経済なんでも研究会

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分水嶺に立った 景気 / アメリカ (上)

2019-07-09 08:03:24 | アメリカ
◇ 7月で史上最長の景気拡大を記録 = アメリカの景気は、リーマン不況が底入れした09年7月から拡大を続けている。したがって、この7月で121か月目。91-01年に作った120か月の過去最長記録を破ることは確実になった。この間にダウ平均株価は約3倍に上昇、雇用情勢は劇的に改善して失業率は10%から3.6%にまで低下している。しかし米中貿易戦争の影響もあって、最近の景気には注意信号も。まだ拡大を続けるのか、それとも後退に向かうのか。分岐点にさしかかっている。

今回の景気拡大の特徴は、低成長という事実。たとえば91-01年のときは、年平均の成長率が3.6%だった。それが今回は、これまでの平均が2.3%でしかない。一部の経済学者は、この低成長率が景気を長期にわたって拡大させたと主張している。つまり景気の急ピッチな上昇がなく、その反動もなかったというわけだ。この論法は、いまの日本経済にも当てはまるかもしれない。                                                                                            

しかし10年もの拡大が続くと、さすがに疲れがみえてくる。たとえば工業生産指数は、ことしになってから前年比がマイナスになりがち。小売り売上高も前年比の伸びが縮小してきた。ISM(サプライ・マネジメント協会)の製造業景況指数も低下を続け、6月には51.7と、好不況を分ける50に急接近している。そして4-6月期の企業決算は、確実に減益となる。

これまで“一人勝ち”してきたアメリカの景気は、史上最長の拡大記録を作ったところでピークを迎えるのか。それとも、もうひとヤマ登るのか。もちろん米中貿易戦争が終結すれば、景気には活が入るだろう。だが半面、FRBによる政策金利の引き下げは遠のくかもしれない。確かなことは、アメリカの景気が微妙な段階にきているという事実である。

                                (続きは明日)

       ≪8日の日経平均 = 下げ -212.03円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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