ヒト、モノ、サービス、カネの自由な移動」を掲げている。イギリスは国民投票で移民の流入を規制することになったが、これはEUの「ヒトの自由な移動」に違反する。このためイギリスはEUを脱退することになった。だが脱退すれば「モノ、サービス、カネの自由な移動」も失う。モノの輸出入には関税がかかるし、金融の自由な活動もEU内では出来なくなる。
イギリスのメイ首相は、交渉で「モノ、サービス、カネ」の自由度をなるべく多く獲得したい考え。だがドイツのメルケル首相は「いいとこどりは許さない」と、早くも女性首相同士の火花が。EU側としては、イギリスに甘い姿勢を示せば他の加盟国からも離脱を望む声が上がるかもしれない。だから強硬な姿勢は崩せないわけだ。
交渉は難航が必至だとみられている。それに時間がかかる。離脱に伴う問題だけでも、EUに住むイギリス人とイギリスで働くEU諸国民の待遇。企業の処遇。税制から各種の免許など、数限りない。さらに新しいFTA(自由貿易協定)がまとまるまでには、何年かかるか判らない。協定が出来なくても19年春には離脱しなければならないが、そのときには何らかの暫定協定が結べるのか。いまは判らないことばかりである。
(続きは明日)
≪4日の日経平均 = 下げ -172.98円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
EUはその基本理念に「ヒト、モノ、サービス、カネの自由な移動」を掲げている。イギリスは国民投票で移民の流入を規制することになったが、これはEUの「ヒトの自由な移動」に違反する。このためイギリスはEUを脱退することになった。だが脱退すれば「モノ、サービス、カネの自由な移動」も失う。モノの輸出入には関税がかかるし、金融の自由な活動もEU内では出来なくなる。
イギリスのメイ首相は、交渉で「モノ、サービス、カネ」の自由度をなるべく多く獲得したい考え。だがドイツのメルケル首相は「いいとこどりは許さない」と、早くも女性首相同士の火花が。EU側としては、イギリスに甘い姿勢を示せば他の加盟国からも離脱を望む声が上がるかもしれない。だから強硬な姿勢は崩せないわけだ。
交渉は難航が必至だとみられている。それに時間がかかる。離脱に伴う問題だけでも、EUに住むイギリス人とイギリスで働くEU諸国民の待遇。企業の処遇。税制から各種の免許など、数限りない。さらに新しいFTA(自由貿易協定)がまとまるまでには、何年かかるか判らない。協定が出来なくても19年春には離脱しなければならないが、そのときには何らかの暫定協定が結べるのか。いまは判らないことばかりである。
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