◇ 全体として足踏み状態 = 景況感が湧かない最大の理由は、経済の拡大テンポが遅すぎることにある。たとえば“いざなぎ景気”のときは、毎年10%を超えるスピードで経済が拡大した。だが今回は年平均の成長率が1%にも満たない。リニア・モーター・カーと自転車ぐらいの違いがある。これでは景況感どころではない。
さらに経済の各部門で、陽の当たるところと当たらないところが明瞭に分かれている。これも現在の景気動向の特徴だ。たとえばアベノミックスが始まった12年12月と現在を比較してみよう。最も好転したのは株価。日経平均は1万0400円から1万8600円に上昇した。また雇用も大きく改善している。就業者数は160万人増加し、失業率は4.3%から2.8%に改善した。
株価の高騰は好調な企業収益にも支えられたが、日銀の金融緩和政策によるところが大きい。雇用の改善は災害復旧とオリンピック需要もあるが、労働力人口の減少が基本的な原因だ。その一方で、陽の当たらない部門の代表は家計である。家計調査によると、13年2月の勤労者世帯の実収入は46万6000円。この2月は48万4000円で、この間に1万8000円しか増えていない。
同じ調査によると、2人以上世帯の平均消費支出は13年2月が26万8000円。ことし2月は26万0600円で、わずかながら減少してしまった。政府や日銀は「景気は回復中」と言い続けているが、実態は“足踏み状態”に近い。経済の拡大テンポが遅いと、どうしても先行きに対する不安を拭い切れない。それが消費支出が伸びない最大の原因になっている。
≪12日の日経平均 = 下げ -195.26円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
さらに経済の各部門で、陽の当たるところと当たらないところが明瞭に分かれている。これも現在の景気動向の特徴だ。たとえばアベノミックスが始まった12年12月と現在を比較してみよう。最も好転したのは株価。日経平均は1万0400円から1万8600円に上昇した。また雇用も大きく改善している。就業者数は160万人増加し、失業率は4.3%から2.8%に改善した。
株価の高騰は好調な企業収益にも支えられたが、日銀の金融緩和政策によるところが大きい。雇用の改善は災害復旧とオリンピック需要もあるが、労働力人口の減少が基本的な原因だ。その一方で、陽の当たらない部門の代表は家計である。家計調査によると、13年2月の勤労者世帯の実収入は46万6000円。この2月は48万4000円で、この間に1万8000円しか増えていない。
同じ調査によると、2人以上世帯の平均消費支出は13年2月が26万8000円。ことし2月は26万0600円で、わずかながら減少してしまった。政府や日銀は「景気は回復中」と言い続けているが、実態は“足踏み状態”に近い。経済の拡大テンポが遅いと、どうしても先行きに対する不安を拭い切れない。それが消費支出が伸びない最大の原因になっている。
≪12日の日経平均 = 下げ -195.26円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ≫