経済なんでも研究会

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異常な 輸出の八方塞がり : 10月

2019-11-23 07:35:46 | 貿易
◇ 製造業の傷は予想以上に深い = 財務省が20日発表した10月の貿易統計によると、輸出は6兆5800億円で前年比9.2%の減少。輸入は6兆5600億円で14.3%の減少だった。この結果、貿易収支は173億円の黒字となっている。輸出額は11か月連続の減少で、減少率は3年ぶりの大きさだった。新聞各紙は「4か月ぶりに黒字転換」などと報じているが、内容を精査すると輸出を巡る状況はきわめて深刻なことが判る。

というのも輸出先をみると、ほぼすべての地域に対する輸出額が減少したこと。まずアジア向けの輸出は3兆5000億円で、前年比11.2%の減少。このうち中国向けは10.3%、韓国向けは23.1%の減少だった。このほか台湾を除いて、アジア各国向けの輸出は軒並み減少している。またアメリカ向けは11.4%、中南米向けは5.4%、さらにEU向けも6.3%減少した。

米中経済戦争の影響で、中国経済は減速中。また日韓関係は最悪の状態に陥っている。したがって中国向けと韓国向けの輸出が減退するのは、当然かもしれない。しかしアメリカや東南アジア諸国、あるいはEU向けの輸出までが一斉に減少したのは、一種の異常事態と言えるのではないか。そこには世界同時不況の影も見えてくる。

ことし4-9月期、上場企業のうち製造業の純利益は31%も減少した。業界では10-3月期にはやや改善すると期待しているが、輸出がこんな状況だと改善は難しい。製造業の傷は、いま想定されている程度より深くなるのかもしれない。製造業が長期にわたって低迷すれば、やがて非製造業にも影が忍び寄る。今後の輸出動向には、細心の注意を払う必要がありそうだ。

       ≪22日の日経平均 = 上げ +74.30円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   

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